東京センチュリーの建設コンストラクションマネジメント投資、NYCの地域建設会社承継、セレンディップHDの鉄鋼関連買収
公開日:2026.06.26
2026.06.26
更新日:2026.06.26
2026.06.26
2026年6月6日〜6月12日に公表されたM&A案件の中から、東京センチュリーによる建設コンストラクションマネジメント(以下「CM」という。)投資を目的としたアクアの買収、NYCによる角栄組の買収、セレンディップHDによる日建産業の買収の3件を取り上げます。
今回は、建設プロジェクトマネジメント(以下「PM」という。)、土木建設・運送、鉄鋼関連の製造・商社事業と、いずれも建設・ものづくり周辺領域に関わる案件です。一方で、買い手の目的は、企業投資の拡大、地域企業の事業承継支援、隣接領域への進出とそれぞれ異なります。各案件の背景と狙いを整理します。
東京センチュリーがアクアを買収(建設CM領域で初の単独企業投資)
対象会社の概要
株式会社アクア(東京都)は1998年設立の企業です。新築・改修に関わるPM、CMを手掛けています。
同社は、豊富な積算実績に基づく独自のデータベースと、データサイエンスを活用したコストコントロール力を強みとしています。建設プロジェクトにおけるコスト管理やマネジメント領域で専門性を有する企業です。
買い手企業の概要
東京センチュリー株式会社は、金融・リースを中心に事業を展開する企業です。本件では、同社が設立する特別目的会社を通じてアクアの全株式を取得します。東京センチュリーにとって、本件は企業投資における初の単独出資案件と位置付けられています。
M&Aの背景と狙い
東京センチュリーは2026年7月2日付で、アクアを買収します。建設業界では、建設コストの上昇や人材不足を背景に、専門性の高いPMやCMの需要が高まっています。
東京センチュリーは、アクアの独立性と専門性を維持しながら、人材基盤の強化、DX推進による生産性向上、業務領域の拡張を進める方針です。専門性の高いマネジメントを通じて、建設プロジェクトにおけるリソースの最適化を図る狙いがあると思われます。
案件サマリー
| 取引スキーム | 株式取得(全株式) |
| 実行予定日 | 2026年7月2日 |
| 取得金額 | 非公開 |
| 対象会社情報 | 株式会社アクア(東京都/PM・CM) |
| 買い手企業情報 | 東京センチュリー株式会社(東京都/金融・リース・企業投資) |
| 買い手の狙い | 建設CM領域への企業投資、人材基盤強化、DX推進、業務領域拡張 |
NYCが角栄組を買収(地域建設・運送会社の事業承継支援)
対象会社の概要
株式会社角栄組(広島県)は1978年設立の企業です。土木建設業と運送業を展開しています。
建設事業では、土木工事、舗装工事、水道施設工事などを手掛けています。運送事業では、広島県・岡山県を中心とした輸送ネットワークを有しています。地域のインフラを支える建設・運送事業者です。
買い手企業の概要
NYC株式会社(東京都)は、中小企業投資事業やベンチャー投資事業を行う投資会社です。同社は、優れた技術やビジネスモデルを持つ中小企業を対象に投資を行い、投資先企業の意向を踏まえた経営支援を行っています。
M&Aの背景と狙い
NYCは2026年2月13日付で、角栄組の全株式を取得しました。本件は2026年6月10日に公表されています。
角栄組は、地域密着型の土木建設・運送事業者として事業基盤を築いてきました。一方で、今後のさらなる発展と事業継続に向けて、次期経営体制の構築が課題となっていました。
NYCは、角栄組の企業価値向上に向けて、経営体制の強化をはじめとする経営支援を行う方針です。地域インフラを支える企業の事業承継を支援する案件といえます。
案件サマリー
| 取引スキーム | 株式取得(全株式) |
| 実行日 | 2026年2月13日 |
| 公表日 | 2026年6月10日 |
| 取得金額 | 非公開 |
| 対象会社情報 | 株式会社角栄組(広島県/土木建設業・運送業) |
| 買い手企業情報 | NYC株式会社(東京都/中小企業投資・ベンチャー投資) |
| 買い手の狙い | 地域建設・運送会社の事業承継支援、経営体制の強化 |
セレンディップHDが日建産業を買収(建設機械分野への進出)
対象会社の概要
日建産業株式会社(大阪府)は、日建コラボレーションスクエア株式会社の全額出資子会社です。給排水用ライニング鋼管の製造・販売を手掛けています。
同社は2021年設立で、売上高は95億2,400万円です。建設機械メーカー向け部品を中心とした商社事業と、ライニング鋼管などの加工事業を併せ持っています。
買い手企業の概要
セレンディップHD株式会社は、ものづくり企業を中心に、中堅・中小企業の経営支援や事業承継支援を行う企業です。本件では、全額出資で設立したセレンディップSPC3号株式会社を通じて、日建産業の全株式を取得します。
M&Aの背景と狙い
セレンディップHDは2026年7月1日付で、日建産業の全株式を39億4,100万円で取得します。アドバイザリー費用などを含めた取得関連費用は42億4,100万円です。
本件により、セレンディップHDは、自動車産業を中心とするものづくり領域に隣接する建設機械分野へ進出します。構造部材や加工技術における共通性を生かし、関西圏における営業拠点および事業領域の拡大を図ります。
また、セレンディップHDは2026年6月に投資子会社のものづくり事業承継HDを設立し、セレンディップSPC3号の株式を移管する予定です。本件は、同社のものづくり領域における事業承継投資の一環と位置付けられます。
案件サマリー
| 取引スキーム | 株式取得(全株式) |
| 実行予定日 | 2026年7月1日 |
| 取得金額 | 39億4,100万円 |
| 取得関連費用 | 42億4,100万円(アドバイザリー費用等を含む) |
| 対象会社情報 | 日建産業株式会社(大阪府/給排水用ライニング鋼管製造・販売、建設機械向け部品商社) |
| 買い手企業情報 | セレンディップHD株式会社(愛知県/ものづくり企業の事業承継・経営支援) |
| 買い手の狙い | 建設機械分野への進出、ものづくり領域に隣接する事業領域の拡大 |
まとめ
今回の3件は、建設PM、土木建設・運送、鉄鋼関連製品と、建設・ものづくり周辺に関わる案件が並びました。
東京センチュリーは、建設CM領域における専門性を持つアクアを取り込み、企業投資としての新たな事業領域を広げます。NYCは、地域インフラを支える角栄組の事業承継を支援し、経営体制の強化を図ります。セレンディップHDは、日建産業の買収を通じて、既存のものづくり領域に隣接する建設機械分野へ進出します。
いずれの案件も、対象会社が持つ専門性や地域基盤を生かしながら、買い手側の経営資源や支援機能を組み合わせることで、次の成長につなげようとする動きです。
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また、具体的な買いニーズを持っている企業のほか、業界・買い手企業分析に基づき事業親和性の高い企業を買い手候補としてご提案します。大手金融機関や大手M&A仲介、M&Aマッチングサービスとも連携しているため、買い手探索のルートが豊富です。
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