会社を次のステージへ。友瀬氏がM&Aで重視した“成約後も一緒に伸ばせるパートナー”

2026.07.29

公開日:2026.07.29

2026.07.29

2026.07.29

更新日:2026.07.29

2026.07.29

会社を次のステージへ。友瀬氏がM&Aで重視した“成約後も一緒に伸ばせるパートナー”
企業名株式会社ティ・エ・エス
事業内容旅行事業・インバウンドコンサルティング事業
オーナー様について友瀬 貴也 様

株式会社ティ・エ・エスは、訪日旅行を軸に事業を展開する旅行会社です。1979年の創業以来、海外から日本を訪れる旅行者に向けて、移動手段、宿泊、食事、観光、ガイドなどを手配するランドオペレーター業務や、海外旅行会社向けのツアー提案を行ってきました。

同社を率いる友瀬貴也氏は、創業者である父から事業を引き継いだ2代目の経営者です。当初からM&Aを強く検討していたわけではありません。しかし、RISONAL M&Aを提供するオーナーズとの接点を通じて自社の強みや業界内でのポジションを整理する中で、「自分一人で伸ばせる範囲には限界がある。より強いパートナーと組むことで、会社を次のステージに進められるのではないか」という考えが明確になっていきました。

今回は、友瀬氏に、M&Aを検討するに至った背景、パートナー選定で重視したこと、RISONALの支援を通じて感じたこと、そして成約後の変化について伺いました。

株価算定シミュレーター

事業の成長背景

――まず、ティ・エ・エスの事業に対して、どのようなところにやりがいや愛着を感じていらっしゃいますか。

もともと私は2代目で、父が築いた会社を引き継いだ形です。旅行自体は好きでしたが、当初は旅行業界に対して、どこかアナログな印象があり、強い関心があったわけではありません。

ただ、実際に仕事をする中で、自分が「こうしたら楽しい」「こうしたら良い経験になる」と感じたことをお客様に伝え、それを楽しんでいただけることに面白さを感じるようになりました。特に、海外から来られる方に、日本国内のまだ知られていないような場所を紹介し、感動していただける瞬間を見るのが好きでした。

旅行業は、人の体験に直接関わる仕事です。自分たちが提案した旅行を通じて、お客様が笑顔になってくれる。その点に、この仕事の面白さを感じています。

M&Aを検討した背景

――もともとM&Aや事業承継を具体的に考えていたのでしょうか。

最初から強く考えていたわけではありません。きっかけは、担当の銀行の方からRISONAL M&Aを運営するオーナーズを紹介されたことでした。当時は、会社を譲ることに特別な興味があったわけではありません。

最初は話を聞いてみるくらいの感覚でしたし、決算書の提出も数カ月遅れてしまうくらい、積極的に進めようとしていたわけではありませんでした。ただ、その後、RISONALにインフォメーションメモランダム(以下:IM)を作成してもらい、自社の事業や業界内でのポジションを整理してもらったことで、少しずつ見え方が変わっていきました。

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自分の会社が外部からどう見えるのか、どのような可能性があるのかを、資料として客観的に見ることができた。そのことが、M&Aを現実的な選択肢として考え始めるきっかけになりました。

――会社の成長については、どのような課題感を持っていましたか。

業績自体は、常に右肩上がりで推移していました。一方で、自分自身が伸ばせるところには限界があるとも感じていました。

もちろん、自社で人を採用して体制をつくっていく選択肢もあります。ただ、それだけではなく、より強いパートナーと組むことで、会社をさらに伸ばせるのではないかと考えるようになりました。

今回のM&Aは、単に株式の譲渡先を探すというよりも、会社を一緒に伸ばしていけるパートナーを探すという意味合いが強かったと思います。

パートナー選定・意思決定のポイント

――パートナー候補を検討するうえで、どのような点を重視していましたか。

私自身は、会社に残って引き続き事業に関わりたいと考えていました。株式も一部は保有し、会社の一員として一緒に成長に取り組みたいという思いがありました。

そのため、会社を完全に吸収するような相手ではなく、ティ・エ・エスという会社を残しながら、一緒に伸ばしていける相手を重視していました。いわゆる売却して終わり、という考え方ではありませんでした。

候補先については、それぞれの会社と組んだ場合に、どのような体制で仕事ができるのか、会社の今後にどのような影響があるのかを細かく見ていきましたし、RISONALからも、各候補先の特徴や相性について、さまざまな観点からアドバイスをもらいました。

――最終的に現在のパートナーを選ばれた背景を教えてください。

大きかったのは、事業面でのシナジーです。今回のパートナーには、ホテル・レストラン事業を主に手がける会社が関わっており、当社のインバウンド旅行事業との親和性が高いと感じました。

また、成約後に会社をどう成長させていくかという点でも、具体的な支援を期待できると感じました。単に資本が入るだけではなく、経営管理体制の整備や、新しい事業の検討にも関わってもらえるイメージが持てたことは大きかったです。

M&Aプロセスで感じた課題

――M&Aのプロセスで、不安や大変さを感じた場面はありましたか。

全体としては、かなりスムーズに進めてもらった印象です。私自身、海外を拠点にしながら進めていましたが、M&Aのために日本に来る必要はほとんどありませんでした。基本的な打ち合わせはオンラインで行い、資料提出などもオンラインや日本のオフィス経由で対応できました。

一方で、デューデリジェンスは想定より時間がかかりました。結果的には半年ほどかかっており、当初聞いていたより長いと感じた部分はありました。当社はシンガポールに拠点があるため、確認すべき事項が多かったのだと思います。

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ただ、越境であること自体に大きな不安があったわけではありません。必要なやり取りはオンラインで完結できましたし、その点では今の時代、十分に進められると感じました。

RISONALを選んだ理由・支援への評価

――RISONALに任せようと思われた理由は何でしたか。

大きかったのは、オーナー側の立場に立って支援してくれるという点です。

以前、当社が譲り受ける側として他社のM&Aを実行したことがあり、そのときにM&A仲介会社とも接点がありました。譲り受ける側の立場から見ると、仲介会社は非常に頼れる存在に見える場面もありました。一方で、自分が譲る側になったときに、同じ構造で進めることには不安がありました。

そのため、今回のように自分が譲る側の立場で進めるのであれば、オーナー側に立って支援してくれる相手にお願いしたいと考えていました。信頼している金融機関からの紹介だったこともありますが、オーナー専属で支援してもらえる点は、RISONALを選ぶうえで重要な理由でした。

――RISONALの支援で印象に残っていることはありますか。

まず、IMの作成です。自社の事業内容や業界内でのポジションを整理してもらい、それを資料として見たことで、会社の見え方が変わりました。自分の会社がこう見えるのか、こういう可能性があるのかと、改めて考えるきっかけになりました。

また、対応のスピード感も印象に残っています。担当者のレスポンスが非常に速く、こちらとしても安心感がありました。単に手続きを進めるだけではなく、候補先ごとの特徴や、成約後にどのような関係性で仕事ができそうかといった点まで細かく見てもらえたことも、ありがたかったです。

価格や条件ももちろん重要ですが、私にとっては、成約後に自分が気持ちよく働けるか、会社がきちんと成長していけるかも非常に重要でした。その点を踏まえて、候補先を一緒に見てくれたことは大きかったと思います。

成約後の変化と今後の展望

――成約後、経営者としての日々に変化はありましたか。

一番大きいのは、精神的にも実務的にも楽になったことです。以前は、自分一人で決めなければならないことが多く、ほぼすべての責任を自分で背負っていました。

今は、同じ方向を見て考えてくれる人が横にいます。相談できる相手がいることは、経営者として非常に大きいです。人事や管理面についても、すべてを自分一人で抱える必要がなくなりました。採用や評価、人事関連の相談、管理体制の整備なども、任せられる部分が増えています。

その結果、自分の時間もでき、新規事業など、より注力したいテーマに時間を使えるようになりました。

――パートナーとの関係性や、会社の運営面ではどのような変化がありますか。

新しい役員や幹部層が会社に加わったような感覚に近いです。経営をただモニタリングされるだけではなく、日々のミーティングにも入っていただき、会社の管理体制や経営の仕組みを一緒に整えてくれています。

たとえば、月次管理をより早く進めるための体制づくりや、会社がさらに大きくなったときにも対応できる管理システムの整備などです。中小企業では、こうした幹部層の採用や管理体制の高度化が難しいこともあります。今回の提携によって、その課題が一気に進み始めた感覚があります。

また、伸ばしたかった新規事業についても、一緒に考えてもらっています。パートナーが他の投資先や事業ネットワークを持っていることもあり、今後のシナジーにも期待しています。

これからM&A・事業承継を考える経営者へのメッセージ

――同じように事業承継や会社の成長を考えている経営者に向けて、伝えたいことはありますか。

自分のケースで言えば、「これ以上、自分だけでは伸ばし切れない」「本当にやりたいことに時間を使えていない」と感じたタイミングで、外部のパートナーと組むことを考えてもよいのではないかと思います。

M&Aというと、会社を譲渡して終わりというイメージを持つ方もいるかもしれません。ただ、私の場合は、譲渡というよりも、パートナーと組んで会社をもっと伸ばしていくという感覚に近いものでした。

会社を経営していると、どこかで行き詰まりを感じるタイミングがあると思います。そのときに、M&Aや資本提携を単なる出口ではなく、会社を成長させるための選択肢として考えてみることは、一つの有効な方法だと思います。

RISONAL編集部からの感想

友瀬氏の意思決定で特徴的なのは、M&Aを「会社を手放すための手段」ではなく、「会社をもう一段成長させるための組み直し」として捉えている点です。

当初から明確な譲渡の意向があったわけではありません。しかし、IMを通じて会社の強みや業界内でのポジションが可視化されたことで、友瀬氏は自社の可能性を客観的に見直し、成長のために必要なパートナー像を具体化していきました。

中小企業のオーナー経営者にとって、自分一人で会社を伸ばし続けることには限界があります。特に、採用、経営管理、人事、事業開発といった領域では、社長個人の努力だけでは解決しにくい課題も少なくありません。

今回の事例は、M&Aや資本提携が、単なる事業承継や株式譲渡にとどまらず、経営者が本来注力すべき仕事に向き合うための選択肢にもなり得ることを示しています。大切なのは、条件面だけでなく、成約後にどのような体制で会社を伸ばしていけるのかまで見据えて、パートナーを選ぶことだといえます。

本案件の担当者より

池田 卓義

池田 卓義

Takuyoshi Ikeda

ディレクター

房本 哲朗

房本 哲朗

Tetsuro Fusamoto

アソシエイト

池田 卓義

SMBC日興証券のコーポレート・ファイナンス本部(投資銀行部門)にてM&Aや資金調達、IPO等のアドバイザーとして従事。小売(EC含む)・卸・コンシューマー・ヘルスケア業界を中心に、日系企業による資本業務提携、TOB、グループ子会社の売却、投資ファンドによるEXIT等多岐にわたる案件においてフィナンシャル・アドバイザリーサービスを提供。慶應義塾大学大学院理工学研究科卒。

房本 哲朗

株式会社三菱東京UFJ銀行(現・三菱UFJ銀行)に新卒で入社。大阪の支店でオーナー企業を担当し、資金調達・資産運用・事業承継等の課題解決を支援したのち、東京の営業本部にて大企業担当として、顧客企業の国内外における資金調達や資金決済等をサポート。その後、シンガポールの地域統括オフィスにて、同行アジア拠点のガバナンス高度化・業務効率化等に従事。京都大学経済経営学科卒。

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この記事の著者

RISONAL編集部(オーナーズ株式会社 )

RISONAL編集部

売り手の理想のM&Aの実現に特化した専属M&Aエージェントサービスおよび事業オーナー向けの資産運用サービスを提供するオーナーズ株式会社

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