医療機器販売業界のM&A事情を詳しく解説!業界動向や事例もあわせて紹介

2025.03.31

公開日:2025.03.31

2025.03.31

2026.02.01

更新日:2026.02.01

2026.02.01

医療機器販売業界のM&A事情を詳しく解説!業界動向や事例もあわせて紹介

医療機器販売業界は、市場規模が拡大する一方で企業数は減少傾向にあり、業界再編の波が押し寄せています。
医療費抑制政策による利益率の低下や競争の激化を背景に、生き残りをかけたM&Aが、有効な経営戦略として選択されています。
本記事では、医療機器販売業界における最新のM&A動向や、譲渡のメリット、具体的な成功事例について、専門家の視点から詳しく解説します。今後の経営判断の参考として、ぜひ本記事をご活用ください。

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医療機器販売業界とは?業界の現状を解説

医療機器販売業界の動向

医療機器販売業界は、医療機関に対して医療機器・医療材料を安定的かつ継続的に供給する役割を担う、医療提供体制を支える重要なインフラです。ここでは業界の基本的な定義と、直面している最新の動向を整理して解説します。

医療機器販売業界の定義

医療機器販売業界とは、メーカーが製造した医療機器や消耗品を仕入れ、病院などの医療機関へ販売する産業です。

主な役割は、多種多様な製品を安定的に供給するとともに、医療現場へ適切な情報を提供することにあります。取り扱う製品は、高度な手術支援ロボットから注射器などの消耗品まで、多岐にわたります。

医療現場のニーズを的確に捉え、メーカーへ製品改良のヒントをフィードバックする橋渡し役としての存在意義も大きいといえるでしょう。

また、医療法や薬機法といった厳格な法規制を遵守し、安全に製品を供給する責任を担っています。専門知識を持つ営業担当者が、医師や看護師を技術面でサポートする点も大きな特徴です。

このように、医療機器販売業界は単なる物流業にとどまらず、医療の質を支える専門性の高い存在といえます。

医療機器販売業界の動向

医療機器販売業界は、国の医療政策や社会構造の変化に直結する課題を多く抱える産業です。高齢化の進展により需要自体は底堅いものの、診療報酬改定による病院の収益悪化が、製品価格の下落を招き、利益を圧迫しています。

また、燃料費や人件費の高騰により、物流コストが増大している点も重要な課題です。さらに、従来のアナログな発注・在庫管理から脱却し、デジタル技術を活用した業務効率化が急務となっています。

加えて、特定製品の販売にとどまらず、院内の物品管理を包括的に受託するSPD事業など、サービス化の動きも進んでいます。このような環境変化に迅速に対応し、付加価値を提案できる企業が生き残る時代といえるでしょう。

医療機器販売業界の市場規模

厚生労働省「医薬品・医療機器産業実態調査」によると、令和4年度の医療機器の売上高は2兆559億円です。

売上高は毎年増加傾向にあり、今後も高齢化に伴う治療機器の需要増加や画像診断、手術支援(ロボット含む)市場の拡大が見込まれています。しかし医療機器の単価自体は医療費抑制政策により下落しており、今後の伸び悩みが予想されるでしょう。

また、集計企業数の推移を見ると、令和3年度までは増加傾向にあるものの、令和4年度には企業数が減少しています。

医療機器卸売業の営業利益率は令和4年度に1.9%まで上昇しました。市場は拡大しており、各社の収益力も向上しています。

サービス・運営形態の多様化

医療機器販売業界では、従来の物品販売にとどまらず、運営形態を多様化させる動きが加速しています。

具体的には、病院内の在庫管理や発注業務を代行するSPD事業の受託が、収益の柱として定着しつつあります。特定の診療科に特化した専門ディーラーも、医師からの信頼を獲得し、存在感を高めています。

また、機器の修理や点検を自社で担う保守・メンテナンス体制の強化も、他社との差別化につながっています。単に製品を販売するだけでなく、医療機関の経営を支えるパートナーとしての役割が、より強く求められています。

高齢化社会の進展

高齢化社会の進展は、医療機器販売業界にとって、需要構造を変化させる大きな要因となっています。

平均寿命の延伸により、人工関節やカテーテルといった高齢者特有の疾患に対応する医療機器の利用頻度が高まっています。さらに、在宅医療の普及に伴い、病院外で使用される酸素濃縮器や床ずれ防止用具などの需要も拡大しています。

こうした流れを受け、医療機器ディーラーは介護施設との連携強化や、QOL向上を支える製品ラインナップの拡充を進めています。高齢者の生活を支える製品の提供は、今後も業界の成長を支える重要な軸となるでしょう。

コロナ禍の影響

コロナ禍は、医療機器販売業界の営業スタイルやサプライチェーンに大きな変化をもたらしました。

感染症対策製品の特需が発生した一方で、予定されていた手術の延期により、主力製品の売上が一時的に落ち込む局面もありました。この経験を通じて、特定の製品に依存せず、調達先を分散させて安定供給を実現する重要性が改めて認識されています。

また、医療機関への訪問制限を背景に、Web会議システムを活用した非対面での情報提供が一般化しました。デジタルツールを使いこなし、効率的に顧客とコミュニケーションを取る力が、現在の営業現場では不可欠となっています。

医療機器販売業界のM&A動向とは?

医療機器販売業界のM&A動向

近年の医療機器販売業界では、大手企業が中小企業をM&Aによって買収するケースが多くみられるようになりました。医療費の増加や医療機器メーカーの生産増加もあり、業界の市場規模が増加傾向にあることが背景にあります。

また、大手企業が規模拡大を目的にM&Aを行い競争力が高まった結果、地域密着型の中小企業の経営が困難になっていることも、大手企業による中小企業の買収が増加している背景となっています。

さらに、業界内での競争力を高めるために大手企業同士がM&Aによって合併するケースもみられます。そのため、今後も医療機器販売業界での業界再編は活発に行われると予想できるでしょう。

同業種間でのM&A

同業種間でのM&Aは、主に大手ディーラーが地方の中堅・中小企業を取り込む形で進められています。

主な目的は、特定地域におけるシェア拡大と、仕入れ規模の拡大によるコスト競争力の強化です。規模を拡大することでメーカーとの交渉力を高め、より有利な条件で製品を確保する狙いがあります。

また、物流センターの共通化や、重複する管理部門の統合によって、経営効率を高める事例も増えています。競争が激化するなかで、単独での生き残りが難しい企業が大手の傘下に入る動きは、今後も継続していくと考えられます。

異業種間でのM&A

異業種から医療機器販売業界への参入を目的としたM&Aも、近年注目を集めている動きの一つです。

例えば、医薬品卸企業が医療機器ディーラーを買収し、医薬品と医療機器の両面から医療機関を支援する体制を構築する事例があります。物流ノウハウを持つ企業が、医療分野という専門性の高い流通インフラを求めて参入するケースも少なくありません。

さらに、IT企業がデジタルヘルス領域の強化を目的に、顧客基盤を持つディーラーと連携する動きも見られます。異業種の知見が融合することで、これまでにない新たな医療サービスの創出が期待されています。

医療機器販売業界のM&Aの流れ

医療機器販売業界のM&Aの流れ

医療機器販売業界におけるM&Aの流れは、大きく分けて下記の3つのステップから構成されます。

1.M&Aの事前準備、助言会社の選定
2.買い手候補先企業との接触、意向表明受領
3.詳細調査(DD)、最終契約締結・クロージング

それぞれ詳しくみていきましょう。

Step1.M&Aの事前準備、助言会社の選定

まず、M&Aの事前準備とM&A助言会社を選定します。

事前準備として、M&A助言会社と秘密保持契約を締結し、初期的な資料を開示します。秘密保持契約とは、自社の秘密情報を他社に開示する場合に、その情報を秘密に保持することを締結する契約です。

その上で、売却戦略をM&A助言会社と策定し、買い手候補先企業を優先順位ごとに並べたロングリスト(※1)を作成します。

譲渡の目的を満たすストラクチャー(※2)の検討や、譲渡完了に至るまでの全体のスケジュールについても事前準備の段階で検討します。

また、この段階でM&A助言会社とエージェント契約を締結します。

M&A助言会社を選定する際に注意しておきたいのが、仲介とFA(フィナンシャル・アドバイザー)の違いです。

仲介とは、いわゆるマッチングサービスのことで、売り手と買い手の双方とそれぞれ仲介契約を締結します。M&Aの当事者双方から依頼を受けているため、いずれか一方の利益のみを優先的に取り扱うことはできず、双方の意向を一元的に把握し、双方の共通の目的であるM&Aの成立を目指し、助言や調整を行います。また、手数料は売り手と買い手の双方から受領します。

それに対してFAとは、M&Aを実行するためのアドバイスを提供するサービスのことで、M&Aの当事者一方のみから依頼を受けます。M&Aの相手方(買い手候補先企業を含む。)に対して、依頼者に対して提供するのと同様の業務を提供することはありません。M&Aの当事者一方のみから依頼を受けているため、依頼者の意向を踏まえて、依頼者にとって有利な条件でのM&Aの成立を目指し、助言や調整を行います。

弊社では、売り手のみと契約を締結してM&Aを支援する専属エージェントサービス(売り手特化型FAサービス)を提供しており、手数料は依頼者である売り手のみから受領し、売り手の利益を最大化することを目指します。

また、譲渡戦略の策定と並行して、買い手候補先企業へ開示する資料準備も進めます。M&Aプロセスの初期に買い手候補先企業に対して開示する資料には、匿名の企業概要書(ティーザー(※3))、インフォメーション・パッケージ(※4)があります。

※1 ロングリスト:一定の条件で絞り込んだ買い手候補先の企業をまとめたリストのこと。
※2 ストラクチャー:M&Aを実行するための手段や方法のこと。
※3 ティーザー:匿名の企業概要書で、通常1枚から2枚で構成される資料のこと。
※4 インフォメーション・パッケージ:買い手候補先企業がM&Aを検討する際の参考資料。対象会社(事業)の魅力を伝え、買い手候補先企業が企業価値評価を実施できることを目的に作成される。

Step2.買い手候補先企業との接触、意向表明受領

次に、買い手候補先企業と接触します。

ロングリストに基づき、M&A助言会社が買い手候補先企業と接触し、ティーザーを開示します。その上で関心を示す相手に対して、秘密保持契約を締結した上でインフォメーション・パッケージを開示します。

対象会社(事業)の譲受を希望する買い手候補先企業は、売り手に対して意向表明書を提出します。意向表明書には、譲渡価格の水準や取引の前提条件、取引後の対象会社の運用方針などが記載されます。売り手はこれを検討・比較し、受け入れ(基本合意)可能かを判断します。

売り手においては、後述する詳細調査(デュー・デリジェンス:DD)のプロセスにおいて、対象会社の秘密情報が買い手候補先企業に開示されることになるため、DDを受け入れる前に納得感の得られる取引条件であることを確認することが非常に重要です。買い手候補先企業においても、DDにおける専門家起用の費用負担や多大な労力が生じるため、この段階で独占交渉権を求めることが一般的です。

そのため、基本合意を締結し、守秘義務や独占交渉権などを取り決めた上で、次のステップに進むことになります。

Step3.詳細調査(DD)、最終契約締結・クロージング

意向表明書を受理して基本合意書の締結をしたら、デュー・デリジェンス(DD)と呼ばれる詳細調査と最終契約締結・クロージングです。

M&Aにおいては、売り手と買い手との間に、情報の非対称性が必然的に生じます。この非対称性をできるだけ解消するために、買い手が実施する対象企業への調査がDDです。

買い手にとってDDには、以下のような目的があります。

・自社のM&A戦略に合致した事業かどうか詳細まで検討する
・定量化可能なDDの発見事項を、譲渡価格へ反映する
・定量化できないDDの発見事項を、最終契約書の条件へ反映し、リスクを遮断する
・M&Aの目的を達成するためのストラクチャーを検討する
・M&A実行後に必要な対応を明確化し、統合計画に反映させる

その後、最終契約締結に移ります。譲渡価格や契約条件を交渉し、双方が納得のいく形で契約を締結します。そしてM&A取引が実行され、対象の株式・事業の引き渡しをし、譲渡代金を支払って経営権の移転が完了します。

譲渡企業オーナーの譲渡を想定したより詳細なM&Aのプロセスは、以下の記事で解説していますので、ぜひご活用ください。
[M&Aのプロセス]

医療機器販売業界のM&Aのメリットとは?5つを紹介

医療機器販売業界のM&Aのメリット

医療機器販売業界でM&Aを実施するメリットとして、以下の5つが挙げられます。

・事業を継続でき、従業員の雇用を守れる
・仕入先・取引先への影響を最小限に抑えられる
・個人保証を解除できる

・ブランド力、販売力を強化できる
・経営リスクを軽減し、事業承継をスムーズに進められる

それぞれ詳しくみていきましょう。

医療機器販売業界のM&Aのメリット①:事業を継続でき、従業員の雇用を守れる

第三者への事業承継を選択せずに廃業を選択した場合は、従業員は職を失うことになり、新しい職を探す必要があります。また、経営者としては、従業員のために新しい職を見つけてあげるなどの対応をするケースも考えられます。

一方で、M&Aの実施により、従業員の雇用を継続でき、経営者は従業員に対する責任を果たせるでしょう。

医療機器販売業界のM&Aのメリット②:仕入先・取引先への影響を最小限に抑えられる

事業承継において、廃業を選択した場合には、仕入先や取引先との契約を終了させる必要が出てきます。債権債務の整理をしたり、さまざまな影響が自社および取引先に波及します。

一方で、M&Aを実施する場合、一般的には既存取引先との契約関係は引き継ぐことが多く、廃業による影響を最小限に抑えられます。

医療機器販売業界のM&Aのメリット③:個人保証を解除できる

中小企業においては、金融機関から借入れをする際に経営者個人が個人保証を行うケースが一般的です。経営者保証のガイドラインが策定されたものの、いまだに解消されていないのが現状です。

M&Aを行うと、売り手の借入れ返済義務を買い手が引き継ぐ形となるため、金融機関に対して買い手と協力して、売り手である経営者の個人保証を解除する手続きを行います。

医療機器販売業界のM&Aのメリット④:ブランド力、販売力を強化できる

M&Aによって大手グループの一員となることで、自社のブランド力や販売力を飛躍的に高めることが可能です。

知名度の高い企業の傘下に入ることで、医療機関からの信頼獲得につながり、新規取引も円滑に進めやすくなります。親会社が持つ全国規模のネットワークや営業リソースを活用すれば、自社の強みを持つ製品を、より広いエリアへ展開することが期待できます。

また、企業としての安定性が高まることで、採用面においても大きなメリットがあります。専門性の高い優秀な人材を確保しやすくなり、組織全体の営業品質やサービス力の向上につながるでしょう。

医療機器販売業界のM&Aのメリット⑤:経営リスクを軽減し、事業承継をスムーズに進められる

後継者不在に悩む経営者にとって、M&Aは事業を次世代へ確実に引き継ぐための有効な手段です。

親族や従業員に適任者がいない場合でも、M&Aによって適切な買い手を見つけることで、長年築いてきた事業や雇用を維持できます。大手資本の傘下に入ることで、経営者個人が負っている借入金の個人保証を解除できる点は、大きなメリットといえるでしょう。

さらに、単独経営では避けにくい市場変動や薬価改定の影響も、グループ全体の資本力で吸収できるようになります。将来の不確実なリスクを分散し、安定した環境で事業を継続できる点は、オーナーにとって心理的な安心感にもつながります。

医療機器販売業界のM&Aの相場

医療機器販売業界のM&Aの相場

医療機器販売業界の相場は、一概にいくらと明言できません。その企業の売上やブランド力、立地などさまざまな要素から判断されます。

これまでM&A仲介会社では年買法といわれる簡便的な株式評価手法を用いて評価を実施することが一般的でした。これは純資産に営業利益の数年分を加算する簡単な計算方法であり、理解が容易な一方、実績ベースの評価で、加算される営業利益の年数も業界ごとに固定的なものとなります。

その結果、成長性のある事業ほど低く株式価値が算定されてしまうリスクがあります。正しく買い手の株式価値評価手法を理解することは、売り手オーナーが自身の利益を守るために重要です。

医療機器販売業界のM&A実務において事業価値の算定には、大きく分けて2つの方法があります。

・インカムアプローチ
・マーケットアプローチ

インカムアプローチは、営業資産が生み出す将来キャッシュフローを評価の基礎とする方法です。代表的なディスカウント・キャッシュ・フロー(DCF)法では、将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて事業価値を試算します。

理論的に優れた方法ではあるものの、将来キャッシュフローの見積もりや割引率の計算は非常に難易度が高く、経験を積んだ専門家でないと試算が困難で、初見では理解しづらいのが大きな欠点でしょう。

本稿では「価値の概算を簡単に知る」ことを目的にしていますので、インカムアプローチの詳細な説明は割愛します。

マーケットアプローチは、市場における取引価格を参考にして事業価値を算定する方法です。具体的には、以下のような方法が存在します。

・類似会社比較法
・類似取引比較法

類似会社比較法は、評価する対象の企業の類似会社にあたる上場会社の企業価値と、営業利益や収益力(EBITDA)といった財務指標から算出された倍率(マルチプル)を評価対象会社に適用することで、事業価値を算出する方法です。

具体的には、以下のように算定します。

EBITDA×業界相場の倍率(EBITDAマルチプル)=企業価値
(EBITDAマルチプル=上場類似会社の企業価値/上場類似会社のEBITDA)

EBITDAは、営業利益に減価償却費を足して算出されるものです。

また、類似会社は、業界が同じ上場企業を選定するのはもちろんのことですが、ビジネスモデルや収益構造、顧客の層などの類似性から選定するパターンもあります。類似会社をどのように選ぶかで算定結果は大きく依存します。

企業価値を算出したら、株式価値を算出しましょう。株式価値は、以下のように算出します。

企業価値-有利子負債+現金同等物=株式価値

第三者に譲渡する場合に、どの程度の価値がつくかを把握しておくことは重要なため、理解しておきましょう。

なお、マーケットアプローチには、類似会社比較法のほか、類似するM&Aによる取引事例を用いた類似取引比較法という方法が存在します。

しかし、参照する過去の取引における対象会社が非上場である場合、入手可能な財務数値が限定的であるため、同方法が中小企業のM&Aで利用されることは少ないのが現状です。

M&Aにおける価値の算定については、下記で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
[うちの会社、結局いくらで売れるの?~事業オーナーの疑問に答えるコラム①~]

また、自社の具体的な株式価値を知りたい場合には、株価シミュレーターを用意していますので、以下で試算可能です。ぜひご活用ください。
[株価シミュレーター]

医療機器販売業界のM&Aのポイントとは?押さえておきたい3つを紹介

医療機器販売業界のM&Aのポイント

医療機器販売業界でM&Aを実施する際に押さえておきたいポイントとして、下記の3つが挙げられます。

・適切なM&A助言会社を選定する
・自社の正当な収益力・財務状況を把握する
・適切なタイミングでM&Aを実施する

それぞれ詳しく解説します。

医療機器販売業界のM&Aのポイント①:適切なM&A助言会社を選定する

M&A助言会社に求められる能力は、法務・会計・税務・ファイナンスに精通していること、誠実であること、顧客の立場に寄り添って助言を提供できる立ち位置であること、M&Aの売り手・買い手の双方の行動原理を理解しそれを交渉に活かせること、と多岐に渡ります。

真に顧客に寄り添える立場であるか、また、上記を見極めるためにも売り手・買い手の双方から報酬を受領する仲介会社ではなく、売り手と同じ船に乗り事業オーナーに対し助言する会社(FA)であるかを選定することが重要です。また、その会社に在籍するアドバイザーの知識や経験、ノウハウなどを含むFAサービスの品質が重要です。

医療機器販売業界のM&Aのポイント②:自社の正当な収益力・財務状況を把握する

売り手にとって、自社をよい条件で売却するために必要なのは、自社の正当な収益力・財務状況の把握です。

税務対策やオーナーの個人的な経費を費用計上している中小企業は数多くあるため、具体的な買い手候補にアプローチする前に、自社の実質的な収益力や、貸借対照表においても現金化可能資産や非事業用資産を確認し、実質的な自社の財務状況の把握が必要です。

医療機器販売業界のM&Aのポイント③:適切なタイミングでM&Aを実施する

M&Aで成功するには、取引を実施するタイミングが重要となります。業界の市場が落ち込んでいる状況の中でM&Aを行うと、本来の価値よりも低い価格で会社を売却することになる可能性が高まります。そもそも買い手候補が見つからないかもしれません。

そのため、業界内でのM&Aが活発で、市場を見ても買収が魅力的と感じられるタイミングで取引を実施すれば、より良い条件で売却できる可能性が高まります。

医療機器販売業界のM&A売却事例6選

医療機器販売業界のM&A売却事例

ここでは、医療機器販売業界で実施されたM&Aの売却事例を紹介します。本記事では、下記の6つの事例を紹介します。

・アグロジャパン×アローメディカル
・グローム・ホールディングス×福山医療器
・ベーシック・キャピタル・マネジメント×YMIT

・メディアスホールディングス×佐野器械
・アルフレッサ ホールディングス×宮崎温仙堂商店
・メディアスホールディングス×マコト医科精機

実際の取引を参考にして、自社の売却のために役立ててください。

医療機器販売業界のM&A売却事例①:アグロジャパン×アローメディカル

アグロジャパンは2024年8月30日付でアローメディカルを買収し、90%の株式を取得しました。

アグロジャパンはバイタルケーエスケー・ホールディングスの孫会社で、北海道・東北・新潟を主な商圏として動物用医薬品や医療用医薬品の販売をしています。

アローメディカルは1978年に設立され、売上高13億円、20人の従業員が在籍している企業です。関東エリアを中心に動物病院などへ動物用医薬品や医療用機器を販売しています。

本件M&Aによって、アグロジャパンは、課題のひとつとしているエリア拡大を達成することを目的とし、関東エリアへの販売エリア拡大を図っています。

医療機器販売業界のM&A売却事例②:グローム・ホールディングス×福山医療器

グローム・ホールディングスは2023年9月29日付で福山医療器を買収し、2億3,000万円で全株式を取得しました。

グローム・ホールディングスは、医療機関や福祉施設の経営コンサルティングや、医療機関の人事・労務に関わるサービス提供等を行うグループの持株会社です。

福山医療器は1958年に設立され、売上高は5億8,100万円です。医療用機械器具卸売業や医療用品卸売業を展開しており、専門的かつ豊富な医療機器の販売実績・経験を備えています。

本件M&Aによって、グローム・ホールディングスはアライアンス先の医療機器需要に対するシナジー効果を見込んでいます。

医療機器販売業界のM&A売却事例③:ベーシック・キャピタル・マネジメント×YMIT

ベーシック・キャピタル・マネジメントは運営するファンドを通じて、2023年8月にYMITホールディングスに投資をし、株式を取得しました。

ベーシック・キャピタル・マネジメントは、2002年に中小・中堅企業を投資対象とする投資ファンド運営会社として設立された企業です。カーブアウト、事業承継、新興企業の成長支援等、様々なケースで、投資先経営陣と対話しながら、個社毎の実情に合わせたきめ細かいアプローチにより、価値ある企業の永続的な成長を支援しています。

YMITは2011年に設立された企業で、医療用画像診断装置などに使用されるシンチレータプレートの研究・開発・製造を行っています。技術力を強みとして世界各国の医療機器メーカーに対して製品を供給し、グローバルビジネスを展開してきました。

本件M&Aによって、ベーシック・キャピタル・マネジメントは創業社長からの事業承継を支援し、事業拡大の推進を図っています。

医療機器販売業界のM&A売却事例④:メディアスホールディングス×佐野器械

メディアスホールディングスは、2021年10月1日付で佐野器械を買収し、全株式を取得しました。

買い手のメディアスホールディングスは、医療機器の販売や医療材料の物流管理を行うグループ会社を統括する持株会社です。全国各地のディーラーを傘下に収め、規模のメリットを活かした経営効率化を推進しています。

売り手の佐野器械は、1950年に設立された静岡県に本社を置く医療機器販売会社です。地域に密着して病院やクリニックへ医療機器の販売や修理サービスを提供しており、地元の医療機関から厚い信頼を得ていました。

本件M&Aによって、メディアスグループは静岡県内における営業基盤をさらに強固なものにしました。物流機能やシステムを共通化することで、顧客へのサービス品質向上と業務の効率化が図られると予測されています。

医療機器販売業界のM&A売却事例⑤:アルフレッサ ホールディングス×宮崎温仙堂商店

アルフレッサ ホールディングスは、2023年2月1日付で宮崎温仙堂商店を買収し、完全子会社化しました。

買い手のアルフレッサ ホールディングスは、医薬品卸売を主軸に医療機器販売や製造も手がける国内最大手のヘルスケアグループです。全国を網羅する強固なサプライチェーンを保有しています。

売り手の宮崎温仙堂商店は、1900年創業の長崎県を拠点とする老舗の医療総合商社です。医薬品だけでなく医療機器の販売にも注力しており、長崎県や佐賀県において医療機関との間に深いネットワークを築いてきました。

本件によって、買い手は九州エリアでの医療機器および医薬品の供給体制を大幅に拡充しました。老舗企業が持つ地域での信頼と、大手の広域ネットワークが融合し、地域医療への貢献度がさらに高まると考えられます。

医療機器販売業界のM&A売却事例⑥:メディアスホールディングス×マコト医科精機

メディアスホールディングスは、2024年3月29日付でマコト医科精機の株式を取得し、子会社化しました。

買い手のメディアスホールディングスは、医療機器の卸売を全国展開する東証プライム上場企業です。物流の効率化や、病院内の物品管理(SPD)事業に強みを持ち、業界の再編を牽引しています。

売り手のマコト医科精機は、1947年に創業された山梨県を拠点とする老舗の医療機器販売会社です。地域密着型の営業スタイルを武器に、山梨県内の主要な医療機関との間で長年にわたる強固な信頼関係を築いてきました。

本件M&Aによって、メディアスグループは山梨エリアにおける支援体制をさらに強化しました。グループの物流網や情報システムを共有することで、地域医療への提供価値を最大化させることが期待されています。

医療機器販売業界のM&Aに関するよくある質問

医療機器販売業界のM&Aに関するよくある質問

医療機器販売業界でのM&Aにおいてよくある質問を紹介します。

理想の取引を実現するためにも、ぜひ参考にしてください。

医療機器販売業界のM&Aに関するよくある質問①:地方企業でもM&Aは可能ですか?

もちろん全国問わず、M&Aは可能です。

全国対応するM&A助言会社はありますし、買い手もまだ事業展開していない地域への進出を目的として、M&Aを戦略の一つとして活用することは一般的です。

医療機器販売業界のM&Aに関するよくある質問②:どうすればよい条件で会社を売却できますか?

いくつかの留意点を押さえれば、よい条件で売却できる可能性は高まります。

業界によって、株式価値評価の相場が異なるため、M&A助言会社に相談し、企業評価を取得することから始めるのが、よい選択であると考えられます。

医療機器販売業界のM&Aに関するよくある質問③:事業承継をする最適なタイミングはいつですか?

最適なタイミングは、各企業によって大きく異なります。

そのため、少しでもM&Aを検討していたり、M&Aという選択肢が出てきたりした段階で助言会社へ相談すべきです。自社を見つめ直し、新たな発見ができるかもしれません。

まとめ

まとめ

医療機器販売業界では、市場規模が増加している一方で、医療費の増加や競争力の激化によって中小企業が経営難に陥りやすくなり、M&Aが活発化しています。

医療機器販売業界でM&Aを実施すれば、仕入先や取引先への影響を最小限にでき、個人保証の解除も可能となるでしょう。

M&Aを実施する際には、適切な助言会社の選定や自社の収益力・財務状況の把握、適切なタイミングでの取引が重要です。これらを意識して、理想のM&Aを実現させましょう。

オーナーズ株式会社では、売り手に特化したFAサービスを展開しています。専属のエージェントがお客様の理想の取引実現に向けて、お客様のご希望に即したサービスをとことん提供いたします。よりよい評価額での売却に向けたアドバイスを受けられるだけでなく、余計な仲介手数料を削減した案件成約も実現可能です。

また、具体的な買いニーズを持っている企業のほか、業界・買い手企業分析に基づき事業親和性の高い企業を買い手候補としてご提案します。大手金融機関や大手M&A仲介、M&Aマッチングサービスとも連携しているため、買い手探索のルートが豊富です。

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この記事の著者

RISONAL 編集部(オーナーズ )

RISONAL編集部

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