オーナーの立場で攻めの交渉。譲渡側の理想を叶える好条件でクローズにーー100%オーナーの味方になり、利益を守る事業継承へ
公開日:2024.04.11
2024.04.11
更新日:2024.05.31
2024.05.31
企業名 | 匿名 |
事業内容 | 通信系クラウドサービス事業 |
売上高 | 300,000,000円 |
オーナー様のご年齢 | 66歳 |
IT系サービスを20数年にわたって展開してきたA社。立ち上げ当初から順調に事業を進めてきました。こうしたなか後継者に恵まれず、育成も断念。社長のBさんが60歳を迎えるタイミングで、M&Aの検討をはじめました。今回はRISONAL M&Aの専属エージェントサービスをご利用いただき、事業承継を実現したA社の事例について、Bさんにお話を伺います。
海外発のITサービスを日本で導入。開始直後から順調に展開
――事業を立ち上げた当初の苦労や心境をお聞かせください。
2002年に海外のベンチャー企業が開発した新しいITサービスに魅力を感じ、日本でのサービス展開ができないかと、知り合いの企業にサービスの提供を持ちかけました。ところがそれらの企業からは断られてしまい、1人で立ち上げることになったのです。
最初こそ、自分でWebサイトを作ったり、営業に回ったり、価格設定や競合比較をするなど、全てを1人でこなさなければならない大変さがありました。ただ、ありがたいことにサービスリリースの直後から問い合わせをいただいて、幸先の良いスタートだったと思います。
結果的には、製造メーカー系列のSIer企業からサービスの良さを評価されたのを皮切りに、本格的な事業展開に踏み切りました。2003年にはそれまで海外にしかなかったサーバーを日本に立ち上げたことで土台が整い、そこから徐々に事業を拡大していきました。
その後、従業員も抱え、多くのお客様にご利用いただき売上も立って、事業は順調に成長してきました。
顧客も従業員もいるなか、廃業という選択肢はない
――事業は順調に成長してきたなかで、M&Aを検討するに至った経緯について教えてください。
M&Aという結論に至ったのは、2019年ごろ、ちょうど私が60歳を過ぎたあたりでした。20数年にわたって、1人で経営してきた疲れもあり、一線から退きたいという気持ちが強くなってきました。
なにか特別なきっかけがあったわけではありませんが、病気の不安もなくはないですし、いつ健康を損なうかわかりません。元気なうちに事業の今後の展開を考えなければ、将来的には事業価値も下がってしまう可能性もあります。
一時期は従業員数を増やし、後継者育成にも力を入れました。しかし、経営に向いている人を見つけることはできませんでした。また2人の娘たちも事業を継ぐ気はなく、後継者不在という状況になってしまったのです。
やはり自分が思いを込めて育ててきた事業なので、可能な限り長く続けてほしいと願っています。安定した事業を継続できれば、お客様も従業員も喜んでくれるはず。お客様がいて従業員も抱えている以上廃業するわけにはいきません。ですのでM&Aしよう、という結論に至ったのです。
両手取りの仲介業者は本当に私たちの「味方」なのか
――複数のM&A業者を検討されたそうですが、選定でどんなことを重視しましたか?
最初は利用していただいているお客様に事業を譲ることを考えました。ですが、うまく行かなかった時に、ネガティブな影響を及ぼす可能性があることから断念しました。知人の中から適切な買い手を探すという選択肢もありません。そこでM&Aの専門業者を利用することが必要だと感じました。
当初は一般的な仲介業者に依頼し、いくつかの企業を紹介してもらいました。ところが仲介業者に依頼すると、手数料を事業の売り手、買い手の双方から取る、いわゆる「両手取り」が一般的です。そのため、どうしても話をまとめる方向に持っていく傾向が強く、「本当に私たちの味方なのか」という疑問が当初からありました。
加えて、こちらの条件に合わない企業を多く紹介されました。特に金額面の不一致や、私に引き続き代表取締役を務めてほしいといった要望が多く出されたのです。私自身は引退することが目的だったため、条件の難しさが浮き彫りになっていき、選択肢はどんどん狭まっていきました。結局、仲介業者からの紹介では、条件の良い会社を見つけることができませんでした。
RISONAL M&Aは、私以上に私たちの立場に立って交渉支援してくれた
――RISONAL M&Aのエージェントに委託した理由について教えてください。
RISONAL M&Aでは、私たちの専属のエージェントとして、真に私たちの味方になって取り組んでくれると約束してくれたから、というのが大きいです。
言葉だけでなく、実際の交渉でもその姿勢が体現されていました。相手方の条件をいきなり受け入れるのではなく、『攻めの姿勢で話しましょう』と宣言し、本当に私たちの利益を優先的に主張するように交渉支援してくれたのです。
とくに株式譲渡契約でもこちらの要望を理解したうえで様々な助言をいただき、当初の希望通りの条件で契約できたことには感銘を受けました。担当された片桐さんは最初の資料作りこそ丁寧に時間をかけていただきましたが、そこから先はスピード感を持って動いていただき、私以上に私たちの立場に立ってくれたのが分かりました。
譲受企業の事業との親和性も高く、譲渡による新たな可能性を感じた
――具体的にどのような成果につながりましたか?
最終的に2社が名乗りを挙げてくれ、両社との面談を経て、事業承継に至りました。その企業はIT系のサービスなど複数の事業を展開していました。
既存のサービスと組み合わせたり、新しいビジネスモデルを生み出したりして、うちのサービスを広げてくれる可能性を感じました。
片桐さんの助言をもとに、こちらの条件についてもほぼ受け入れていただけたため、事業を引き継いでもらうことにしました。
これまで頑張ってきた分、趣味を思う存分楽しみたい
――M&Aが実現できてどのように感じていらっしゃいますか。
無事に事業承継できてよかったと安心しています。ただ事業承継の契約自体は済んだのですが、実は今もまだ実務での引き継ぎの途中なんです。日常業務に加え、新しい体制への引き継ぎもあるので、実はこれまでより忙しく過ごしています。決算期も近づいており、それに対する対応も必要なので、ゆっくりできるのはもう少し先のようです。
――その後の生活についてはどのようにお考えですか。
まずは旅行に行ったりゆっくりと過ごしたいです。また庭仕事など、事業を続けていた間は手つかずだった趣味を思う存分楽しみたいと思っています。ゆくゆくは年金生活に入ると思いますが、あまりそこまで急ぐつもりはありません。徐々にそういった生活を送れるようになることを楽しみにしています。これまで頑張ってきた分、今後は自分の人生を満喫したいと思います。
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