事業承継・M&Aの検討開始、8割が明確な理由なく先送り〜動き出せない背景に“初期判断材料の不足”か〜

2026.06.19

公開日:2026.06.19

2026.06.19

2026.06.20

更新日:2026.06.20

2026.06.20

事業承継・M&Aの検討開始、8割が明確な理由なく先送り〜動き出せない背景に“初期判断材料の不足”か〜

〜動き出せない背景に“初期判断材料の不足”か〜

オーナーズ株式会社は、中小企業の経営者・役員143名を対象に「事業承継・M&Aの検討開始時期に関する実態調査」を実施しました。その結果、検討の必要性を感じながらも、明確な理由がないまま検討開始を先送りにしている実態が明らかになりました。

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調査結果の概要

  • 事業承継・M&Aの検討開始時期について、80.4%が「明確な理由なし」
  • 検討を先送りにする理由は「後継者候補や承継方法の見通しが立っていない」が最多
  • 検討の先送りによる不安、最多は「後継者候補の不在」。2〜3年後に検討開始層では「選択肢が狭まること」への懸念も
  • 支援会社への初回相談をためらう理由は「しつこく営業されそう」が最多
  • 支援会社への相談を早める条件、上位は「費用感の事前確認」「守秘体制の明確さ」「企業価値の目安を知れる」
  • 初期相談で知りたい内容は「自社に合う承継方法」が最多

調査結果の引用時のお願い

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当社サイト:https://risonal.com
例:「オーナーズの調査によると」「オーナーズ調べ」など

調査結果の詳細

本調査では、回答者を「2〜3年後を目安に検討・相談を始めたい層(n=67)」と「必要性は感じているが時期は決めていない層(n=76)」の2グループに分けて集計しています。

事業承継・M&Aの検討開始時期について、80.4%が「明確な理由なし」

事業承継・M&Aの検討開始時期の理由を尋ねたところ、「明確な理由がある」は19.6%にとどまりました。一方で、「漠然とした理由はあるが整理できていない」が50.3%、「特に理由はない(なんとなく)」が30.1%となり、合計80.4%が明確な理由を持てていないことがわかりました(n=143)。

2〜3年後に検討開始を見据えている層でも、明確な理由を持つのは4人に1人にとどまっており、検討時期の設定が感覚的になされている実態がうかがえます。

事前準備まで進んでいる層は約2割にとどまる。時期未定層では半数近くが「まだ何も動いていない」

事業承継・M&Aの準備状況について尋ねたところ、「情報収集に加えて、一部の事前準備を始めている」は22.4%にとどまり、「情報収集のみ」が43.4%、「まだ何も動いていない」が34.3%となりました(n=143)。

時期未定層では「まだ何も動いていない」が47.4%に上っており、必要性を感じながらも行動に移せていない実態がうかがえます。

検討を先送りにする理由は「後継者候補や承継方法の見通しが立っていない」が最多

事業承継・M&Aの検討を先送りにする理由を尋ねたところ、「後継者候補や承継方法の見通しが立っていない」が40.0%で最多となりました。次いで「業績や事業状況を見極めたうえで判断したい」が37.0%、「自社の企業価値・株価を高めてから判断したい」が34.0%と続きました(n=100/検討時期の設定に理由がある方)。

2〜3年後に検討開始層(n=53)では「業績や事業状況を見極めたうえで判断したい」「自社の企業価値・株価を高めてから判断したい」がいずれも39.6%で上位となっており、事業状況や企業価値の見極めを判断の前提としている傾向がうかがえます。一方、時期未定層(n=47)では「後継者候補や承継方法の見通しが立っていない」が48.9%で最多となっており、後継者や承継方法の整理が検討開始の前提になっていることがうかがえます。

動き出せない理由は「承継方法が自社に合うか」「企業価値の目安」が不明確

事業承継・M&Aについて動き出せていない理由を尋ねたところ、「どの承継方法が自社に合うか分からない」が24.3%で最多となりました。次いで「自社の企業価値の目安が分からない」が23.4%、「後継者候補が決まっていない」が22.5%と続きました(n=111/情報収集のみ、またはまだ何も動いていない方)。

2〜3年後に検討開始層(n=44)では「支援会社等に相談すると売却やM&Aを前提に話が進みそうで不安がある」が31.8%で最多となっており、相談後に想定以上に話が進むことへの警戒感がうかがえます。一方、時期未定層(n=67)では「どの承継方法が自社に合うか分からない」「後継者候補が決まっていない」がいずれも29.9%で上位となっており、方向性そのものが定まっていない実態が見られました。

検討の先送りによる不安、最多は「後継者候補の不在」。2〜3年後に検討開始層では「選択肢が狭まること」への懸念も

検討を先送りにすることで感じる不安を尋ねたところ、「後継者候補の不在」が32.2%で最多となりました。次いで「買い手候補が見つかりにくくなること」が27.3%、「業績悪化や市場環境の変化による選択肢の減少」が25.2%と続きました(n=143)。

2〜3年後に検討開始層では「業績悪化や市場環境の変化による選択肢の減少」が34.3%で最多となり、時機を逃すことで選択肢が狭まらないか懸念していることがうかがえます。一方、時期未定層では「後継者候補の不在」が34.2%で最多となり、検討開始時期によって不安の焦点が異なることがわかりました。

支援会社への初回相談をためらう理由、最多は「しつこく営業されそう」

外部の相談先や支援会社への初回相談をためらう理由を尋ねたところ、「しつこく営業されそうだから」が35.0%で最多となりました。次いで「まだ時期尚早と感じているから」が32.2%、「情報が漏れることへの不安があるから」が25.9%と続きました(n=143)。

2〜3年後に検討開始層では「しつこく営業されそうだから」が41.8%と特に高く、初回接点後の営業圧力への警戒感がうかがえます。一方、時期未定層では「まだ時期尚早と感じているから」が34.2%、「具体的な準備ができていないため相談しにくいから」が27.6%となっており、相談する段階に至っていないという認識が障壁になっていることがわかりました。

支援会社への相談を早める条件、上位は「費用感の事前確認」「守秘体制の明確さ」「企業価値の目安を知れる」

支援会社への相談を早い段階で始めるための条件を尋ねたところ、「費用が発生するタイミングや金額感が事前に分かる」が30.1%で最多となりました。次いで「相談内容の守秘体制が明確である」が28.7%、「自社の企業価値・株価の目安を知ることができる」が26.6%と続きました(n=143)。

2〜3年後に検討開始層では「相談内容の守秘体制が明確である」が38.8%、「費用が発生するタイミングや金額感が事前に分かる」が35.8%と高く、情報管理と費用の透明性が検討前倒しの重要条件となっていることがうかがえます。一方、時期未定層では「早く始めたいとは思わない」が35.5%で最多となっており、まずは検討開始のきっかけづくりが課題といえます。

初期相談で知りたい内容、最多は「自社に合う承継方法」

相談の初期段階で知りたい内容を尋ねたところ、全体では「自社に合う承継方法」が41.3%で最多となりました。次いで、「M&A全体の流れ」が32.2%、「買い手候補が存在する可能性」が21.0%、「自社の企業価値・株価の目安」が20.3%となりました(n=143)。

2〜3年後に検討開始層では「M&A全体の流れ」が38.8%で最多となっており、具体的なプロセスへの理解を求めるニーズが強いことがうかがえます。一方、時期未定層では「自社に合う承継方法」が46.1%で最多となっており、M&Aありきではなく自社に適した承継方法をまず整理したいニーズがあると考えられます。

今後6ヶ月の取り組み、「業績・財務状況の整理」が最多

今後6ヶ月以内に取り組みたいことを尋ねたところ、具体的な取り組み項目では「自社の業績・財務状況の整理」が23.1%で最多となりました。次いで「事業計画・成長方針の整理」「自社の企業価値・株価の把握」がいずれも21.7%と続きました。一方、「取り組みたいことはない」が23.8%となっており、短期的な行動意向が弱い層も一定数存在することがわかりました(n=143)。

時期未定層では「取り組みたいことはない」が32.9%に上っており、検討開始の時期を決めていない層ほど短期的な行動意向も弱い傾向が見られました。

オーナーズ株式会社 代表取締役社長 作田 隆吉 コメント

今回の調査では、事業承継・M&Aの必要性を感じながらも、検討開始時期に明確な理由を持てていない経営者・役員が多いことが明らかになりました。「どの承継方法が自社に合うのか」「企業価値の目安がわからない」など情報収集が進んでいないことがその一因とみられます。情報収集が進まない背景には、「適切な相談先がわからない」といった声も目立つ一方で、情報漏洩の懸念から、あるいは業者からしつこく営業をかけられることを避けたい意図から外部に相談することに慎重になっているケースも多いようです。

事業承継は、実際に動き出す段階になってから具体的な検討を進めるのでは、選択肢が限られる可能性があります。理想の事業承継に向けては、早い段階から親族内承継・社内承継・第三者承継(M&A)を含めた選択肢を比較検討し、さまざまな観点から実現に向けた論点を整理しておくことが重要です。

一人でも多くの事業オーナーが後悔のない事業承継を実現するため、事業承継について安心して、包括的に相談することができるパートナーが求められています。

調査概要

調査名事業承継・M&Aの検討開始時期に関する実態調査
調査対象事業承継・M&Aについて「2〜3年後を目安に本格的な検討・相談を始めたい」または「必要性は感じているが、時期は決めていない」と回答した中小企業の経営者・役員
有効回答数143件
調査方法インターネット調査
調査機関Fastask
調査期間2026年6月1日〜6月8日

※各回答項目の割合(%)は、端数処理の関係上、合計が100%にならない場合があります。

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この記事の著者

RISONAL編集部(オーナーズ株式会社 )

RISONAL編集部

売り手の理想のM&Aの実現に特化した専属M&Aエージェントサービスおよび事業オーナー向けの資産運用サービスを提供するオーナーズ株式会社

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