M&AにおけるFAの手数料とは?M&A仲介会社との違いや失敗しない選び方を解説
公開日:2025.08.31
2025.08.31
更新日:2026.04.23
2026.04.23
M&Aを検討するオーナー経営者にとって、まず気になるのは「M&A支援業者の手数料が高いのでは?」という点です。
成功報酬だけで数千万円に達するケースもあり、数字だけを見ると躊躇してしまうかもしれません。
しかし、FA(ファイナンシャル・アドバイザー)や仲介の手数料の構造を理解すると、単なる「コスト」ではなく売り手の利益を最大化する「投資」としての側面が見えてきます。本稿では、売り手の立場から見るM&Aにおける手数料の構造を解説します。
オーナーズ株式会社では、売り手に特化したFAサービスを展開しています。専属のエージェントがお客様の理想の取引実現に向けて、お客様のご希望に即したサービスをとことん提供いたします。よりよい評価額での売却に向けたアドバイスを受けられるだけでなく、余計な仲介手数料を削減した案件成約も実現可能です。
また、具体的な買いニーズを持っている企業のほか、業界・買い手企業分析に基づき事業親和性の高い企業を買い手候補としてご提案します。大手金融機関や大手M&A仲介、M&Aマッチングサービスとも提携しているため、買い手探索のルートが豊富です。
まずは一度、弊社の無料相談サービスをご利用ください。
M&AにおけるFA(ファイナンシャル・アドバイザー)とは
FA(ファイナンシャル・アドバイザー)とは、M&Aにおいて売り手または買い手のいずれか一方と契約し、依頼者の利益最大化を目的として助言・交渉支援を行う専門家です。
売り手側のFAの主な業務範囲は以下のとおりです。
・譲渡スキームの検討、設計
・株式価値の試算
・買い手候補の提案
・買い手候補に開示する各種資料の作成
・オークションプロセスの設計と実行支援
・売り手の立場に立った条件交渉の助言
・クロージング手続きのサポート
ポイントは、FAはあくまで「依頼者である売り手の利益を最優先にする」という点です。M&Aの成立そのものを目的とするのではなく、売り手にとって有利な条件での成約を目指すことが役割です。
FAと仲介の違い
M&A支援業者は、大きく分けて「FA(ファイナンシャル・アドバイザー)」と「仲介(M&A仲介会社)」の2つに分けられます。どちらもM&Aの成立を支援する点は共通していますが、立場・手数料の取り方・支援の姿勢が根本的に異なります。
| FA(ファイナンシャル・アドバイザー) | 仲介(M&A仲介会社) | |
|---|---|---|
| 立場 | 売り手(または買い手)の一方のみを支援 | 売り手・買い手双方を支援 |
| 手数料の徴収先 | 依頼者から受領 | 売り手・買い手の双方から受領 |
| 支援の目的 | 依頼者の利益最大化 | M&Aの成立(マッチング重視) |
| 利益相反リスク | なし(依頼者の立場で動くため) | あり(双方から手数料を受け取るため) |
同じ手数料であっても、FAと仲介ではサービスの構造が大きく異なります。表面的な料率だけで判断せず、どのような立場で、誰のために動くのかを理解したうえで業者を選ぶことが重要です。
M&A支援業者の手数料の基本構造
業者に支払う手数料は成功報酬だけではありません。M&A支援業者によっては、M&Aの進行段階に応じて複数の費用が発生します。代表的な手数料の種類は以下の通りです。
・相談料
・着手金
・中間金(基本合意時報酬)
・リテイナーフィー(月額報酬)
・成功報酬
それぞれの内容について解説します。
相談料
M&Aを正式に依頼する前の相談段階で発生する費用です。多くのFA・仲介会社では無料としていますが、一部の業者では初回相談から費用が発生するケースもあるため、事前に確認しておくことが重要です。
着手金
アドバイザリー契約を締結する際に支払う費用です。M&Aが成立するかどうかにかかわらず発生するため、売り手にとっては初期の費用負担となります。相場は百万円程度ですが、近年は着手金を取らないM&A支援業者が多くを占めています。
中間金(基本合意時報酬)
基本合意が成立し、デューデリジェンス(詳細調査)に進む段階で発生する費用です。成功報酬の10〜20%程度を中間金として設定しているM&A支援業者もあります。着手金と同様、M&Aが成立しなくても返金されないケースが一般的であるため、契約前に条件を確認しておくことが重要です。
リテイナーフィー(月額報酬)
アドバイザリー契約の締結からM&A成約まで、毎月定額で発生する顧問料です。月額数十万円程度が目安とされています。固定費が発生する一方で、M&A支援業者会社側にも案件に継続的に関与する動機が働くため、継続的な支援を重視する売り手にとってはメリットとなる場合もあります。
成功報酬
成功報酬は一般に「レーマン方式」で設計されています。代表的なモデル例は以下のとおりです。
| 報酬基準額 | 料率 |
|---|---|
| ~5億円 | 5% |
| 5億~10億円 | 4% |
| 10億~50億円 | 3% |
| 50億~100億円 | 2% |
| 100億円超 | 1% |
報酬基準額は譲渡価格(株式価値)とするのが一般的ですが、M&A支援業者によっては、オーナー受取額や移動総資産(株式価値+負債総額)を基準とする場合もあります。同じレーマン方式であっても、報酬基準額の定義が異なるだけで手数料が数百万円単位で変わることがあるため、契約前に必ず確認すべきポイントです。
なお、当社ではレーマン方式を採用しており、着手金なし・基本合意までは費用負担なしの体系としています。
例:譲渡価格8億円の場合
・〜5億円部分:5% → 2,500万円
・5億〜8億円部分:4% → 1,200万円
・合計手数料:3,700万円+(税)
このように、単純に「譲渡額×5%」ではなく、段階的に料率が適用される点を押さえておきましょう。
仲介手数料とFA手数料の実質比較
| 仲介 | FA(売り手FAの場合) | |
| 手数料徴収構造 | 売り手・買い手の双方からレーマン方式で手数料を徴収 | 売り手からのみレーマン方式で成功報酬を徴収 |
| 実質的な負担 | 買い手が支払う手数料が買収原資から差し引かれる場合、売り手が支払う手数料に加え、買い手の手数料も実質的には売り手が負担 | 買い手がFAを立てなければ売り手が支払う手数料のみ |
仲介手数料の取り方の実態
売り手に比べ、買い手から高い手数料を徴収するケースも
多くのM&A仲介会社では、売り手・買い手から徴収する手数料は基本的にレーマン方式に基づき計算されていますが、中には報酬基準額や料率体系の違いにより買い手の手数料が売り手より高く設定されるケースもあります。
売り手から見ると安価な手数料に感じられたとしても、実際には買い手が高い手数料を支払っている可能性がある点に留意が必要です。
買い手負担分は譲渡対価の減額要因となりうる
買い手が負担した手数料は、譲渡価格を抑制する方向へ働く力となります。一般的には、買い手が負担する手数料は買収原資の中に含まれるため、譲渡対価から手数料分が差し引かれます。
これは、売り手・買い手のそれぞれがFAを立てる場合でも同じですが、最近はM&Aに慣れている買い手がFAを立てずに自社で対応することで、買い手自身に手数料負担が発生しないケースも増えており、結果としてFAの方が高い譲渡対価の提示を受けられる可能性もあります。
このように、仲介手数料は表面料率だけで比較せず、買い手側の手数料負担がどのように譲渡対価に影響するかまで踏まえて検討する必要があります。
FAは「売り手専属」で価格・条件設計を行うため、手数料以上のメリットを生む構造になっている点が大きな強みです。
M&Aの手数料を抑えるためのポイント
M&Aの手数料は決して小さな金額ではありませんが、業者選びや契約条件の工夫次第で実質的な負担を抑えられる場合があります。ここでは、売り手が押さえておきたい具体的なポイントを解説します。
・最低報酬額を事前に確認する
・着手金の有無を比較する
・M&Aの対象としない資産を事前に分離する
・事業承継・引継ぎ補助金を活用する
・FAを活用して実質負担を下げる
それぞれの内容を解説します。
最低報酬額を事前に確認する
FA・仲介を問わず、多くのM&A支援業者では最低報酬額を設定しています。例えば、大手M&A仲介会社では、取引金額にかかわらず最低報酬額を2,000万〜2,500万円程度に設定しています。たとえば譲渡価格3億円の案件で最低報酬が2,500万円だった場合、レーマン方式で計算した料率を大幅に上回る実質負担率となります。
規模の小さい取引ほど最低報酬額の影響が大きいため、自社の想定譲渡価格と最低報酬額の関係を確認しておくことが重要です。
着手金の有無を比較する
着手金はM&Aが成立しなくても返金されないことが一般的です。
ただし、着手金がないことだけを理由に業者を選ぶのではなく、支援の質や体制とあわせて総合的に判断することが重要です。
M&Aの対象としない資産を事前に分離する
M&Aの対象に含める資産の範囲を絞ることで、取引価格を調整し、結果として手数料の基準額を抑えられる場合があります。
たとえば、事業に直接関係のない不動産や遊休資産を事前に分離しておくことで、報酬基準額を引き下げることが可能です。スキーム設計の段階でM&A支援業者と相談しながら進めるとよいでしょう。
事業承継・引継ぎ補助金を活用する
M&A支援業者への手数料やデューデリジェンス費用は、国の「事業承継・引継ぎ補助金」の対象となる場合があります。補助金を活用することで、手数料の実質的な負担を軽減できます。
公募時期や申請条件は年度によって異なるため、検討段階で最新の情報を確認しておくことをが重要です。
FAを活用して実質負担を下げる
仲介の場合、買い手が支払う仲介手数料が買収原資に含まれるため、結果的に仲介手数料の分譲渡対価が下がってします可能性があります。一方で売り手がFAを活用した場合、最近はM&Aに慣れた買い手を中心に買い手側はFAを立てないケースも多く、結果として買い手側にM&A支援業者の手数料負担が発生しない場合もあるため、実質的な手取り額が大きくなる可能性があります。
手数料の率だけでなく、取引全体で売り手が受け取る金額を最大化する観点で業者を比較することが大切です。
M&A支援業者選びで失敗しないためのチェックリスト
M&A支援業者を選定する際は、手数料の安さだけで判断せず、以下のポイントを総合的に確認することが重要です。
・報酬体系の透明性を確認する
・テール条項の範囲を確認する
・支援体制を確認する
・FA専業か兼業か確認する
・実績・成約事例の開示姿勢を確認する
それぞれの内容を解説します。
報酬体系の透明性を確認する
着手金や中間金の有無・金額、レーマン方式の料率階層、報酬基準額の定義(株式価値か移動総資産か)を事前に把握し、取引全体でどの程度のコストが発生するかを正しく評価しましょう。
「成功報酬のみ」と謳っていても、最低報酬額が高く設定されているケースもあるため、その点もあわせて確認が必要です。
テール条項の範囲を確認する
テール条項とは、アドバイザリー契約の終了後も、一定期間内に特定の買い手とM&Aが成立した場合に手数料の支払い義務が残る条項のことです。テール期間が長すぎる場合や対象範囲が広すぎる場合は、他の業者に切り替えた後も以前契約していた業者への手数料が発生するリスクがあります。
契約前にテール期間・対象範囲を必ず確認し、必要に応じて交渉しましょう。
支援体制を確認する
財務評価や条件交渉だけでなく、譲渡後の資産運用・相続設計まで含めた包括的な支援が受けられるかどうかも重要な判断材料です。
M&Aは成約がゴールではなく、譲渡後のオーナーの生活設計まで含めてサポートしてくれる業者を選ぶことで、後悔のない取引を実現しやすくなります。
FA専業か兼業か確認する
仲介とFAの両方を手がける業者の場合、案件ごとにどちらの立場で支援するかが曖昧になるリスクがあります。
売り手の利益最大化を最優先にしたい場合は、FA専業、または売り手専属のFAサービスを明確に打ち出している業者を選ぶことが望ましいです。
実績・成約事例の開示姿勢を確認する
成約実績やオーナーインタビューを積極的に開示している業者は、支援内容を判断するうえでの参考材料になります。具体的な事例を確認することで、自社と似た業種・規模の案件で実績があるか、どのような支援をしてくれるかをイメージしやすくなります。
複数社の提案内容を比較し、手数料だけでなく、提案の深さや実現可能性、サポート範囲を総合的に判断しましょう。
FAを活用した当社の成功事例と効果
当社では、売り手専属のFAとして、オーナー経営者の利益最大化を重視した支援を行っています。以下は、FAとしての支援方針が反映された事例です。
卸売業の株式譲渡M&A事例
従業員数約50名の卸売業のオーナー様から、後継者不在を理由に売却のご相談をいただきました。当社では限定オークション方式を採用し、複数の買い手候補を競わせるプロセスを設計しました。
各候補の買収意欲やシナジーを比較しながら交渉を進めた結果、譲渡価格は当初想定を大きく上回る水準で成約しました。売り手の立場から価格交渉を主導したことが、価格引き上げにつながった事例です。
買い手変更で成約した製造業案件
製造業のオーナー様の案件で、当初の買い手候補との交渉では提示価格が想定を下回る状況が続いていました。双方の調整を優先する進め方もある中で、当社は売り手の利益を優先し、買い手候補の再選定を提案しました。
新たな候補との交渉を進めた結果、最終的に譲渡価格の引き上げにつながりました。買い手の再選定を含めて売り手本位で判断できる点は、売り手専属FAの特性が表れた場面です。
健康関連小売企業のM&A事例
赤字決算に陥っていた健康関連の専門小売企業のオーナー様から、事業承継のご相談をいただきました。赤字企業の売却は通常ハードルが高くなりますが、当社ではブランド価値と顧客基盤に着目し、相続対策を組み込んだスキーム設計を実施しました。
買い手にとってのシナジーを明確に提示することで、ブランド承継と事業成長を同時に実現しました。譲渡価格は当初想定を大きく上回る結果となりました。
イベント運営業の成約事例
イベント運営業のオーナー様から、「事業を理解してくれる買い手に譲りたい」というご要望をいただきました。単に価格が高い相手に売るのではなく、事業の特性や従業員の働き方を尊重してくれる買い手を見つけることが最優先課題でした。
当社では、買い手候補のニーズと事業との親和性を丁寧に分析し、複数候補の中から最適な相手を選定します。スキーム提案と条件交渉を重ね、オーナー様が納得できる形での譲渡を実現しました。
FAは、戦略的な条件設計・税務・相続対策を含めた統合的サポートを提供することで、売り手のリスクを大幅に低減します。
まとめ:手数料はコストではなく投資
手数料は単なるコストではなく、売り手の利益を最大化し、後悔を防ぐための投資です。料率だけで比較せず、支援の質も検討材料に含めることで、仲介を選ぶよりも結果的に得られる金額と安心感が大きくなります。情報格差に振り回されず、FAならではの戦略的なサポートを活用しましょう。
オーナーズ株式会社では、売り手に特化したFAサービスを展開しています。専属のエージェントがお客様の理想の取引実現に向けて、お客様のご希望に即したサービスをとことん提供いたします。よりよい評価額での売却に向けたアドバイスを受けられるだけでなく、余計な仲介手数料を削減した案件成約も実現可能です。
また、具体的な買いニーズを持っている企業のほか、業界・買い手企業分析に基づき事業親和性の高い企業を買い手候補としてご提案します。大手金融機関や大手M&A仲介、M&Aマッチングサービスとも提携しているため、買い手探索のルートが豊富です。
まずは一度、弊社の無料相談サービスをご利用ください。
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