譲渡価格が２倍に。業者選びの重要性を実感した初めてのM&A

社名・事業内容	匿名・食品の製造小売業
売上高	約10億円
社長の年齢	非公開

食品の製造小売業を20数年にわたり展開してきたA社は、立ち上げ当初から年々業績を伸ばし、順調に事業を拡大してきました。
しかし、創業者のBさんは、事業の将来や自身のこれからの人生について不安を抱えるようになり、自問自答の日々が増えていきました。
「このまま業績を伸ばし続けられるのか」「社員の人生を背負って60代の自分が頑張り続けられるのか」「このまま仕事だけの人生を送ってもいいのか」──さまざまな思いがBさんの中で交錯していました。

そうした中で、BさんはM&Aによる事業承継を検討しはじめました。そして今回、RISONAL M&Aの専属エージェントサービスをご利用いただき、事業承継を実現したA社の事例について、Bさんにお話を伺います。

――事業が順調に成長してきたなかで、M&Aを検討するに至った経緯について教えてください。

業績は年々上がっていましたが、サラリーマンの定年に近い年齢になり、会社の将来を考えるようになりました。この先も業績を伸ばし続け、社員の人生を背負い続けることができるか。懇意にしている取引先との関係性を守れるのか。そうした課題がまず浮かび上がりました。また、自分自身に関しても、家族や財産をどうしていくべきかなど、さまざまな思いが絡み合っていました。その結果、これらの悩みや疑問を一気に良い方向に解決できるのがM&Aではないかと考えました。良い買い手が見つかれば、社員の雇用や取引先との関係も継続できますし、続けてきた事業をもっと伸ばせるかもしれません。

このような思いの中、顧問税理士のオフィスに行く機会があり、事業承継について相談したのがM&Aを具体的に検討するきっかけでした。以前よりM&Aに関するDMはたくさん届いていましたが、どれも胡散臭く感じてしまい、目を通すことすらありませんでした。

――M&A業者を検討する際に、どんな手段を検討されましたか？

実は以前、当社が買い手として事業を買収した経験があり、M&A自体は初めてではありませんでした。その際はマッチングプラットフォームを使ってのM&Aで、売り手側は顧問会計士、買い手側となる当社は顧問弁護士がサポートする形で比較的スムーズに進んだ印象です。
立場は逆になりますが、この経験から事業承継のプロセスについてある程度理解していたつもりでした。
最初に、M&Aを相談した顧問税理士から仲介業者を紹介され、「今は売り手市場で、良い条件で売却できるチャンス」と説明を受け、成立も簡単そうに思えました。
そして提示された当社のバリュエーション（譲渡価格）を聞き、一瞬心が揺れましたが、冷静に考えるとその金額で会社を手放すのはもったいないと感じました。その旨を伝えるとすぐに「では、この金額で」と値上げ提案があり、そこで不信感を抱いてしまったのです。一方で、売却は初めての経験であり、信頼する顧問税理士からの紹介ということもあったため、どう進めるべきか悩みました。

そんな中、偶然M&Aを経験した友人から証券会社の担当者を紹介され、さらに別の知人から「M&A業者は最低でも3社は会うべき」とアドバイスを受けていたこともあり、その担当者と面談することにしました。そこで紹介されたのが、RISONALを運営するオーナーズでした。

―― 3社のサービスから「RISONAL」を選んでいただいたのはどのような点が決め手になったのでしょうか。

証券会社は別の仲介業者を紹介してきましたが、顧問税理士から紹介された仲介業者と同業他社だったため、サービス内容が異なるオーナーズを紹介してくれました。それまでFAサービスについての知識はなく、そもそも仲介やFAなど、M&A業者に異なる性質があること自体も知りませんでした。

いろいろな知識を学ぶ中で、「仲介は買い手に有利とまではいえないものの、買い手がリピーターになるケースが多いのでどうしても優先されがち」という話も聞きました。
別のルートで接点を持ったもう一社は、銀行が提供するFAサービスでした。そちらは当社と業務シナジーがある買い手候補を強く推してきたので、結局はこちらも買い手の選択肢が限定される印象を受けました。最終的に、完全に当社側のエージェントとして寄り添ってくれるサービスはオーナーズだけだと判断し、依頼することにしました。

――RISONAL M&Aのエージェントとの面談で、仲介とFAの違いについて理解が深まりましたか。

はい、とても分かりやすく説明していただき、自分の中でしっかりと納得できました。その後、他社とも面談しましたが、オーナーズで伺った話を基準にヒアリングすることができたので、とても有益でした。
特に驚いたのはバリュエーション価格の差です。最初の業者に提示された価格とオーナーズで算出された価格では、なんと2倍もの差があったのです。結果として、オーナーズから算出された価格で譲渡が成立しましたが、もし友人の忠告や証券会社がオーナーズを紹介してくれなかったら、仲介業者と契約し、半値で譲渡していた可能性が高いです。その経験から、M&A業者選びの重要性を強く実感しました。

―― RISONALの担当者とのやり取りで印象に残っていることはありますか？

譲渡契約までの流れが非常にスムーズでした。担当者には、高く譲渡できるような戦略をしっかりと組んでもらったと感じています。特に、最後まで妥協することなく交渉を行い、譲渡価格を引き上げていただいた際の交渉力には驚かされました。
先ほどもお話ししたように、バリュエーションで他社と2倍もの差があり、最終的にはオーナーズが算出した評価額で譲渡が成立したので、すごい試算力だと感銘を受けました。これほどまでの交渉力を発揮したケースは、見たことも聞いたこともありません。本当に信頼のおけるパートナーだと感じました。

―― 実際のFAによる取り組み方はいかがでしたでしょうか。

オーナーズが高い譲渡価格を実現するための戦略と交渉力を発揮してくださった背景には、成功報酬を売り手からのみ受け取るFAの仕組みがあると感じました。オーナーズにとっても、1円でも譲渡価格を上げることが利益につながるため、全力で交渉に挑んでいただけたのだと思います。一方で、仲介業者から提示された試算額はオーナーズの半額でした。これは、おそらくリピーターとなる買い手が購入しやすい価格に調整されていたのではないかと推測しています。

また、オーナーズは価格交渉だけでなく、契約における諸条件など、多くのリスクを低減するための支援もしてくれました。成功報酬とは無関係な契約内容についても、私が契約後に少しでも不利な状況にならないよう、相手との交渉を繰り返しリードし、細部まで修正されるよう支援していただきました。契約内容が先方都合だけで決まることなく、安心して取引を進められたことに感謝しています。

――RISONALのサポートはいかがでしたでしょうか。

土日昼夜関係なく徹底してサポートしていただきました。担当者の近藤さんと池田さんは常に売り手ファーストの姿勢を貫かれ、私はただお二人の指示に従うだけで、しっかりと私を立ててくださいました。最終的には、とても信頼できる良きパートナーとして、安心して交渉に臨むことができました。
また、細やかな分析や他社との比較をした上で、会社内部の情報を俯瞰的に捉えた資料を作成していただいたことには感心させられました。自社ではここまでの作業は行わないと思いますし、非常に心強かったです。

――RISONALの買い手探索によって、納得できるM&Aが行われましたか。

譲渡からまだ1ヶ月程度ですので、本当に納得できるかどうかは、半年後や一年後に見えてくるかと思っています。ただ、現時点では私たちが選べる選択肢の中で最もベストな買い手を見つけられたと感じています。社員たちも誰一人として反発することなく、新しい環境に馴染んでいることに、今は一番ホッとしています。

今後は新しい株主様の期待を超えるパフォーマンスを発揮することに集中し、引き続き事業を進めていきたいと思っています。

――事業売却の条件はしっかり確保されていましたか。

条件の確保については見事でした。オークション方式でプロセスを進めましたが、売り手の立場を徹底的に考えた戦略を展開していただきました。仲介業者や銀行のように、買い手側にも配慮が必要な立場では実現できない動きだったと思います。
そのおかげで、今後の人生を安心して考えられる条件を得ることができました。何より、M&A検討前に抱えていた悩みや迷いが完全に解消されたことは大きいです。

今後は最低1年程度、現在の事業に関わることが決まっていますが、その先については未定です。これまで365日働き続け、まとまった休暇も取れなかったため、取引先からも心配されていたほどです（笑）。まずゆっくり休んで、次のステップをゆっくり考えたいと思っています。