M&A業界への不信感を払拭したFAという新たな選択。従業員を第一に考えた、妥協なき条件で成約へ
公開日:2024.10.01
2024.10.01
更新日:2024.10.06
2024.10.06
企業名 | 匿名 |
事業内容 | ガラス工事・ガラス販売業 |
売上高 | 約1,300,000,000円 |
オーナー様のご年齢 | 60代 |
ガラス工事、ガラス販売業を展開するT社。創業者のAさんは30年以上にわたって会社の成長を牽引してきましたが、後継者不在という問題に直面し、M&Aを決意します。ほとんどの従業員が長年勤めているため、従業員の雇用を守ることを最優先に、RISONAL M&Aの専属エージェントサービスをご利用いただきました。今回は、事業承継を実現したT社の事例について、創業者のAさんにお話を伺います。
業界未経験からの挑戦。前職からのご縁を基に、信頼と評価を築く
――まずは、貴社の事業内容と創業のきっかけを教えてください。
A社長:創業前、33歳まで旅行サービス業の会社に勤めていました。友人から「ガラス工事や販売の事業があるからやってみないか」と誘われたのが、この会社を創業するきっかけとなりました。
平成3年に創業し、全国に工場を構え、平成7年頃には上場を目指して資本金を集めました。しかし、前職の旅行業とは全く異なる業界でのチャレンジで、創業当初は毎日が目まぐるしく、実際に事業をスタートしてみると、友人から聞いていたようには進みませんでした。正直、半分騙されたようなものだったかもしれません。当時同じ業界で創業したほとんどの人は、廃業を選択しました。
――A社長は廃業という選択肢はなかったのでしょうか?
A社長:旅行業界に戻りたいと思うこともありましたが、上場を目指して資本金も集めていたので途中で引けない状況でした。本当に波乱万丈で、なぜ潰れなかったのか今でも不思議に思うくらいです(笑)。
全く知見がない業界だったので、とにかく「これで食べていくしかない」という一心で、学びを重ねていきました。私自身が無我夢中だったこともありますが、何よりも周囲の人に助けられたことが、事業を続けられた大きな理由だと思います。
特に、旅行業界で働いていた頃に知り合った大手ゼネコンや商社の方々とのご縁が独立後も続き、恵比寿の再開発案件などの大きな現場に携わることができました。小さな企業でしたが、こうした実績が次の案件にもつながり、会社の信頼と評価を築くことができたので、本当にありがたかったです。
実績を積み重ねる中で徐々に仕事の幅が広がり、最終的にはオフィスのパーテーション施工を主力事業とするに至りました。
後継者不在で事業売却を決断、買い手探しに苦戦
――今回M&Aを検討されたのは、どのようなタイミングだったのでしょうか。
A社長:多くの中小企業では、子どもが事業を継ぐケースが一般的ですが、私の息子は事業を継がない決断をしました。そこで、会社の将来について真剣に考え始めたのがM&Aを検討したきっかけです。ちょうどその頃、日本でM&Aの仲介サービスが始まったばかりの時期で、すごく勢いもありましたね。
最初に事業売却を相談したのは東京商工会議所でした。当社の売上高を提示すると、「これならすぐ売却できます!」と言っていただき、驚きつつも嬉しかったのを今でも覚えています。しかし、東京商工会議所から紹介されたM&A仲介業者との取引が始まると、当初聞いていた話とは全く違う展開となりました。
――どのような問題があったのですか。
A社長:例えば、契約書の内容が不透明で、長年付き合いのある顧問弁護士に相談したいと伝えたところ、契約書を持ち帰ることすら阻止されました。また、当社が所有する土地の価値も適正に評価されておらず、不当に低い売却価格を提示されたこともありました。このような非常に不誠実な対応が続いたため、どう進めていくべきかとても悩みました。
従業員を第一に考えた、妥協のない条件で成約へ
――M&Aを行うにあたって、最終的にFAサービスを選ばれた理由は何ですか?
A社長:社員を守ることが、私にとって最も重要な条件でした。RISONALのサービスを知る前は、いくつかのM&A仲介会社に相談しましたが、私の希望に沿う提案は全くありませんでした。
そこで売却の進め方を変えようと思っていた矢先、偶然にもRISONALを運営するオーナーズの作田さんからの手紙(当社ダイレクトメール)を受け取りました。仲介ではないM&Aサービスの存在に関心を持ち、すぐにコンタクトを取ったのです。
――事業売却の条件はしっかり確保されていましたか。
A社長:まず第一に、社員たちがこれまで築き上げてきた会社の文化や雰囲気を壊さず、さらに発展させることを重視しました。「人が財産である」というのは、長年の経営で最も大事にしてきた理念です。その理念をもとに、社内の組織全体をコツコツと作り上げてきました。
社員には今以上の待遇で評価されてほしいですし、大きい会社だからこそできる経験を積んでほしいと思っていました。RISONALのサポートを受けながら、その条件をしっかりと買い手側にも伝えることができたと感じています。
足りないところを補い合うチーム体制が生み出した安心と信頼
――RISONALのサポートはいかがでしたでしょうか。
A社長:中小企業の経営者は、事業売却の知識が乏しいままで進めることが多く、私も誰を信頼し、誰に依頼すべきか迷いましたが、RISONALは常に売り手である私をしっかりサポートしてくれました。
また、会社の顧問弁護士がM&Aに詳しくなかったため、担当者の吉田さんが信頼できる専門家を紹介してくれたことで、とてもスムーズに相談を進めることができました。作田社長の「売り手を守る」という姿勢が社員にも浸透しており、約1年間のお付き合いの中で、その姿勢が一切ぶれることなくサポートいただけたと感じています。
――RISONALの担当者とのやり取りで印象に残っていることはありますか?
A社長:担当者の片桐さんと辻さんは、買い手候補の焦点を的確に絞り込み、私の意図をよく汲み取ってくれました。何度か提案に対してダメ出しをしたこともありましたが、その過程で私の考えを理解し、ベストな道へ導いてもらったように思います。
交渉には専門的な知識と経験、そして駆け引きが重要です。片桐さんと辻さんは比較的若いですが、上司の吉田さんがしっかりとフォローしてくれたおかげで、チーム全体でサポートしてくださり、非常に頼もしかったです。
――RISONALの買い手探索によって、納得できるM&Aが行われましたか。
A社長:これまで積み重ねてきた小さな実績を総合的に評価いただき、最適な買い手が見つかったと感じています。買い手となった会社は、当社の利益や客層、体制等を全て客観的に分析し、正直で誠実な評価をしてくれました。納得のいくM&Aが実現できたことに、大変満足しています。
RISONALのビジネスモデルが業界の「当たり前」に
――RISONALに依頼して良かったと思う点はどこでしょうか。
A社長:M&Aを検討し始めて多くの仲介会社と関わる中で、この業界には違和感を覚えることが多々ありました。一方で、RISONALのビジネスモデルは、中小企業の経営者を救う重要なサービスだと感じました。行政の指導や法改正が進むにつれて、このようなモデルが業界の「当たり前」になると確信しています。
私のように、自分一人で立ち上げた事業を手放す決断をするのは心細いものです。そのため、一人でも多くの中小企業の経営者にRISONALを知ってもらいたいと思い、今回のインタビューを引き受けました。
商売の基本は「信頼」だと思っています。信頼がなければ商品がいくら安くても買いません。私はそういう考え方なので、作田社長の思いに共感し、信頼のおける取引ができて本当に良かったです。
――クロージング後の社内の様子はいかがでしょうか。
A社長:2024年5月末に成約し、6月末まで代表を続けていましたが、現在は社員が新しい環境に順応するのをサポートしています。私がいなくなることで不安を感じている社員もいると思うので、まずは彼らが安心して働ける環境を整えることが最優先です。
買い手側からは、「1年でも2年でも社長を継続してほしい」と言われましたが、社員のことを一番に考えて、身を引く決断をしました。私がいない方が新しい環境に馴染みやすいですし、派閥ができることもないでしょう。私の悪口を言いながらでも構わないので(笑)、新しい環境へ後ろ髪引かれず羽ばたいてほしいと思っています。
悠々自適な生活は私には向いていないので、まずは健康に気を配りながら、おもしろいと思う仕事にどんどんチャレンジしたいと考えています。
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