廃棄物処理業界のM&A|廃棄物処理業界の動向やM&Aのポイントを解説!
公開日:2025.03.07
2025.03.07
更新日:2025.03.07
2025.03.07

昨今、廃棄物処理業界は技術の進歩などによって需要が高まり、M&A取引が活発に行われるようになっています。
また、廃棄物処理業界では、多くの企業で人材不足や競争の激化が問題となっており、M&Aが有効な解決の手段として注目されています。
では、具体的に廃棄物処理業界のM&A事情はどうなっているのでしょうか。本記事では、最新の廃棄物処理業界のM&A事情を解説します。さらに、廃棄物処理業界におけるM&Aのメリットや事例も紹介しているため、M&Aを考えている方はぜひ参考にしてください。
オーナーズ株式会社では、売り手に特化したFAサービスを展開しています。専属のエージェントがお客様の理想の取引実現に向けて、お客様のご希望に即したサービスをとことん提供いたします。よりよい評価額での売却に向けたアドバイスを受けられるだけでなく、余計な仲介手数料を削減した案件成約も実現可能です。
また、具体的な買いニーズを持っている企業のほか、業界・買い手企業分析に基づき事業親和性の高い企業を買い手候補としてご提案します。大手金融機関や大手M&A仲介、M&Aマッチングサービスとも連携しているため、買い手探索のルートが豊富です。
まずは一度、弊社の無料相談サービスをご利用ください。
廃棄物処理業界の動向

まず、廃棄物処理業界の動向について解説します。
業界の特徴や市場規模を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
廃棄物処理業界の特徴
廃棄物処理業は、主に収集運搬業・中間処理業・最終処分業の3つに分けられます。
収集運搬業は、産業廃棄物の収集・運搬や回収した産業廃棄物の保管・分別を行います。都道府県からの許可がなければ、収集運搬業を実施できません。
中間処理業は、産業廃棄物の焼却・破砕・脱水・溶融・中和などによって減量化・安全化する業務や再生利用できる廃棄物の選別など、最終処分を行う前段階処理を指します。中間処理業と中間処理施設の設置許可の2つが必要です。
最終処分業は、海中への投棄や埋め立て、専用設備での保管などを行います。廃棄物の種類によっては、中間処理をせずにそのまま最終処分をするケースもあります。
廃棄物処理業界の市場規模
環境産業市場規模検討会「環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書」によると、2021年の環境産業全体の市場規模は、108兆908億円となっており、その中でも廃棄物処理・資源有効利用は53兆3,447億円、さらにその中の廃棄物処理・リサイクルは4兆7,677億円となっています。

環境産業市場規模検討会「環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書」
2020年にコロナウイルスの影響を受けて一時減少しているものの、全体としては増加傾向にあります。
産業廃棄物業界では、業界内での競争が激化しており、人材の確保が困難となっています。労働環境や条件がよいとは決して言えない中で、人材の流出をなかなか抑えられない状況です。また、労働環境や条件に加え、不法投棄問題や労働災害発生問題、技術や技能の断絶なども、人材の流出に影響を与えています。
さらに、産業廃棄物処理場の不足も、業界内の課題の一つです。2004年時点では、中間処理場が20,613ヵ所、最終処分場が2,478ヵ所だったのに対し、環境省「産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(令和3年度実績等)について」によると、2022年は中間処理場が19,413ヵ所、最終処分場が1,568ヵ所に減少しています。
環境ビジネスの推進や国民・企業の環境に対する意識の高まりから需要は増しているにもかかわらず、設置しようとなった場合、地域住民からの反対によってなかなか設置まで至らないケースが相次いでいます。
周辺地域に与える悪影響をできるだけ少なくするためにも、クリーンな設備や処理技術を開発しなければなりません。
廃棄物処理業界のM&A動向

産業廃棄物処理の事業者数は、国内人口の減少にともなって将来的に減少すると予想されています。さらに、産業廃棄物処理は認可制のため、要件を満たしている場合でも管轄している自治体から新規事業の必要がないと判断されてしまうと、認可がおりません。
このような背景から、大手事業者が事業拡大を目指すため、中小規模の事業者を買収するケースが増加しています。
また、産業廃棄物処理法や大気汚染防止法、水質汚染防止法などの法律による制限も多いため、異業種からの新規参入は難しく、M&Aを実施するメリットは大きいと考えられるでしょう。
廃棄物処理業界のM&Aの流れ

廃棄物処理業界におけるM&Aの流れは、大きく分けて下記の3つのステップから構成されます。
1.M&Aの事前準備、助言会社の選定
2.買い手候補先企業との接触、意向表明書受領
3.詳細調査(DD)、最終契約締結・クロージング
それぞれ詳しくみていきましょう。
Step1.M&Aの事前準備、助言会社の選定
まず、M&Aの事前準備とM&A助言会社を選定します。
事前準備として、M&A助言会社と秘密保持契約を締結し、初期的な資料を開示します。秘密保持契約とは、自社の秘密情報を他社に開示する場合に、その情報を秘密に保持することを締結する契約です。
その上で、売却戦略をM&A助言会社と策定し、買い手候補先企業を優先順位ごとに並べたロングリスト(※1)を作成します。
譲渡の目的を満たすストラクチャー(※2)の検討や、譲渡完了に至るまでの全体のスケジュールについても事前準備の段階で検討します。
また、この段階でM&A助言会社とエージェント契約を締結します。
M&A助言会社を選定する際に注意しておきたいのが、仲介とFA(フィナンシャル・アドバイザー)の違いです。
仲介とは、いわゆるマッチングサービスのことで、売り手と買い手の双方とそれぞれ仲介契約を締結します。M&Aの当事者双方から依頼を受けているため、いずれか一方の利益のみを優先的に取り扱うことはできず、双方の意向を一元的に把握し、双方の共通の目的であるM&Aの成立を目指し、助言や調整を行います。また、手数料は売り手と買い手の双方から受領します。
それに対してFAとは、M&Aを実行するためのアドバイスを提供するサービスのことで、M&Aの当事者一方のみから依頼を受けます。M&Aの相手方(買い手候補先企業を含む。)に対して、依頼者に対して提供するのと同様の業務を提供することはありません。M&Aの当事者一方のみから依頼を受けているため、依頼者の意向を踏まえて、依頼者にとって有利な条件でのM&Aの成立を目指し、助言や調整を行います。
弊社では、売り手のみと契約を締結してM&Aを支援する専属エージェントサービス(売り手特化型FAサービス)を提供しており、手数料は依頼者である売り手のみから受領し、売り手の利益を最大化することを目指します。
また、譲渡戦略の策定と並行して、買い手候補先企業へ開示する資料準備も進めます。M&Aプロセスの初期に買い手候補先企業に対して開示する資料には、匿名の企業概要書(ティーザー(※3))、インフォメーション・パッケージ(※4)があります。
※1 ロングリスト:一定の条件で絞り込んだ買い手候補先の企業をまとめたリストのこと。
※2 ストラクチャー:M&Aを実行するための手段や方法のこと。
※3 ティーザー:匿名の企業概要書で、通常1枚から2枚で構成される資料のこと。
※4 インフォメーション・パッケージ:買い手候補先企業がM&Aを検討する際の参考資料。対象会社(事業)の魅力を伝え、買い手候補先企業が企業価値評価を実施できることを目的に作成される。
Step2.買い手候補先企業との接触、意向表明受領
次に、買い手候補先企業と接触します。
ロングリストに基づき、M&A助言会社が買い手候補先企業と接触し、ティーザーを開示します。その上で関心を示す相手に対して、秘密保持契約を締結した上でインフォメーション・パッケージを開示します。
対象会社(事業)の譲受を希望する買い手候補先企業は、売り手に対して意向表明書を提出します。意向表明書には、譲渡価格の水準や取引の前提条件、取引後の対象会社の運用方針などが記載されます。売り手はこれを検討・比較し、受け入れ(基本合意)可能かを判断します。
売り手においては、後述する詳細調査(デュー・デリジェンス:DD)のプロセスにおいて、対象会社の秘密情報が買い手候補先企業に開示されることになるため、DDを受け入れる前に納得感の得られる取引条件であることを確認することが非常に重要です。買い手候補先企業においても、DDにおける専門家起用の費用負担や多大な労力が生じるため、この段階で独占交渉権を求めることが一般的です。
そのため、基本合意を締結し、守秘義務や独占交渉権などを取り決めた上で、次のステップに進むことになります。
Step3.詳細調査(DD)、最終契約締結・クロージング
意向表明書を受理して基本合意書の締結をしたら、デュー・デリジェンス(DD)と呼ばれる詳細調査と最終契約締結・クロージングです。
M&Aにおいては、売り手と買い手との間に、情報の非対称性が必然的に生じます。この非対称性をできるだけ解消するために、買い手が実施する対象企業への調査がDDです。
買い手にとってDDには、以下のような目的があります。
・自社のM&A戦略に合致した事業かどうか詳細まで検討する
・定量化可能なDDの発見事項を、譲渡価格へ反映する
・定量化できないDDの発見事項を、最終契約書の条件へ反映し、リスクを遮断する
・M&Aの目的を達成するためのストラクチャーを検討する
・M&A実行後に必要な対応を明確化し、統合計画に反映させる
その後、最終契約締結に移ります。譲渡価格や契約条件を交渉し、双方が納得のいく形で契約を締結します。そしてM&A取引が実行され、対象の株式・事業の引き渡しをし、譲渡代金を支払って経営権の移転が完了します。
譲渡企業オーナーの譲渡を想定したより詳細なM&Aのプロセスは、以下の記事で解説していますので、ぜひご活用ください。
[M&Aのプロセス]
廃棄物処理業界のM&Aのメリット

廃棄物処理業界でM&Aを実施するメリットとして、以下の3つが挙げられます。
・事業を継続でき、従業員の雇用を守れる
・大手企業の安定した基盤のもとで事業展開できる
・個人保証を解除できる
それぞれ詳しくみていきましょう。
廃棄物処理業界のM&Aのメリット①:事業を継続でき、従業員の雇用を守れる
第三者への事業承継を選択せずに廃業を選択した場合は、従業員は職を失うことになり、新しい職を探す必要があります。また、経営者としては、従業員のために新しい職を見つけてあげるなどの対応をするケースも考えられます。
一方で、M&Aの実施により、従業員の雇用を継続でき、経営者は従業員に対する責任を果たせるでしょう。
廃棄物処理業界のM&Aのメリット②:大手企業の安定した基盤のもとで事業展開できる
先述の通り、産業廃棄物処理業界では、業界内での競争が激化しています。人材流出が抑えられず、確保も難しい状況です。
しかし、M&Aを実施して大手企業の傘下となれば、従業員を確保できるだけでなく、大手企業の高い廃棄物処理能力やノウハウ等の安定した基盤を活用できるようになります。技術の進化が進んでいる中で、サービスの拡充と人材の確保を図ることができ、大きなメリットと考えられるでしょう。
廃棄物処理業界のM&Aのメリット③:個人保証を解除できる
中小企業においては、金融機関から借入れをする際に経営者個人が個人保証を行うケースが一般的です。経営者保証のガイドラインが策定されたものの、いまだに解消されていないのが現状です。
M&Aを行うと、売り手の借入れ返済義務を買い手が引き継ぐ形となるため、金融機関に対して買い手と協力して、売り手経営者の個人保証を解除する手続きを行います。
廃棄物処理業界のM&Aの相場

廃棄物処理業界の相場は、一概にいくらと明言できません。その企業の売り上げやブランド力、立地などさまざまな要素から判断されます。
これまでM&A仲介会社では年買法といわれる簡便的な株式評価手法を用いて評価を実施することが一般的でした。これは純資産に営業利益の数年分を加算する簡単な計算方法であり、理解が容易な一方、実績ベースの評価で、加算される営業利益の年数も業界ごとに固定的なものとなります。
その結果、成長性のある事業ほど低く株式価値が算定されてしまうリスクがあります。正しく買い手の株式価値評価手法を理解することは、売り手オーナーが自身の利益を守るために重要です。
廃棄物処理業界のM&A実務において事業価値の算定には、大きく分けて2つの方法があります。
・インカムアプローチ
・マーケットアプローチ
インカムアプローチは、営業資産が生み出す将来キャッシュフローを評価の基礎とする方法です。代表的なディスカウント・キャッシュ・フロー(DCF)法では、将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて事業価値を試算します。
理論的に優れた方法ではあるものの、将来キャッシュフローの見積もりや割引率の計算は非常に難易度が高く、経験を積んだ専門家でないと試算が困難で、初見では理解しづらいのが大きな欠点でしょう。
本稿では「価値の概算を簡単に知る」ことを目的にしていますので、インカムアプローチの詳細な説明は割愛します。
マーケットアプローチは、市場における取引価格を参考にして事業価値を算定する方法です。具体的には、以下のような方法が存在します。
・類似会社比較法
・類似取引比較法
類似会社比較法は、評価する対象の企業の類似会社にあたる上場会社の企業価値と、営業利益や収益力(EBITDA)といった財務指標から算出された倍率(マルチプル)を評価対象会社に適用することで、事業価値を算出する方法です。
具体的には、以下のように算定します。
EBITDA×業界相場の倍率(EBITDAマルチプル)=企業価値
(EBITDAマルチプル=上場類似会社の企業価値/上場類似会社のEBITDA)
EBITDAは、営業利益に減価償却費を足して算出されるものです。
また、類似会社は、業界が同じ上場企業を選定するのはもちろんのことですが、ビジネスモデルや収益構造、顧客の層などの類似性から選定するパターンもあります。類似会社をどのように選ぶかで算定結果は大きく依存します。
企業価値を算出したら、株式価値を算出しましょう。株式価値は、以下のように算出します。
企業価値-有利子負債+現金同等物=株式価値
第三者に譲渡する場合に、どの程度の価値がつくかを把握しておくことは重要なため、理解しておきましょう。
なお、マーケットアプローチには、類似会社比較法のほか、類似するM&Aによる取引事例を用いた類似取引比較法という方法が存在します。
しかし、参照する過去の取引における対象会社が非上場である場合、入手可能な財務数値が限定的であるため、同方法が中小企業のM&Aで利用されることは少ないのが現状です。
M&Aにおける価値の算定については、下記で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
[うちの会社、結局いくらで売れるの?~事業オーナーの疑問に答えるコラム①~]
また、自社の具体的な株式価値を知りたい場合には、株価シミュレーターを用意していますので、以下で試算可能です。ぜひご活用ください。
[株価シミュレーター]
廃棄物処理業界のM&Aのポイント

廃棄物処理業界でM&Aを実施する際に押さえておきたいポイントとして、下記の3つが挙げられます。
・適切なM&A助言会社を選定する
・自社の正当な収益力・財務状況を把握する
・法律を守る姿勢を見せる
それぞれ詳しく解説します。
廃棄物処理業界のM&Aのポイント①:適切なM&A助言会社を選定する
M&A助言会社に求められる能力は、法務・会計・税務・ファイナンスに精通していること、誠実であること、顧客の立場に寄り添って助言を提供できる立ち位置であること、M&Aの売り手・買い手の双方の行動原理を理解しそれを交渉に活かせること、と多岐に渡ります。
真に顧客に寄り添える立場であるか、また、上記を見極めるためにも売り手・買い手の双方から報酬を受領する仲介会社ではなく、売り手と同じ船に乗り事業オーナーに対し助言する会社(FA)であるかを選定することが重要です。また、その会社に在籍するアドバイザーの知識や経験、ノウハウなどを含むFAサービスの品質が重要です。
廃棄物処理業界のM&Aのポイント②:自社の正当な収益力・財務状況を把握する
売り手にとって、自社をよい条件で売却するために必要なのは、自社の正当な収益力・財務状況の把握です。
税務対策やオーナーの個人的な経費を費用計上している中小企業は数多くあるため、具体的な買い手候補にアプローチする前に、自社の実質的な収益力や、貸借対照表においても現金化可能資産や非事業用資産を確認し、実質的な自社の財務状況の把握が必要です。
廃棄物処理業界のM&Aのポイント③:法律を守る姿勢を見せる
昨今、企業のコンプライアンスは社会で厳しく見られるようになりました。特に、廃棄物処理業界では不法投棄や大気汚染、水質汚染など、法律で定められていることが多くなっています。
上記のような内容で地域住民とトラブルになった過去があれば、M&Aの成立は難しくなってしまいます。買い手候補に対し、法律を守る姿勢を見せることが、廃棄物処理業界のM&Aにおいて重要なポイントです。
廃棄物処理業界のM&A売却事例

ここでは、廃棄物処理業界で実施されたM&Aの売却事例を紹介します。本記事では、下記の3つの事例を紹介します。
・レナタス×ジャパンウェイスト
・大栄環境×栄和リサイクル
・松田産業×山陽レック、フラップリソース
実際の取引を参考にして、自社の売却のために役立ててください。
廃棄物処理業界のM&A売却事例①:レナタス×ジャパンウェイスト
J-STARは、設立したレナタスを通じてAREホールディングス傘下のジャパンウェイストを株式交換により、2024年3月末に買収しました。
AREホールディングスは環境保全事業セグメントを承継するウェイストシステムジャパンを全額出資で設立し、割当交付されるレナタス株32%を移管し、東浦知哉社長はレナタスの会長となりました。
ジャパンウェイストは1964年に設立され、売上高は2,804億円です。全国規模の事業網の上に多数の公共・民間の顧客を有しています。
レナタスは、J-STARが運営するファンドらが保有するシンシアホールディングス、新日本開発ホールディングス、サンワグループ、ハリタ金属をひとつのグループとして廃棄物処理という重要な機能を地球環境対策と両立させていくために設立されました。
本件M&Aによって、全国規模の事業網の上に多くの顧客を有しているジャパンウェイストと、レナタスが保有する大規模かつ効率的な処理施設が一体化することで、大きな相乗効果を発揮するとされています。
また、ジャパンウェイストが環境保全領域で展開するDX事業およびレナタスの廃棄物処理事業との間の協力関係を土台とし、大手製造業などとの連携を一層強化しながら脱炭素化に資するサービスを提供します。
廃棄物処理業界のM&A売却事例②:大栄環境×栄和リサイクル
大栄環境は、栄和リサイクルを2024年4月1日付で買収し、全株式を取得しました。
大栄環境は、廃棄物の収集運搬から中間処理・再資源化および最終処分に至るまでのワンストップサービスを提供するとともに、土壌浄化や施設建設・運営管理など、環境創造に係るバリューチェーンを幅広く展開し、社会課題の解決につながる積極的なESG施策を推進しています。
栄和リサイクルは1990年に設立され、売上高は33億1,600万円です。首都圏を中心に関東エリアで建設現場から発生する産業廃棄物の収集運搬業、建物総合解体工事業を行っている企業です。
本件M&Aによって、関東エリアでの収集運搬能力の増強を図るとともに、首都圏に中間処理施設を保有している大栄環境のグループ連結子会社である共同土木と一体となった運営によって、業務の効率化および取り扱いシェア拡大が見込まれ、シナジー効果に期待できるとしています。
松田産業×山陽レック、フラップリソース
松田産業は、2025年2月28日付で山陽レック、フラップリソースの2社を買収しました。中川明雄代表取締役が山陽レックの他の株主から株式を取得したうえで、同氏からそれぞれ全株式を取得します。
松田産業グループは、貴金属関連事業と食品関連事業を展開しており、貴金属関連事業の環境事業においては製造業などから排出される産業廃棄物を回収し、適正な中間処理や再資源化を行っています。
山陽レックは1977年に設立され、売上高は16億2,300万円です。産業廃棄物処理や収集運搬を展開しています。フラップリソースは2014年に設立され、売上高は1億300万円です。非鉄金属回収や卸売を展開しています。両社どちらも産業廃棄物の中間処理、再資源化に関する長年の実績とノウハウがあります。
本件M&Aによって、松田産業はリチウムイオン電池のリサイクル事業などで地域的補完も含むマーケット領域の拡大や売上の拡大に相乗効果を見込んでいます。
廃棄物処理業界のM&Aに関するよくある質問

廃棄物処理業界でのM&Aにおいてよくある質問を紹介します。
理想の取引を実現するためにも、ぜひ参考にしてください。
廃棄物処理業界のM&Aに関するよくある質問①:地方企業でもM&Aは可能ですか?
もちろん全国問わず、M&Aは可能です。
全国対応するM&A助言会社はありますし、買い手もまだ事業展開していない地域への進出を目的として、M&Aを戦略の一つとして活用することは一般的です。
廃棄物処理業界のM&Aに関するよくある質問②:どうすればよい条件で会社を売却できますか?
いくつかの留意点を押さえれば、よい条件で売却できる可能性は高まります。
業界によって、株式価値評価の相場が異なるため、M&A助言会社に相談し、企業評価を取得することから始めるのが、よい選択であると考えられます。
廃棄物処理業界のM&Aに関するよくある質問③:M&Aの際には、どのようなことをアピールすればよいですか?
産業廃棄物処理業界では、比較的売り手が優位となっています。しかし、その中でも買い手候補に選ばれやすくなるためには、独自の技術や特許が重要となります。
業界内の競争が激化している中で、買い手は新たな技術や特許を強く求めるようになりました。もし開発途中でも、将来的に価値のある技術と判断されれば買い手が見つかりやすくなります。
まとめ

廃棄物処理産業では、需要は高まっているものの、人材流出を抑えられず確保も難しい状況となっています。さらに、業界内の競争も激化しており、中小企業は苦しい状況と言わざるを得ません。
廃棄物処理業界でM&Aを実施すれば、大手企業の安定した基盤のもとで事業展開でき、事業の継続や個人保証の解除、従業員の雇用を守れます。
M&Aを実施する際には、自社の収益力や財務状況を確認し、業界内で重要な法律を守るアピール、適切なM&A助言会社の選定をしましょう。
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