コールセンターのM&A相場はいくら?売却の手法やコツも解説!
公開日:2026.04.26
2026.04.26
更新日:2026.04.26
2026.04.26
コールセンター(コンタクトセンター)業界は、企業の顧客対応や営業支援を電話・メール・チャットなどのチャネルで請け負うBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業の一角です。日本コンタクトセンター協会(CCAJ)の調査によると、主要企業の売上高合計は約1兆5,000億円前後とされ、中小事業者を含めた市場規模は約1兆7,000億円と推定されています(※1)。
市場は緩やかな拡大傾向にあり、矢野経済研究所の2025年公表の調査では、2023年度のコールセンターサービス市場は1兆902億円で、2026年まで増加が予測されています(※2)。労働力不足を背景としたアウトソーシング需要の拡大、DXに伴う顧客接点の多チャネル化、生成AIの活用などが、市場成長の主な要因です。
一方で、コールセンター業界は慢性的な人材不足や高い離職率、オペレーターの採用コスト増加といった構造的な課題を抱えています。こうした環境下で、人材確保や事業規模の拡大、AI・デジタル技術の獲得を目的として、M&Aを選択肢に入れる企業が増えています。
本記事では、コールセンター業界をM&Aを行う際の相場の考え方をはじめ、業界の現状や代表的な売却手法について解説します。
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無料相談が可能です。実際にどの程度の価格で売却できるのか、どのようにすればより高く売却できるのかを、ぜひご確認ください。
※参考1:日本コンタクトセンター協会「コールセンター企業 実態調査」
※参考2:矢野経済研究所
コールセンター業界の現状
コールセンター業界は、インバウンド型(顧客からの問い合わせ受付)とアウトバウンド型(企業から顧客への発信)の二つのビジネスモデルで構成されています。近年は、メール・チャット・SNSなど多チャネルに対応する「コンタクトセンター」としての役割が広がり、従来の電話対応に限らないサービスへと進化しています。
業界の売上高は堅調に推移しており、最大手のトランスコスモスが2025年3月期の連結売上高で過去最高を更新するなど、大手企業を中心に業績は好調です。KDDIエボルバとりらいあコミュニケーションズの経営統合によるアルティウスリンクの発足など、大手間の再編も進んでいます。
一方で、生成AIの登場により、単純な応答業務では自動化が進むとみられています。ただし、現時点では生成AIがコールセンター業界にもたらしている変化はまだ限定的であり、業界構造を大きく変えるには、なお時間を要するとの見方があります。
市場の課題としては、オペレーターの採用難と高い離職率が大きなボトルネックとなっています。人手不足が慢性化する中、自社でコールセンターを運営する負担は高まっており、アウトソーシング需要は引き続き拡大が見込まれています。
※参考1:日本コンタクトセンター協会「コールセンター企業 実態調査」
コールセンター業界でM&Aを行うのはなぜ?売却の理由を紹介
コールセンター業界でM&Aが選ばれる理由は、大きく「人材の確保・安定化」と「事業基盤の強化」の二つに集約されます。
まず、人材の確保・安定化の観点では、コールセンターは、オペレーターの質と量が事業の根幹を支える労働集約型の業態です。採用コストの増加と離職率の高さが経営を圧迫しており、単独では人材を安定的に確保しにくくなっている中小事業者も増えています。大手グループの傘下に入ることで、採用力の強化や教育体制の整備、福利厚生の充実を図る狙いがあります。
次に、事業基盤の強化という観点では、コールセンター業界はクライアント企業との長期契約を基盤とすることが多く、受注基盤の安定性が重要です。クライアントの業種拡大、対応チャネルの多様化(電話・チャット・メール・SNS)、AI・デジタル技術の導入を目的として、同業他社やIT企業との統合が進んでいます。
また、地方自治体によるコールセンター誘致策(補助金など)を背景に、地方拠点を持つ事業者への関心も高まっています。
コールセンター業界での企業売却方法は?3種類を紹介
コールセンター業界のM&Aでは、売却対象やクライアント契約、人材、システムの引き継ぎ方針によって、選ぶべき方法が変わります。代表的な手法は以下の3つです。
- 株式譲渡
- 会社分割
- 事業譲渡
コールセンターはクライアントとの業務委託契約とオペレーターの雇用が事業の根幹を支えているため、手法選択にあたってはこれらの継続性を慎重に検討する必要があります。それぞれの手法について解説します。
株式譲渡とは?中小企業M&Aで最も選ばれる手法の仕組みと特徴
株式譲渡とは、企業の株主が保有する株式を他者に譲渡することで、経営権を移転するM&Aの手法のひとつです。中小企業のM&Aにおいては最も多く活用されており、後継者不在や事業承継を目的としたケースでよく採用されています。
株式譲渡のメリット
株式譲渡において、売却対象となるのはあくまで「株式」であり、会社そのものの法人格や契約関係、資産・負債はそのまま引き継がれます。
そのため、以下のようなメリットがあります。
- 従業員や取引先との契約を維持したまま、スムーズな引き継ぎが可能
- 許認可や契約の再取得が原則不要で、実務上の負担が少ない
- 法人格が継続するため、営業活動を中断せずに承継できる
とくに、現経営者が引退を検討している場合でも、事業を止めることなくバトンタッチできるため、後継者問題の有効な解決策となります。ただし、契約上のチェンジ・オブ・コントロール(COC)条項による相手方同意や、業種許認可の変更届・再許可が必要となる場合があるため、事前確認は不可欠です。
株式譲渡の注意点・デメリット
一方で、株式とともに過去の負債や簿外債務(帳簿に載っていないリスク)も引き継がれるという側面もあるため、買い手企業にとっては慎重な対応が必要です。
そのため、M&Aを進める際には、財務・法務・税務などに関するデューデリジェンス(詳細調査)を丁寧に実施し、リスクを洗い出すことが不可欠です。
会社分割とは?M&Aで活用される組織再編の手法と注意点
会社分割とは、企業が事業の一部を他の会社に移転することで、権利義務を承継させる法的な組織再編手続きです。M&Aにおいては、売却対象の事業を切り出してスムーズに移転させる手段として活用されています。
会社分割の主な種類
会社分割には、以下のような分類があります。
- 新設分割:新たに設立した会社に事業を承継させる
- 吸収分割:既存の他社に事業を承継させる
さらに、分割により得る対価の受け取り先によっても分類されます。
- 分割型分割:対価を分割元会社の株主が受け取る
- 分社型分割:対価を分割元会社自身が受け取る
会社分割のメリットと特徴
会社分割の最大の特徴は、契約・資産・負債などの権利義務を包括的に移転できる点です。これにより、個別契約ごとの承継手続きを省略でき、事業の引き継ぎが円滑に進められます。
また、分割によって整理された事業をその後に売却することで、M&Aの手続きも効率化されます。
税務上の注意点:適格分割と非適格分割の違い
会社分割には税務上の取り扱いに注意が必要です。「適格分割」であれば譲渡益の課税は繰り延べされますが、採用するスキームによっては「非適格分割」に該当します。
非適格分割では、資産が時価で評価され、譲渡益課税やみなし配当課税の対象となるため、税負担が発生します。
また、会社分割と株式譲渡をセットで行う場合、タイミングによって課税リスクが高まるため、スキーム設計は専門家のアドバイスを受けながら慎重に進めることが重要です。
事業譲渡とは?M&Aで活用される承継手法と税務上の注意点
事業譲渡は、企業が事業の一部または全部を、契約に基づいて他社へ売却するM&A手法のひとつです。
譲渡の対象となる資産・負債・契約関係を個別に指定して承継する点が特徴であり、柔軟性が高い一方で、手続きは煩雑になりやすいという側面もあります。
事業譲渡のメリット:簿外債務を回避しやすい
事業譲渡では、契約書に記載されたものだけが承継対象となるため、買い手企業にとっては、不要な債務やリスクを回避しやすくなります。
特に、簿外債務の存在が懸念されるケースでは、株式譲渡ではなく事業譲渡を希望する買い手企業が多い傾向にあります。
売り手側の税務上の扱い:事業譲渡益に課税
事業譲渡によって得た対価のうち、譲渡対象資産・負債の簿価純額との差額は「事業譲渡益」として、売り手側に法人税が課税されます。
また、事業譲渡には以下のような消費税に関する注意点もあります。
課税資産と非課税資産の両方をまとめて譲渡するため、資産ごとの課税・非課税を区分し課税対象資産部分の消費税を計算する必要があり、それぞれの対価を合理的に区分し、課税・非課税の計算を行う必要があります。
事業譲渡のデメリット:承継手続きが煩雑
個別承継であるため、以下のような実務負担が大きい点はデメリットと言えます。
- すべての契約(従業員との雇用契約含めて)を再締結する必要がある
- 許認可や届出が一から取得し直しとなる場合がある
コールセンター業界の売却の流れは?3つのステップを紹介

コールセンター業界のM&Aを進める場合は、大きく3つのステップに分けて進められます。
- M&Aの準備と助言会社の選定
- 買い手候補先企業との接触、意向表明受領
- 詳細調査(DD)、最終契約とクロージング
それぞれの段階で必要となる準備や手続きが異なるため、流れを把握しておきましょう。
Step1.M&Aの準備と助言会社の選定
はじめに、売却目的と希望条件を整理したうえで、M&A助言会社を選定します。この段階で重要なのは、いくらで売れるかだけでなく、どのような買い手に、どのような形でクライアント基盤と人材を引き継ぎたいのかを明確にしておくことです。
コールセンターの場合、評価や条件に影響しやすい論点として、主要クライアントとの契約期間と継続性、オペレーターの在籍数と定着率、対応チャネル(電話・チャット・メール等)の範囲、拠点の立地と賃貸借条件、システム・インフラの内製化の度合いなどが挙げられます。これらを事前に棚卸しし、資料として説明できる状態に整えておくことで、後工程での条件修正を抑えやすくなります。
Step2.買い手候補先企業との接触、意向表明受領
次に、助言会社を通じて買い手候補へ打診を行います。初期段階では概要資料を提示し、関心を示した企業と秘密保持契約を締結したうえで、財務や運営に関する詳細情報を開示します。
買い手候補は、譲渡価格のレンジ、取引方法、引き継ぎ条件、売却後の運営方針などをまとめた意向表明書を提出します。売り手は、提示金額だけでなく、オペレーターの処遇、既存クライアントとの契約維持、拠点の継続なども含めて比較したうえで、基本合意に進むかを判断するのが一般的です。
Step3.詳細調査(DD)、最終契約とクロージング
基本合意後は、買い手による詳細調査が行われます。コールセンターでは、財務・税務・契約関係に加えて、人材体制やクライアント契約の安定性も重視されやすい点が特徴です。
特に確認されやすいのは、クライアントとの業務委託契約の条件と残存期間、オペレーターの雇用形態別の人数と離職率、採用コストと教育体制の実態、拠点の設備・通信インフラの状況、情報セキュリティ体制(Pマーク・ISMSなど)の整備状況などです。調査結果を踏まえて最終条件を調整し、最終契約を締結します。その後、対価決済と引き渡しを行うクロージングをもって、取引が完了します。
M&Aの流れについてより詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
[M&Aのプロセス]
コールセンター業界の売却の相場は?価値算定方法を解説
コールセンター業界のM&Aにおける売却価格は、「〇〇円が相場」と一律に決まるものではありません。実務では、クライアント基盤の安定性、オペレーターの質と定着率、対応チャネルの幅を総合的に評価したうえで、最終的に売り手と買い手の交渉によって価格が決定されます。
コールセンターは、クライアントとの長期契約の有無、オペレーターの定着率、対応可能な業種やチャネルの範囲が評価の中心になりやすく、同規模の売上であっても、契約の安定性や人材体制によって評価額が大きく変わりやすい業態です。
特に、金融・保険・通信といった比較的単価の高いクライアントを持つ企業や、多言語対応・AI活用などの付加価値を提供できる企業は、評価が高くなりやすい傾向にあります。
こうした理由から、コールセンターのM&Aでは、まず企業価値を算定し、そのうえで負債や現金などを考慮して株式価値を算出するという流れで、評価の全体像を整理するのが一般的です。
以下では、その基本的な考え方について解説します。
1.企業価値を算定する
コールセンター業界のM&A実務において事業価値の算定には、大きく分けて2つの方法があります。
- インカムアプローチ
- マーケットアプローチ
インカムアプローチは、営業資産が生み出す将来キャッシュフローを評価の基礎とする方法です。代表的なディスカウント・キャッシュ・フロー(DCF)法では、将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて事業価値を試算します。
理論的に優れた方法ではあるものの、将来キャッシュフローの見積もりや割引率の計算は非常に難易度が高く、経験を積んだ専門家でないと試算が困難で、初見では理解しづらいのが大きな欠点でしょう。
本稿では「価値の概算を簡単に知る」ことを目的にしていますので、インカムアプローチの詳細な説明は割愛します。
マーケットアプローチは、市場における取引価格を参考にして事業価値を算定する方法です。具体的には、以下のような方法が存在します。
- 類似会社比較法
- 類似取引比較法
類似会社比較法は、評価する対象の企業の類似会社にあたる上場会社の企業価値と、営業利益や収益力(EBITDA)といった財務指標から算出された倍率(マルチプル)を評価対象会社に適用することで、事業価値を算出する方法です。
具体的には、以下のように算定します。
EBITDA×業界相場の倍率(EBITDAマルチプル)=企業価値
(EBITDAマルチプル=上場類似会社の企業価値/上場類似会社のEBITDA)
EBITDAは、営業利益に減価償却費を足して算出されるものです。
また、類似会社は、業界が同じ上場企業を選定するのはもちろんのことですが、ビジネスモデルや収益構造、顧客の層などの類似性から選定するパターンもあります。類似会社をどのように選ぶかによって、算定結果は大きく左右されます。
2.株式価値を算定する
企業価値を算出したら、株式価値を算出しましょう。株式価値は、以下のように算出します。
企業価値-有利子負債+現金同等物=株式価値
第三者に譲渡する場合に、どの程度の価値がつくかを把握しておくことは重要なため、理解しておきましょう。
なお、マーケットアプローチには、類似会社比較法のほか、類似するM&Aによる取引事例を用いた類似取引比較法という方法が存在します。
しかし、参照する過去の取引における対象会社が非上場である場合、入手可能な財務数値が限定的であるため、同方法が中小企業のM&Aで利用されることは少ないのが現状です。
M&Aにおける価値の算定については、下記で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
[うちの会社、結局いくらで売れるの?~事業オーナーの疑問に答えるコラム①~]
また、自社の具体的な株式価値を知りたい場合には、株価シミュレーターを用意していますので、以下で試算可能です。ぜひご活用ください。
コールセンター業界で企業を売却する3つのメリット
コールセンターでM&Aを活用するメリットは、経営者個人の利益にとどまりません。適切な承継は、オペレーターの雇用やクライアントへのサービス継続といった関係者の利益を守る手段にもなります。
- オペレーターの雇用を維持できる
- 経営者は売却益を得られる
- クライアントへのサービス体制を守れる
ここでは、売り手にとって特に重要な3つのメリットを解説します。
オペレーターの雇用を維持できる
コールセンターは、オペレーターの対応品質が事業価値そのものです。廃業を選択した場合、オペレーターは職場を失い、長年にわたって蓄積された業務知識やクライアント対応のノウハウも散逸してしまいます。
M&Aにより事業が承継されれば、オペレーターの雇用を維持しながら業務ノウハウも引き継げるケースが多く、売り手にとっては、人材と業務品質を守りながら事業を引き継げる点が大きなメリットです。
経営者は売却益を得られる
M&Aによる売却は、これまで築いてきたクライアント基盤や人材体制、業務ノウハウを含む事業価値を資金化する手段です。得られた売却益は、引退後の生活資金や資産承継、次の事業への投資などに活用できます。
後継者不在のまま廃業した場合、クライアント対応の終了に伴って、設備の処分やオフィスの原状回復にコストがかかることがあります。M&Aであれば、事業の継続性を前提に価値が評価されるため、経営者はより合理的に出口を設計しやすくなります。
クライアントへのサービス体制を守れる
コールセンターは、クライアント企業の顧客対応を代行する「顔」としての役割を担っています。突然の廃業は、クライアントにとって代替業者の確保やオペレーター教育のやり直しが必要となり、顧客対応に空白が生じるリスクがあります。
M&Aによって承継されることで、オペレーター体制やシステムを維持しながら事業が続けられるケースも多いため、クライアントへのサービス提供を継続しながら事業を引き継げる点は、売り手にとっても大きなメリットといえます。
コールセンター業界で企業を売却する際の3つのポイント
コールセンターでM&Aを成功させるためには、単に売上があるだけでは不十分です。買い手は、クライアント契約の安定性、オペレーターの定着率、情報セキュリティ体制を厳しく確認します。
- クライアント契約と人材体制を整理する
- 事業の属人性を下げる
- 信頼できる専門家を活用する
ここでは、コールセンターの売却を検討する際に、特に重要な3つのポイントを解説します。
クライアント契約と人材体制を整理する
コールセンターの価値は、財務数値だけでなく、クライアントとの契約安定性とオペレーターの質に大きく依存します。買い手は、特定のクライアントに売上が集中していないか、オペレーターの離職率が高くないかを慎重に見ます。
そのため、売却前に以下の点を棚卸しし、説明できる状態にしておくことが重要です。
- 主要クライアントとの契約条件と残存期間
- 売上のクライアント別構成比
- オペレーターの雇用形態別人数と離職率の推移
- 採用チャネルと採用コストの実態
- 情報セキュリティ認証(Pマーク・ISMSなど)の取得状況
この整理が不十分だと、DDを経て価格が下がったり、取引自体が止まったりする要因になります。
事業の属人性を下げる
コールセンターの評価を下げやすい要因の一つが、特定のSV(スーパーバイザー)やマネージャーへの過度な依存です。クライアント対応、オペレーター管理、業務設計がキーパーソンに集中している場合、買い手からは引き継ぎにくい事業と判断されやすくなります。
属人性の観点から評価を高めるためには、以下のような取り組みが重要です。
- 業務マニュアル・トークスクリプトの標準化と更新体制
- SVの複数化とナレッジ共有の仕組み
- クライアント別の業務設計書の整備
- オペレーター教育プログラムの体系化
属人性を下げることで、人が変わっても業務品質が維持できるセンターとして評価されやすくなり、買い手の選択肢も広がります。
信頼できる専門家を活用する
コールセンターのM&Aは、一般的な事業売却に比べて、クライアント契約への対応、人材の引き継ぎ、情報セキュリティの確保といった論点が複雑になりやすい領域です。準備や設計が不十分なまま進めると、売却後にトラブルが生じるリスクもあります。
そのため、以下のような専門家の支援を受けることが重要です。
- FAをはじめとした売り手側に立つM&A助言会社
- 税理士・弁護士などの専門家
- 契約条件や引き継ぎ計画を設計できる支援者
売り手専属のFAを活用すれば、価格交渉や条件調整においても、売り手の利益を優先した交渉を進めやすくなります。
感情に左右された場当たり的な判断を避けるという観点でも、第三者による専門的な視点は不可欠といえるでしょう。
コールセンター業界での企業売却にかかる税金とは?
企業を売却する際には、売却益に対して税金が発生します。この税金の仕組みは、「個人オーナーが売却する場合」と「法人が株式を譲渡する場合」で異なるため、正しく理解しておくことが重要です。個人・法人別にわかりやすく解説します。
個人オーナーの場合
個人が自社株などの株式を譲渡し、譲渡益(売却益)が発生した場合、その利益は「譲渡所得」として扱われます。
課税の仕組み
譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)
この譲渡所得には、以下の税が課せられます。
- 所得税(復興特別所得税含む)
- 住民税
給与所得などとは分離して課税されるため、所得の合算は不要ですが、確定申告が必要です。
ただし、ミニマムタックスに該当する場合は給与所得等の他の所得との合算して算出する必要があるため、適切に節税するためには、事前に税理士など専門家への相談が欠かせません。
法人の場合
法人が保有する株式を譲渡した場合、その売却益は法人の「益金(収益)」として扱われ、他の事業収益と合算されて法人税等が課税されます。
法人の場合の税務処理
- 譲渡益は法人所得として計上され、通常の法人税率で課税
- 譲渡損失が出た場合、他の所得と損益通算が可能
- 所得と損失の調整により、柔軟な節税が可能
評価差額にも注意
帳簿価額と時価の差(含み益)がある場合、譲渡時に課税対象となる可能性があります。
まとめ
コールセンター業界は、アウトソーシング需要の拡大やDXの進展を背景に市場が堅調に推移する一方で、慢性的な人材不足、オペレーターの高い離職率、AI・デジタル技術への対応といった経営課題を抱えています。特に中小のコールセンター事業者にとっては、単独での人材確保や技術投資に限界を感じるケースが増えており、M&Aは事業の継続と競争力強化を図るための現実的な選択肢となっています。
売却を成功させるためには、クライアント契約や人材体制の棚卸し、属人性の低減などについて、専門家の支援を受けながら早期から適切な準備を進めることが欠かせません。
RISONALでは、売り手に特化したFAサービスを提供しています。専属のエージェントがお客様の希望に沿った取引を実現するため、最適なサポートを行います。より高い評価額での売却を目指したアドバイスを受けられるだけでなく、余計な仲介手数料を抑えた成約も可能です。
コールセンターのM&Aでは、買い手目線で条件調整が進みやすい仲介型の支援の場合、価格や引き継ぎ条件が売り手に不利になるケースも少なくありません。そのため、誰の利益を最優先に交渉するのかを明確にした支援体制が重要です。
無料相談が可能です。実際にどの程度の価格で売却できるのか、また、どのようにすればより高く売却できるのかを、ぜひご確認ください。
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