民泊のM&A相場はいくら?売却の手法やコツも解説!

2026.05.28

公開日:2026.05.28

2026.05.28

2026.05.28

更新日:2026.05.28

2026.05.28

民泊のM&A相場はいくら?売却の手法やコツも解説!

民泊は、住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく住宅宿泊事業、国家戦略特区制度を活用した特区民泊、旅館業法に基づく簡易宿所という3つの法的枠組みのもとで、住宅を活用した宿泊サービスを提供する産業です。観光庁の公表資料によれば、2026年3月時点での住宅宿泊事業の累計届出件数は約61,605件、事業廃止件数は22,030件、届出住宅数は約39,575件となっており、新規参入が続く一方で廃止件数も多く、民泊市場は成長と退出が並行する流動性の高い市場といえます。

2024年12月〜2025年1月の2か月間における住宅宿泊事業の延べ宿泊者数は約117万人泊(前年同期比167.4%)と大幅に増加し、外国人比率は63.7%に達しています。インバウンド需要の取り込みが、民泊事業者の収益力を押し上げる主要因の一つとなっています。

一方で、自治体ごとの上乗せ規制、運営代行費用の高騰、騒音・ゴミなどの近隣トラブル対応、清掃や鍵の受け渡しに伴うオペレーションコスト、大型ホテルとの競合といった経営課題があります。複数物件運営事業者の集約や、観光・不動産系企業による異業種からの参入を背景に、事業承継や売却のニーズも高まっており、こうした環境下で物件、制度対応、運営ノウハウを引き継ぐ手段としてM&Aが選択肢の一つとなっています。

本記事では、民泊でM&Aを行う際の相場の考え方をはじめ、業界の現状や代表的な売却手法について解説します。

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※参考:観光庁「住宅宿泊事業法の施行状況

株価算定シミュレーター

民泊の現状

民泊は、住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく住宅宿泊事業、特区民泊、簡易宿所の3つの法的枠組みのもとで運営されています。住宅宿泊事業法による届出は2026年3月13日時点で累計61,605件に達した一方、廃止届出も22,030件発生しており、現存する届出住宅数は39,575件です。

事業者構成は、個人の副業オーナー、複数物件を運営する事業者、運営代行会社、不動産投資ファンド系、ホテル系・旅館系など多層構造です。主な関連プレイヤーとして、Airbnb、楽天STAY、SQUEEZE、tripla、JapaningHotelなどが挙げられます。Airbnbなどのプラットフォームを活用した運営が広がっており、宿泊予約、決済、レビュー管理をプラットフォーム上で行う形が一般的です。

需要面では、訪日需要の回復が業界全体の追い風となっています。2025年12月〜2026年1月の延べ宿泊者数は1,652,653人泊(前年同期比140.5%)と急伸し、宿泊日数の合計は558,688日(前年同期比147.8%)、宿泊者数は565,738人(前年同期比135.5%)と全指標で前年を大きく上回りました。届出住宅あたりの延べ宿泊者数は51.1人泊となっており、都道府県別では東京都が896,836人泊で最多、次いで北海道(249,259人泊)、福岡県(64,006人泊)となっています。外国人比率は63.7%で、国籍別では韓国、米国、台湾、中国、オーストラリアの上位5カ国で外国人宿泊者の52.6%を占めています(※)。

M&A動向としては、複数物件を運営する事業者の集約、運営代行会社による物件取得、不動産投資ファンドによる民泊運営事業の取得などの動きが見られます。また、ホテル・旅館グループが自社の宿泊ポートフォリオに民泊を組み込む動きも見られ、宿泊業界全体の再編テーマの一つとして民泊M&Aが位置付けられつつあります。

※参考:観光庁「住宅宿泊事業法の施行状況

民泊でM&Aを行うのはなぜ?売却の理由を紹介

民泊でM&Aが選ばれる理由は、大きく「運営負担の軽減」「物件ポートフォリオの集約」「規制強化リスクや運営代行費高騰への対応」の三つに整理できます。

まず、運営負担の観点では、民泊運営は予約管理、ゲスト対応(チェックイン・チェックアウト・問い合わせ・トラブル対応)、清掃・リネン交換、近隣対応、設備保守、確定申告など、想定以上に運営工数がかかります。副業として始めた個人オーナーが運営負担を理由に、複数物件運営事業者や運営代行会社への売却を検討するケースも見られます。

次に、ポートフォリオ集約の観点では、複数物件を効率的に運営するには、清掃・リネン手配・予約管理システム・運営代行体制を組織化する必要があります。物件数が増えるほどスケールメリットを得やすいため、地域内の物件を集約する事業者にとっては、既存運営物件の取得は有力な拡大手段となります。

また、規制強化リスクの観点では、自治体ごとの上乗せ規制(住居専用地域での年間営業日数制限・条例による営業時間制限など)が継続的に強化される傾向にあります。規制対応の負担から事業継続が難しくなる個人オーナーがいる一方で、規制対応ノウハウを持つ事業者にとっては取得機会になり得ます。運営代行費用の高騰も、運営の内製化を志向する事業者によるM&Aを後押しする要因となっています。

民泊のM&Aでは、住宅宿泊事業届出、特区民泊の認定、簡易宿所営業許可などの制度対応の取扱い、物件賃貸契約のCOC条項、近隣住民との関係維持といった論点が複雑になりやすく、これらを含めた事業価値を適切に評価できる買い手を見つけることが、成否を左右するポイントとなっています。

民泊での企業売却方法は?3種類を紹介

民泊のM&Aでは、売却対象や制度対応・契約・人材の引き継ぎ方針によって、選ぶべき方法が変わります。代表的な手法は以下の3つです。

  • 株式譲渡
  • 会社分割
  • 事業譲渡

それぞれの手法について解説します。

株式譲渡とは?中小企業M&Aで最も選ばれる手法の仕組みと特徴

株式譲渡とは、企業の株主が保有する株式を他者に譲渡することで、経営権を移転するM&Aの手法のひとつです。中小企業のM&Aにおいては最も多く活用されており、後継者不在や事業承継を目的としたケースでよく採用されています。

株式譲渡のメリット

株式譲渡において、売却対象となるのはあくまで「株式」であり、会社そのものの法人格や契約関係、資産・負債はそのまま引き継がれます。

そのため、以下のようなメリットがあります。

  • 従業員や取引先との契約を維持したまま、スムーズな引き継ぎが可能
  • 許認可や契約の再取得が原則不要で、実務上の負担が少ない
  • 法人格が継続するため、営業活動を中断せずに承継できる

とくに、現経営者が引退を検討している場合でも、事業を止めることなくバトンタッチできるため、後継者問題の有効な解決策となります。ただし、契約上のチェンジ・オブ・コントロール(COC)条項による相手方同意や、業種許認可の変更届・再許可が必要となる場合があるため、事前確認は不可欠です。

株式譲渡の注意点・デメリット

一方で、株式とともに過去の負債や簿外債務(帳簿に載っていないリスク)も引き継がれるという側面もあるため、買い手企業にとっては慎重な対応が必要です。

そのため、M&Aを進める際には、財務・法務・税務などに関するデューデリジェンス(詳細調査)を丁寧に実施し、リスクを洗い出すことが不可欠です。

会社分割とは?M&Aで活用される組織再編の手法と注意点

会社分割とは、企業が事業の一部を他の会社に移転することで、権利義務を承継させる法的な組織再編手続きです。M&Aにおいては、売却対象の事業を切り出してスムーズに移転させる手段として活用されています。

会社分割の主な種類

会社分割には、以下のような分類があります。

  • 新設分割:新たに設立した会社に事業を承継させる
  • 吸収分割:既存の他社に事業を承継させる

さらに、分割により得る対価の受け取り先によっても分類されます。

  • 分割型分割:対価を分割元会社の株主が受け取る
  • 分社型分割:対価を分割元会社自身が受け取る

会社分割のメリットと特徴

会社分割の最大の特徴は、契約・資産・負債などの権利義務を包括的に移転できる点です。これにより、個別契約ごとの承継手続きを省略でき、事業の引き継ぎが円滑に進められます。

また、分割によって整理された事業をその後に売却することで、M&Aの手続きも効率化されます。

税務上の注意点:適格分割と非適格分割の違い

会社分割には税務上の取り扱いに注意が必要です。「適格分割」であれば譲渡益の課税は繰り延べされますが、採用するスキームによっては「非適格分割」に該当します。

非適格分割では、資産が時価で評価され、譲渡益課税やみなし配当課税の対象となるため、税負担が発生します。

また、会社分割と株式譲渡をセットで行う場合、タイミングによって課税リスクが高まるため、スキーム設計は専門家のアドバイスを受けながら慎重に進めることが重要です。

事業譲渡とは?M&Aで活用される承継手法と税務上の注意点

事業譲渡は、企業が事業の一部または全部を、契約に基づいて他社へ売却するM&A手法のひとつです。

譲渡の対象となる資産・負債・契約関係を個別に指定して承継する点が特徴であり、柔軟性が高い一方で、手続きは煩雑になりやすいという側面もあります。

事業譲渡のメリット:簿外債務を回避しやすい

事業譲渡では、契約書に記載されたものだけが承継対象となるため、買い手企業にとっては、不要な債務やリスクを回避しやすくなります。

特に、簿外債務の存在が懸念されるケースでは、株式譲渡ではなく事業譲渡を希望する買い手企業が多い傾向にあります。

売り手側の税務上の扱い:事業譲渡益に課税

事業譲渡によって得た対価のうち、譲渡対象資産・負債の簿価純額との差額は「事業譲渡益」として、売り手側に法人税が課税されます。

また、事業譲渡には以下のような消費税に関する注意点もあります。

課税資産と非課税資産の両方をまとめて譲渡するため、資産ごとの課税・非課税を区分し課税対象資産部分の消費税を計算する必要があり、それぞれの対価を合理的に区分し、課税・非課税の計算を行う必要があります。

事業譲渡のデメリット:承継手続きが煩雑

個別承継であるため、以下のような実務負担が大きい点はデメリットと言えます。

  • すべての契約(従業員との雇用契約含めて)を再締結する必要がある
  • 許認可や届出が一から取得し直しとなる場合がある

民泊の売却の流れは?3つのステップを紹介

民泊のM&Aを進める場合は、大きく3つのステップに分けて進められます。

  • M&Aの準備と助言会社の選定
  • 買い手候補先企業との接触、意向表明受領
  • 詳細調査(DD)、最終契約とクロージング

それぞれの段階で必要となる準備や手続きが異なるため、流れを把握しておきましょう。

Step1.M&Aの準備と助言会社の選定

はじめに、売却目的と希望条件を整理したうえで、M&A助言会社を選定します。この段階で重要なのは、いくらで売れるかだけでなく、どのような買い手に、どのような形で事業と人材を引き継ぎたいのかを明確にしておくことです。

民泊業界では、評価や条件に影響しやすい論点として、物件別の月次売上、稼働率、ADR(平均客室単価)、住宅宿泊事業届出、特区民泊の認定、旅館業許可の取得状況や有効性、物件の所有・賃貸状況と賃貸借契約条件、運営代行委託の状況や費用、近隣住民や管理組合との関係、Airbnbなどのプラットフォーム上でのレビュー評価、清掃やリネン手配を含む運営フローなどが挙げられます。これらを事前に棚卸しし、資料として説明できる状態に整えておくことで、後工程での条件修正を抑えやすくなります。

Step2.買い手候補先企業との接触、意向表明受領

次に、助言会社を通じて買い手候補へ打診を行います。初期段階では概要資料を提示し、関心を示した企業と秘密保持契約を締結したうえで、財務・事業運営に関する詳細情報を開示します。

買い手候補は、譲渡価格のレンジ、取引方法、引き継ぎ条件、売却後の運営方針などをまとめた意向表明書を提出します。売り手は、提示金額だけでなく、従業員の処遇、ブランドの継続方針、取引先関係の維持なども含めて比較したうえで、基本合意に進むかを判断するのが一般的です。

Step3.詳細調査(DD)、最終契約とクロージング

基本合意後は、買い手による詳細調査が行われます。民泊では、財務・税務・契約関係に加えて、届出・認定・許可の取扱いや、物件運営固有の論点が重視されやすい点が特徴です。

調査結果を踏まえて最終条件を調整し、最終契約を締結します。その後、対価の決済と引き渡しを行うクロージングをもって、取引が完了します。

M&Aの流れについてより詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。

M&Aの流れとは?準備からクロージング・PMIまで全ステップを売り手目線で解説

民泊の売却の相場は?価値算定方法を解説

民泊のM&Aにおける売却価格は、「〇〇円が相場」と一律に決まるものではありません。実務では、収益力、資産、ブランド力、運営体制、制度対応の状況といった要素を総合的に評価したうえで、最終的に売り手と買い手の交渉によって価格が決まります。

民泊事業のM&Aでは、物件ごとの稼働率と収益性、立地の魅力度、届出・認定・許可の有効性、運営オペレーションの整備状況、Airbnbなどのレビュー評価などが評価に大きく影響します。

こうした理由から、民泊のM&Aでは、まず企業価値を算定し、そのうえで負債や現金などを考慮して取引価値の全体像を把握するのが一般的です。

以下では、その基本的な考え方について解説します。

1.企業価値を算定する

民泊のM&A実務において事業価値の算定には、大きく分けて2つの方法があります。

  • インカムアプローチ
  • マーケットアプローチ

インカムアプローチは、営業資産が生み出す将来キャッシュフローを評価の基礎とする方法です。代表的なディスカウント・キャッシュ・フロー(DCF)法では、将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて事業価値を試算します。

理論的に優れた方法ではあるものの、将来キャッシュフローの見積もりや割引率の計算は非常に難易度が高く、経験を積んだ専門家でないと試算が困難で、初見では理解しづらいのが大きな欠点でしょう。

本稿では「価値の概算を簡単に知る」ことを目的にしていますので、インカムアプローチの詳細な説明は割愛します。

マーケットアプローチは、市場における取引価格を参考にして事業価値を算定する方法です。具体的には、以下のような方法が存在します。

  • 類似会社比較法
  • 類似取引比較法

類似会社比較法は、評価する対象の企業の類似会社にあたる上場会社の企業価値と、営業利益や収益力(EBITDA)といった財務指標から算出された倍率(マルチプル)を評価対象会社に適用することで、事業価値を算出する方法です。

具体的には、以下のように算定します。

EBITDA×業界相場の倍率(EBITDAマルチプル)=企業価値
(EBITDAマルチプル=上場類似会社の企業価値/上場類似会社のEBITDA)

EBITDAは、営業利益に減価償却費を足して算出されるものです。

また、類似会社は、業界が同じ上場企業を選定するのはもちろんのことですが、ビジネスモデルや収益構造、顧客の層などの類似性から選定するパターンもあります。類似会社をどのように選ぶかによって、算定結果は大きく左右されます。

2.株式価値を算定する

企業価値を算出したら、株式価値を算出しましょう。株式価値は、以下のように算出します。

企業価値-有利子負債+現金同等物=株式価値

第三者に譲渡する場合に、どの程度の価値がつくかを把握しておくことは重要なため、理解しておきましょう。

なお、マーケットアプローチには、類似会社比較法のほか、類似するM&Aによる取引事例を用いた類似取引比較法という方法が存在します。

しかし、参照する過去の取引における対象会社が非上場である場合、入手可能な財務数値が限定的であるため、同方法が中小企業のM&Aで利用されることは少ないのが現状です。

M&Aにおける価値の算定については、下記で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。

うちの会社、結局いくらで売れるの?~事業オーナーの疑問に答えるコラム①~

また、自社の具体的な株式価値を知りたい場合には、株価シミュレーターを用意していますので、以下で試算可能です。ぜひご活用ください。

[株価算定シミュレーター]

民泊で企業を売却する3つのメリット

民泊事業でM&Aを活用するメリットは、経営者個人の利益にとどまりません。適切な承継は、物件の継続運営、近隣住民との関係維持、運営スタッフの雇用維持など、関係者の利益を守る手段にもなります。

  • 運営負担から解放される
  • 規制強化リスクを切り離せる
  • 経営者は売却益を得られる

ここでは、売り手にとって特に重要な3つのメリットを解説します。

運営負担から解放される

民泊運営は、24時間体制でのゲスト対応、急なキャンセル対応、清掃・リネン手配、近隣対応、設備トラブル対応など、想定以上に運営工数がかかります。副業として始めた個人オーナーや、本業との両立が困難になった事業者にとって、運営負担の軽減は大きな売却動機となります。

M&Aによって運営体制を備えた買い手に引き継げれば、物件の運営を継続しながら、経営者は運営負担を軽減しやすくなります。

規制強化リスクを切り離せる

民泊は、自治体ごとの上乗せ規制の影響を受けやすい業態です。営業日数制限、住居専用地域での営業制限、条例による営業時間制限など、規制対応の負担は今後も増加が見込まれます。規制動向に継続的に対応する経営リソースが限られるオーナーにとって、規制対応ノウハウを持つ事業者への売却は合理的な選択となり得ます。

規制対応の体制を持つ買い手であれば、規制強化局面でも事業継続を図りやすく、売り手にとっても承継先の選択肢となります。

経営者は売却益を得られる

M&Aによる売却は、これまで築いてきた物件、届出・認定・許可の状況、運営オペレーション、レビュー資産を含む事業価値を資金化する手段です。得られた売却益は、引退後の生活資金や資産承継、次の事業への投資などに活用できます。

稼働率が低下した状態で廃業した場合、物件の原状回復費用や賃貸契約の解約に伴うコストが発生し、回収できる金額が大きく目減りすることがあります。M&Aであれば、稼働中の物件価値と運営事業としての価値を踏まえて評価されやすく、経営者はより計画的に出口を設計しやすくなります。

民泊で企業を売却する際の3つのポイント

民泊事業でM&Aを成功させるためには、単に売上があるだけでは不十分です。買い手は、物件別の稼働実績、届出・認定・許可の有効性、賃貸契約の引き継ぎ可否、近隣住民との関係を慎重に確認します。

  • 物件別データと制度対応の整理
  • 近隣住民・管理組合との関係性の文書化
  • 信頼できる専門家を活用する

ここでは、民泊の売却を検討する際に、特に重要な3つのポイントを解説します。

物件別データと許認可の整理

民泊事業の評価は、物件ごとの稼働実績と、どの法的枠組みで運営しているかに大きく左右されます。買い手は、月次稼働率・ADR、制度区分(住宅宿泊事業の届出・特区民泊・簡易宿所営業許可など)、Airbnbなどでのレビュー評価、年間営業日数の運用状況などを確認します。

売却前に以下の点を棚卸しし、説明できる状態にしておくことが重要です。

  • 物件別の月次稼働率・ADR・売上(過去2年分)
  • 保有する届出・認定・許可の種類、有効性、適合状況
  • Airbnbなどのプラットフォームでのレビュー数・スコア
  • 営業日数の運用状況(住宅宿泊事業の年間180日制限など)
  • 物件の所有・賃貸状況と賃貸借契約条件

この整理が不十分だと、DDを経て価格が下がったり、取引自体が成立しなくなる要因になります。

近隣住民・管理組合との関係性の文書化

民泊事業の評価で見落とされやすいのが、近隣住民やマンション管理組合との関係性です。過去のクレーム履歴、管理規約や使用細則の確認状況、近隣対応の履歴は、買い手にとって運営継続性を判断する重要な要素です。

評価を高めるためには、以下のような取り組みが重要です。

  • 管理規約・使用細則の確認状況
  • 近隣住民への説明・連絡先共有の状況
  • 過去のクレーム履歴と対応経緯の文書化
  • 騒音・ゴミ等のトラブル防止施策の整備状況

近隣対応が適切に行われていれば、買い手にとっての運営継続リスクを抑えやすく、評価にもプラスに働きやすくなります。

信頼できる専門家を活用する

民泊のM&Aは、届出・認定・許可の取扱い、物件賃貸契約のCOC条項、近隣関係、運営代行契約など、一般的な事業売却にはない論点が多い領域です。準備や設計が不十分なまま進めると、売却後にトラブルが生じるリスクもあります。

そのため、以下のような専門家の支援を受けることが重要です。

  • FAをはじめとした売り手側に立つM&A助言会社
  • 不動産・宿泊関連法規に明るい弁護士・税理士・行政書士

売り手専属のFAを活用すれば、価格交渉や条件調整においても、売り手の利益を優先した交渉を進めやすくなります。感情に左右された場当たり的な判断を避けるという観点でも、第三者による専門的な視点は不可欠といえるでしょう。

民泊での企業売却にかかる税金とは?

企業を売却する際には、売却益に対して税金が発生します。この税金の仕組みは、「個人オーナーが売却する場合」と「法人が株式を譲渡する場合」で異なるため、正しく理解しておくことが重要です。個人・法人別にわかりやすく解説します。

個人オーナーの場合

個人が自社株などの株式を譲渡し、譲渡益(売却益)が発生した場合、その利益は「譲渡所得」として扱われます。

課税の仕組み

譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)

この譲渡所得には、以下の税が課せられます。

  • 所得税(復興特別所得税含む)
  • 住民税

給与所得などとは分離して課税されるため、所得の合算は不要ですが、確定申告が必要です。

ただし、ミニマムタックスに該当する場合は給与所得等の他の所得との合算して算出する必要があるため、適切に節税するためには、事前に税理士など専門家への相談が欠かせません。

法人の場合

法人が保有する株式を譲渡した場合、その売却益は法人の「益金(収益)」として扱われ、他の事業収益と合算されて法人税等が課税されます。

法人の場合の税務処理

  • 譲渡益は法人所得として計上され、通常の法人税率で課税
  • 譲渡損失が出た場合、他の所得と損益通算が可能
  • 所得と損失の調整により、柔軟な節税が可能

評価差額にも注意

帳簿価額と時価の差(含み益)がある場合、譲渡時に課税対象となる可能性があります。

まとめ

民泊は、訪日需要の回復による需要拡大と、自治体ごとの規制強化による運営難易度の上昇という、相反するトレンドが同時進行している産業です。住宅宿泊事業の届出住宅数は約4万件規模まで成長しましたが、廃業件数も多く、新規参入と退出が並走する流動性の高い市場となっています。M&Aは、物件、届出・認定・許可の状況、運営ノウハウを活かした事業承継やポートフォリオ集約の現実的な選択肢の一つです。

売却を成功させるためには、物件別データと許認可の整理、近隣住民との関係性の文書化を含め、専門家の支援を受けながら早期から適切な準備を進めることが欠かせません。

RISONALでは、売り手に特化したFAサービスを提供しています。専属のエージェントがお客様の希望に沿った取引を実現するため、最適なサポートを行います。より高い評価額での売却を目指したアドバイスを受けられるだけでなく、余計な仲介手数料を抑えた成約も可能です。

民泊のM&Aでは、買い手目線で条件調整が進みやすい仲介型の支援の場合、価格や引き継ぎ条件が売り手に不利になるケースも少なくありません。そのため、誰の利益を最優先に交渉するのかを明確にした支援体制が重要です。

無料相談が可能です。実際にどの程度の価格で売却できるのか、また、どのようにすればより高く売却できるのかを、ぜひご確認ください。

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この記事の著者

RISONAL編集部(オーナーズ株式会社 )

RISONAL編集部

売り手の理想のM&Aの実現に特化した専属M&Aエージェントサービスおよび事業オーナー向けの資産運用サービスを提供するオーナーズ株式会社

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