英会話教室のM&A相場はいくら?売却の手法やコツも解説!
公開日:2026.02.24
2026.02.24
更新日:2026.02.24
2026.02.24
英会話教室は、少子化や物価上昇の影響を受け、業界全体の収益はおおむね横ばいの状況が続いています(※)。特に、固定費負担の大きい対面型教室では、集客力や運営体制の差が、そのまま収益性に直結しやすい環境です。
こうした状況の中で、後継者問題の解消や将来的な拡張性を見据え、英会話教室をM&Aによって第三者へ承継する動きも増えています。ただし、売却価格は一律に決まるものではなく、在籍者数や継続率、講師体制、教室の賃貸借契約条件など、事業の中身によって大きく左右されます。
本記事では、英会話教室のM&A相場を検討する際の基本的な考え方をはじめ、業界の現状、代表的な売却手法、売却を進めるうえで押さえておきたいポイントについて解説します。
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※参考:株式会社矢野経済研究所「語学ビジネス市場に関する調査を実施(2025年)」
英会話教室の現状
英会話教室は、月謝制による継続収益を基本とするサービス業であり、在籍者数や講師体制といった運営要素が、そのまま事業規模や収益性に反映されやすい業態です。
単発型のサービスと異なり、日々の運営の積み重ねによって売上が形成される点に特徴があります。
一方で、教室運営には講師の確保・育成、教室の賃貸借契約、時間割管理など、一定の固定コストと運営負荷が伴います。そのため、在籍者数が安定しているか、講師体制が属人化していないかといった点が、経営の安定性を左右します。
また、英会話教室は個人運営から小規模チェーンまで形態が幅広く、同じ売上規模でも運営体制や収益構造に差が出やすい業態です。運営が仕組み化されている教室と、経営者個人の判断や労力に依存している教室とでは、事業の持続性に大きな違いが生じます。
英会話教室でM&Aを行うのはなぜ?売却の理由を紹介
英会話教室でM&Aが選択される背景には、業態特有の構造的な課題があります。単に需要が減っているからではなく、運営の属人性、固定費構造、成長余地の限界といった要因が複合的に絡んでいます。
まず、固定費と収益のバランスが挙げられます。英会話教室は月謝制を基本とするため、在籍者数と継続率が収益を左右します。一方で、家賃や人件費といった固定費の比率が高く、受講生が減少すると収益が急速に悪化しやすい構造です。
一定の在籍規模を維持できている段階で売却を検討することは、将来的なリスクを織り込んだ合理的な判断といえるでしょう。
また、成長投資の限界も理由の一つです。複数校展開や法人向け研修、オンライン併用など、事業拡大の選択肢は複数存在しますが、資金や人材、仕組みの制約から、単独では実行が難しいケースも多く見られます。M&Aによって運営基盤を持つ事業者に引き継ぐことで、教室単体では実現できなかった成長余地を活かせる可能性があります。
英会話教室の売却方法は?3種類を紹介
英会話教室のM&Aでは、売却対象や、受講生契約・講師の雇用契約・教室の賃貸借契約をどのように引き継ぐかによって、選ぶべき売却方法が変わります。
代表的な手法は、以下の3つです。
・株式譲渡
・会社分割
・事業譲渡
それぞれ、引き継ぎやすさや手続きの負担、税務・法務上の論点が異なるため、売却の目的や現在の運営体制を踏まえて選択することが重要です。
ここでは、英会話教室の売却で用いられる3種類の方法について、それぞれの特徴を解説します。
株式譲渡とは?中小企業M&Aで最も選ばれる手法の仕組みと特徴
株式譲渡とは、企業の株主が保有する株式を他者に譲渡することで、経営権を移転するM&Aの手法のひとつです。中小企業のM&Aにおいては最も多く活用されており、後継者不在や事業承継を目的としたケースでよく採用されています。
株式譲渡のメリット
株式譲渡において、売却対象となるのはあくまで「株式」であり、会社そのものの法人格や契約関係、資産・負債はそのまま引き継がれます。
そのため、以下のようなメリットがあります。
・従業員や取引先との契約を維持したまま、スムーズな引き継ぎが可能
・許認可や契約の再取得が原則不要で、実務上の負担が少ない
・法人格が継続するため、営業活動を中断せずに承継できる
とくに、現経営者が引退を検討している場合でも、事業を止めることなくバトンタッチできるため、後継者問題の有効な解決策となります。ただし、契約上のチェンジ・オブ・コントロール(COC)条項による相手方同意や、業種許認可の変更届・再許可が必要となる場合があるため、事前確認は不可欠です。
株式譲渡の注意点・デメリット
一方で、株式とともに過去の負債や簿外債務(帳簿に載っていないリスク)も引き継がれるという側面もあるため、買い手企業にとっては慎重な対応が必要です。
そのため、M&Aを進める際には、財務・法務・税務などに関するデューデリジェンス(詳細調査)を丁寧に実施し、リスクを洗い出すことが不可欠です。
会社分割とは?M&Aで活用される組織再編の手法と注意点
会社分割とは、企業が事業の一部を他の会社に移転することで、権利義務を承継させる法的な組織再編手続きです。M&Aにおいては、売却対象の事業を切り出してスムーズに移転させる手段として活用されています。
会社分割の主な種類
会社分割には、以下のような分類があります。
・新設分割:新たに設立した会社に事業を承継させる
・吸収分割:既存の他社に事業を承継させる
さらに、分割により得る対価の受け取り先によっても分類されます。
・分割型分割:対価を分割元会社の株主が受け取る
・分社型分割:対価を分割元会社自身が受け取る
会社分割のメリットと特徴
会社分割の最大の特徴は、契約・資産・負債などの権利義務を包括的に移転できる点です。これにより、個別契約ごとの承継手続きを省略でき、事業の引き継ぎが円滑に進められます。
また、分割によって整理された事業をその後に売却することで、M&Aの手続きも効率化されます。
税務上の注意点:適格分割と非適格分割の違い
会社分割には税務上の取り扱いに注意が必要です。「適格分割」であれば譲渡益の課税は繰り延べされますが、採用するスキームによっては「非適格分割」に該当します。
非適格分割では、資産が時価で評価され、譲渡益課税やみなし配当課税の対象となるため、税負担が発生します。
また、会社分割と株式譲渡をセットで行う場合、タイミングによって課税リスクが高まるため、スキーム設計は専門家のアドバイスを受けながら慎重に進めることが重要です。
事業譲渡とは?M&Aで活用される承継手法と税務上の注意点
事業譲渡は、企業が事業の一部または全部を、契約に基づいて他社へ売却するM&A手法のひとつです。
譲渡の対象となる資産・負債・契約関係を個別に指定して承継する点が特徴であり、柔軟性が高い一方で、手続きは煩雑になりやすいという側面もあります。
事業譲渡のメリット:簿外債務を回避しやすい
事業譲渡では、契約書に記載されたものだけが承継対象となるため、買い手企業にとっては、不要な債務やリスクを回避しやすくなります。
特に、簿外債務の存在が懸念されるケースでは、株式譲渡ではなく事業譲渡を希望する買い手企業が多い傾向にあります。
売り手側の税務上の扱い:事業譲渡益に課税
事業譲渡によって得た対価のうち、譲渡対象資産・負債の簿価純額との差額は「事業譲渡益」として、売り手側に法人税が課税されます。
また、事業譲渡には以下のような消費税に関する注意点もあります。
課税資産と非課税資産の両方をまとめて譲渡するため、資産ごとの課税・非課税を区分し課税対象資産部分の消費税を計算する必要があり、それぞれの対価を合理的に区分し、課税・非課税の計算を行う必要があります。
事業譲渡のデメリット:承継手続きが煩雑
個別承継であるため、以下のような実務負担が大きい点はデメリットと言えます。
・すべての契約(従業員との雇用契約含めて)を再締結する必要がある
・許認可や届出が一から取得し直しとなる場合がある
英会話教室の売却の流れは?3つのステップを紹介

英会話教室でM&Aを進める場合は、大きく3つのステップに分けて進められます。
1.M&Aの準備と助言会社の選定
2.買い手候補先企業との接触、意向表明受領
3.詳細調査(DD)、最終契約とクロージング
それぞれの段階で必要となる準備や手続きが異なるため、流れを把握しておきましょう。
Step1.M&Aの準備と助言会社の選定
はじめに行うのが、売却方針と承継対象の整理です。法人全体を売却するのか、特定の教室や事業単位で売却するのかによって、資料整備や交渉の進め方が大きく変わります。
英会話教室では、教室ごとの在籍者数、月謝単価、継続率、講師体制、教室の賃貸借契約条件といった運営の基礎情報が価値評価の前提になります。これらが整理されていない場合、後工程で条件の見直しが生じやすくなります。
あわせて、この段階でM&A支援を行う専門家の選定も行います。売り手の意向を軸に条件設計を進めたい場合は、早い段階から売り手側FAを起用することで、方針のブレを防ぎやすくなるでしょう。
Step2.買い手候補先企業との接触、意向表明受領
次に、専門家を通じて買い手候補への打診を行います。初期段階では、教室名などを伏せた概要資料を用いて関心を確認し、秘密保持契約を締結したうえで詳細情報を開示します。
この段階で重要なのは、提示される条件を金額だけで判断しないことです。英会話教室の場合、講師の引き継ぎ方針や受講生対応、教室運営体制が不十分な買い手では、条件がまとまっても後工程で問題が生じやすくなります。
売り手としては、提示条件の実現可能性や運営方針を見極めながら、交渉を進める必要があります。
Step3.詳細調査(DD)、最終契約とクロージング
基本合意後は、デューデリジェンスを経て最終条件の調整を行い、契約締結と引き渡しに進みます。英会話教室では、財務情報に加え、受講生契約の内容、講師の雇用条件、教室の賃貸借契約が重点的に確認されます。
これらを踏まえて最終契約を締結し、対価の決済と同時に経営権や事業を引き渡して売却は完了します。引き渡し後も、一定期間オーナーが関与するケースがあり、引き継ぎ条件は事前に明確にしておくことが重要です。
M&Aの流れについてより詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
[M&Aのプロセス]
英会話教室の売却の相場は?価値算定方法を解説
英会話教室のM&Aにおける最終的な売却価格は、買い手企業との交渉によって決まりますが、事前に大まかな相場観を把握しておくことは可能です。
実務で簡易的な目安として用いられることが多い算定式は、「純資産総額(時価)+営業利益の2〜5年分」です。
ただし、営業利益を何年分評価するかは一律に決まるわけではなく、英会話教室の運営状況によって変動します。受講生の継続率が安定しているか、講師体制が属人化していないか、教室の賃貸借契約に大きなリスクがないかといった点によって、2年分に近い場合もあれば、5年分に近い評価が検討されることもあります。
ここからは、もっと具体的に企業価値を知りたい方に向けて代表的な算定方法を紹介します。
1.企業価値を算定する
英会話教室のM&A実務において事業価値の算定には、大きく分けて2つの方法があります。
・インカムアプローチ
・マーケットアプローチ
インカムアプローチは、営業資産が生み出す将来キャッシュフローを評価の基礎とする方法です。代表的なディスカウント・キャッシュ・フロー(DCF)法では、将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて事業価値を試算します。
理論的に優れた方法ではあるものの、将来キャッシュフローの見積もりや割引率の計算は非常に難易度が高く、経験を積んだ専門家でないと試算が困難で、初見では理解しづらいのが大きな欠点でしょう。
本稿では「価値の概算を簡単に知る」ことを目的にしていますので、インカムアプローチの詳細な説明は割愛します。
マーケットアプローチは、市場における取引価格を参考にして事業価値を算定する方法です。具体的には、以下のような方法が存在します。
・類似会社比較法
・類似取引比較法
類似会社比較法は、評価する対象の企業の類似会社にあたる上場会社の企業価値と、営業利益や収益力(EBITDA)といった財務指標から算出された倍率(マルチプル)を評価対象会社に適用することで、事業価値を算出する方法です。
具体的には、以下のように算定します。
EBITDA×業界相場の倍率(EBITDAマルチプル)=企業価値
(EBITDAマルチプル=上場類似会社の企業価値/上場類似会社のEBITDA)
EBITDAは、営業利益に減価償却費を足して算出されるものです。
また、類似会社は、業界が同じ上場企業を選定するのはもちろんのことですが、ビジネスモデルや収益構造、顧客の層などの類似性から選定するパターンもあります。類似会社をどのように選ぶかによって、算定結果は大きく左右されます。
2.株式価値を算定する
企業価値を算出したら、株式価値を算出しましょう。株式価値は、以下のように算出します。
企業価値-有利子負債+現金同等物=株式価値
第三者に譲渡する場合に、どの程度の価値がつくかを把握しておくことは重要なため、理解しておきましょう。
なお、マーケットアプローチには、類似会社比較法のほか、類似するM&Aによる取引事例を用いた類似取引比較法という方法が存在します。
しかし、参照する過去の取引における対象会社が非上場である場合、入手可能な財務数値が限定的であるため、同方法が中小企業のM&Aで利用されることは少ないのが現状です。
M&Aにおける価値の算定については、下記で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
[うちの会社、結局いくらで売れるの?~事業オーナーの疑問に答えるコラム①~]
また、自社の具体的な株式価値を知りたい場合には、株価シミュレーターを用意していますので、以下で試算可能です。ぜひご活用ください。
英会話教室を売却する3つのメリット
英会話教室でM&Aを活用するメリットは、経営者個人の利益にとどまりません。適切な売却は、受講生・講師・教室運営といった関係者全体の利益を守る手段にもなります。
・講師と運営体制を守れる
・経営者は売却益を得られる
・受講生の学習環境を維持できる
ここでは、売り手にとって特に重要な3つのメリットを解説します。
講師と運営体制を守れる
英会話教室は、教室設備と同じくらい、講師と運営体制に事業価値があります。講師の指導品質やレッスン運営が安定して機能してこそ、受講生の満足度と継続率が維持されるためです。
M&Aでは、買い手企業が既存の講師やスタッフを引き継ぐケースが一般的であり、レッスン提供体制や教室運営の継続が図られます。
語学指導や受講生対応には一定の経験とノウハウが求められるため、安定した講師体制は買い手からの評価ポイントとして扱われやすい領域です。結果として、経営者は講師の雇用環境を守りつつ、円滑に事業から退くことが可能になります。
経営者は売却益を得られる
M&Aによる企業売却は、経営者がこれまで運営してきた英会話教室の価値を、適切に資金化する手段です。得られた売却益は、引退後の生活資金や資産整理、次の事業への投資など、将来設計に活用できます。
後継者不在のまま閉校した場合は、教室の解約費用や原状回復費用が先行し、事業価値を十分に回収できないケースも少なくありません。M&Aであれば、教室運営を継続したまま、経営者自身の資産形成も同時に実現できます。
受講生の学習環境を維持できる
英会話教室は、継続的な学習を前提とした教育サービスです。突然の閉校は、受講生にとって学習の中断や教室の再選定といった負担を生じさせます。
一方で、M&Aを通じて事業が承継されれば、教室名や講師、レッスン方針を維持したまま運営が続くケースも多く、受講生はこれまでと近い環境で学習を継続できます。
さらに、買い手企業の運営ノウハウや管理体制が加わることで、教材整備や講師育成、予約管理の仕組みが改善され、学習環境の質が向上する可能性もあります。
このように、英会話教室のM&Aは、単なる撤退ではなく、「学習機会」と「教室運営基盤」を次につなぐための現実的な選択肢と言えるでしょう。
英会話教室を売却する際の3つのポイント
英会話教室のM&Aを成立させるためには、単に「受講生がいる」「黒字である」といった条件だけでは十分とは言えません。
買い手が重視するのは、レッスン提供の再現性、教室運営の安定性、そして契約・人材面のリスクが整理されているかどうかです。
・早期から売却を見据えて準備を進める
・運営の属人性を下げる
・売り手の立場で整理できる専門家を活用する
ここでは、英会話教室の売却を検討する際に、特に重要となる3つの実務的なポイントを解説します。
早期から売却を見据えて準備を進める
英会話教室の売却は、短期間で完結するものではありません。在籍者数や継続率の整理、講師体制の確認、教室の賃貸借契約の内容の把握など、事前に整えるべき項目が多く存在します。そのため、売却を検討し始めた段階から、段階的に準備を進めることが重要です。
特に英会話教室では、DDにおいて以下の点が重点的に確認されやすくなります。
・受講生数と月謝単価、継続率の推移
・講師の雇用形態・稼働状況・代替可能性
・教室の賃貸借契約条件(更新・解約・原状回復)
・オーナー退任後の運営体制の可否
これらが整理されていない場合、売却の途中で条件の修正や価格の調整が生じやすくなります。早い段階から数字と体制を可視化しておくことで、交渉を安定させやすくなります。
運営の属人性を下げる
英会話教室の評価を下げやすい要因の一つが、オーナー個人への依存度の高さです。集客の判断、講師管理、受講生対応をすべてオーナーが担っている場合、買い手から見ると引き継ぎ後の再現性が低い事業と判断されやすくなります。
属人性を抑えるためには、以下のような整理が有効です。
・レッスン運営や対応ルールの明文化
・講師への指導・運営ノウハウの共有
・責任者やサブリーダーの育成
・オーナー不在でも回る予約・運営体制の構築
運営が仕組み化されていれば、「誰が運営しても一定の品質が保たれる教室」として評価されやすくなり、買い手候補の選択肢も広がります。結果として、条件面での交渉余地も生まれやすくなります。
売り手の立場で整理できる専門家を活用する
英会話教室のM&Aでは、受講生契約、講師の雇用関係、教室の賃貸借契約といった論点が同時に絡みます。これらを十分に整理しないまま進めると、交渉が買い手主導になりやすく、売却条件が不利になるケースも少なくありません。
そのため、以下のような専門家の関与が重要になります。
・売り手側の立場で助言を行うM&Aアドバイザー(FA)
・教育・サービス業に理解のある税理士・弁護士
・引き継ぎ条件や関与期間を含めて設計できる専門家
売り手側FAを活用すれば、価格だけでなく、教室運営の引き継ぎ方や経営者の関与期間なども含めて交渉を進めることが可能です。感情的で場当たり的な判断を避ける意味でも、第三者の専門的視点は不可欠と言えるでしょう。
英会話教室での売却にかかる税金とは?
企業を売却する際には、売却益に対して税金が発生します。この税金の仕組みは、「個人オーナーが売却する場合」と「法人が株式を譲渡する場合」で異なるため、正しく理解しておくことが重要です。個人・法人別にわかりやすく解説します。
個人オーナーの場合
個人が自社株などの株式を譲渡し、譲渡益(売却益)が発生した場合、その利益は「譲渡所得」として扱われます。
課税の仕組み
譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)
この譲渡所得には、以下の税が課せられます。
・所得税(復興特別所得税含む)
・住民税
給与所得などとは分離して課税されるため、所得の合算は不要ですが、確定申告が必要です。ただし、ミニマムタックスに該当する場合は給与所得等の他の所得との合算して算出する必要があるため、適切に算出するためには、事前に税理士など専門家への相談が欠かせません。
法人の場合
法人が保有する株式を譲渡した場合、その売却益は法人の「益金(収益)」として扱われ、他の事業収益と合算されて法人税等が課税されます。
法人の場合の税務処理
・譲渡益は法人所得として計上され、通常の法人税率で課税
・譲渡損失が出た場合、他の所得と損益通算が可能
・所得と損失の調整により、柔軟な節税が可能
評価差額にも注意
帳簿価額と時価の差(含み益)がある場合、譲渡時に課税対象となる可能性があります。
まとめ
英会話教室は、月謝制による継続収益を基盤としながらも、講師確保や教室運営コスト、学習サービスの多様化といった要因により、経営環境の変化が大きい業態です。そのため、一定の運営基盤が整っている段階で、M&Aによる売却を検討することは、現実的な選択肢の一つと言えます。
売却を成功させるためには、早期から準備を進め、運営の属人性を下げ、売り手の立場で条件を整理できる専門家を活用することが重要です。価格だけでなく、講師や受講生の引き継ぎも含めた納得感のある売却を実現しやすくなります。
M&Aは、単なる撤退ではなく、これまで築いてきた教室運営や学習環境を次につなぐための手段です。自教室の状況を正しく把握したうえで、最適なタイミングと方法を検討することが、後悔のない売却につながるでしょう。
RISONALでは、売り手に特化したFAサービスを提供しています。専属のエージェントがお客様の希望に沿った取引を実現するため、最適なサポートを行います。より高い評価での売却を目指したアドバイスを受けられるだけでなく、余計な仲介手数料を抑えた成約も可能です。
英会話教室のM&Aでは、買い手目線で条件調整が進みやすい仲介型の支援の場合、価格や引き継ぎ条件が売り手に不利になるケースも少なくありません。そのため、誰の利益を最優先に交渉するのかを明確にした支援体制が重要です。
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