警備保障サービスのM&A相場はいくら?売却の手法やコツも解説!

2025.11.30

公開日:2025.11.30

2025.11.30

2025.11.30

更新日:2025.11.30

2025.11.30

警備保障サービスのM&A相場はいくら?売却の手法やコツも解説!

国内の警備保障サービス業界は、社会の安全意識の高まりに支えられ、市場規模そのものは堅調です。

一方で、現場要員の慢性的な不足、警備員の高齢化、IT化・機械警備への対応遅れなど、構造的な経営課題が顕在化しています。特に中小規模の警備会社では、後継者不在により事業継続が困難になるケースが増加しています。

こうした課題を解消し、事業の持続性と成長性を確保する手段として、M&Aが有効に機能しています。後継者問題の解決、創業者利益の獲得、大手企業の資本力・技術力の活用により、事業基盤を強化できる点が大きなメリットです。従業員の雇用を維持しつつ、待遇やキャリア機会の向上を実現できる点も評価されています。

本記事では、警備保障サービス業界におけるM&Aの相場決定要因、主要な売却スキーム、取引成功のポイントについて整理します。事業承継や売却を検討している経営者の判断材料として活用してください。

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警備保障サービス業界の現状

警備保障サービス業界は、社会全体の安全需要の高まりを背景に市場規模自体は堅調です。一方で、業界全体が構造的なボトルネックに直面している点が最大の特徴です。

まず、警備員の高齢化と人手不足が深刻化しています。現場要員の確保が難しく、サービス品質の維持が徐々に困難になっている状況です。人件費上昇は既定路線であり、中小企業にとっては収益性の確保が経営上の最優先課題となっています。

次に、IoT・AIの進展に伴う機械警備、遠隔監視といった新技術が急速に普及しています。人手不足を補完し、サービス効率化を実現するための鍵となるものの、多額の設備投資が必要です。資金力の乏しい企業は対応が遅れ、競争力の低下を招くリスクが高いといえます。

さらに、競合各社との価格競争も厳しく、サービスレベルを落とさずコストを抑える経営判断が求められます。

これらの環境変化に対応する現実的な手段として、M&Aが注目されています。資本力・技術力を持つ企業への統合による経営基盤の強化や、専門性・人材の確保を目的とした取引が増加しており、業界再編の中心的な手法となりつつあります。

警備保障サービス業界でM&Aを行うのはなぜ?売却の理由を紹介

警備保障サービス企業がM&Aによる売却を選ぶ主因は、後継者問題の解消と事業の安定継続です。業界全体でオーナーの高齢化が進む一方、親族・社内のいずれにも承継候補が不在というケースが多く、中小企業では廃業リスクが顕在化しています。第三者承継としてのM&Aは、企業を存続させる最も確実な選択肢となります。

また、深刻化する人手不足の中で、従業員の雇用を維持できる点も重要です。買い手企業は、即戦力となる警備員や管理スタッフを必要としており、雇用は原則引き継がれます。加えて、買い手の資本力に基づく福利厚生・教育制度により、従業員の待遇改善やキャリア形成も期待できます。

経営者にとっては、売却益による創業者利益の確保が大きな動機となります。引退後の生活資金や新たな投資原資が確保でき、個人保証の解消につながるケースも多いです。

このように、後継者不在・人手不足・資金制約といった複合課題を一度に解決できる点で、M&Aは警備業における実務的で現実的な経営戦略といえます。

警備保障サービス業界での企業売却方法は?3種類を紹介

警備保障サービス業界のM&Aにはいくつかの方法があり、主に以下の3種類となります。

・株式譲渡
・事業譲渡
・合併

それぞれに特徴や利点・注意点があることから、売却目的や事業の状況に合わせた最適な方法を選択することが重要です。

ここでは、3種類の方法について詳しく解説します。

株式譲渡とは?中小企業M&Aで最も選ばれる手法の仕組みと特徴

株式譲渡とは、企業の株主が保有する株式を他者に譲渡する手法であり、これにより経営権を移転することが可能になります。中小企業のM&Aでは多く採用されており、後継者不在や事業承継を目的としたケースで活用される傾向があります。

株式譲渡のメリット

株式譲渡では、売却対象となるのはあくまで「株式」です。会社そのものの法人格や契約関係、資産・負債はそのまま引き継がれることになります。
そのため、以下のようなメリットがあります。

・従業員や取引先との契約を維持したまま、スムーズな引き継ぎが可能
・許認可や契約の再取得が原則不要で、実務上の負担が少ない
・法人格が継続するため、営業活動を中断せずに承継できる

特に、現経営者が引退を検討している場合でも、事業を止めることなくバトンタッチが可能であり、後継者問題の有効な解決策となるといえます。ただし、契約上のチェンジ・オブ・コントロール(COC)条項による相手方同意や、業種許認可の変更届・再許可が必要となる場合があるため、事前確認は不可欠です。

株式譲渡の注意点・デメリット

その反面、株式と同時に過去の負債や簿外債務(帳簿に載っていないリスク)も引き継がれるため、買い手企業にとっては慎重な対応が求められます。

したがって、M&Aを進める際は、財務・法務・税務などのデューデリジェンス(詳細調査)を実施し、リスクを洗い出すことが不可欠となります。

会社分割とは?M&Aで活用される組織再編の手法と注意点

会社分割とは、企業が事業の一部を他の会社に移転することで、権利義務を承継させる法的な組織再編手続きです。M&Aでは、売却対象の事業を切り出し、スムーズに移転させる手段として利用されています。

会社分割の主な種類

会社分割には、以下のような分類があります。

・新設分割:新たに設立した会社に事業を承継させる
・吸収分割:既存の他社に事業を承継させる

さらに、分割により得る対価の受け取り先によっても分類されます。

・分割型分割:対価を分割元会社の株主が受け取る
・分社型分割:対価を分割元会社自身が受け取る

会社分割のメリットと特長

会社分割の大きな特徴は、契約・資産・負債などの権利義務をまとめて移転できることです。その結果、個別契約ごとの承継手続きを省略することができ、事業の引き継ぎが円滑に進むでしょう。

また、分割によって整理された事業を後に売却することで、M&Aの手続きも効率化されるでしょう。

税務上の注意点:適格分割と非適格分割の違い

会社分割には税務上の取り扱いに注意が必要です。

「適格分割」であれば譲渡益の課税は繰り延べされますが、M&A目的の場合は多くが「非適格分割」に該当します。

非適格分割では、資産が時価で評価され、譲渡益課税やみなし配当課税の対象となることから、税負担が生じます。

また、会社分割と株式譲渡をセットで実施する際は、タイミングによって課税リスクが高まることから、スキーム設計は専門家の助言を得て慎重に進めることが重要です。

事業譲渡とは?M&Aで活用される承継手法と税務上の注意点

事業譲渡は、企業が事業の一部または全部を、契約により他社へ売却するM&A手法です。

譲渡の対象となる資産・負債・契約関係を個別に指定して承継するのが特徴です。柔軟性が高いものの、手続きが複雑になりやすい側面もあります。

事業譲渡のメリット:簿外債務を回避しやすい

事業譲渡では、契約書に記載された内容のみが承継対象となることから、買い手企業にとっては、不要な債務やリスクを回避しやすくなるでしょう。

中でも、簿外債務の存在が懸念されるケースでは、株式譲渡ではなく事業譲渡を希望する買い手企業が多いといえます。

売り手側の税務上の扱い:事業譲渡益に課税

事業譲渡で得た対価のうち、譲渡対象資産・負債の簿価純額との差額は「事業譲渡益」となり、売り手側に法人税が課税されるでしょう。

また、事業譲渡には以下のような消費税の注意点も存在するのです。

・課税資産と非課税資産の両方を譲渡することから、資産ごとに区分し、課税・非課税を計算することが求められます。

事業譲渡のデメリット:承継手続きが煩雑

個別承継となるため、以下のような実務負担が大きい点がデメリットとなるでしょう。

・すべての契約(従業員との雇用契約を含む)を再締結することが必要です
・許認可や届出が一から取得し直しとなる場合がある

警備保障サービス業界の売却の流れは?3つのステップを紹介

警備保障サービス業界の売却の流れは?3つのステップを紹介

警備保障サービス業界でM&Aを進める場合は、大きく3つのステップに分けて進められます。。

1.M&Aの準備と助言会社の選定
2.買い手候補先企業との接触、意向表明受領
3.詳細調査(DD)、最終契約とクロージング

それぞれの段階で必要となる準備や手続きが異なるため、流れを把握しておくことが重要です。

Step1.M&Aの準備と助言会社の選定

まず行うべきは、M&Aに向けた準備と助言会社の選定です。初めに秘密保持契約を結び、必要な資料を開示します。

秘密保持契約は、自社の機密情報が第三者に漏れないようにするための取り決めです。その後、助言会社と売却戦略を策定し、候補企業を優先順位ごとにまとめたロングリスト(※1)を作成します。

加えて、ストラクチャー(※2)や全体のスケジュールも検討し、この段階でエージェント契約を締結します。

仲介とFA(フィナンシャル・アドバイザー)の違いを理解することも重要です。仲介は双方の利害を調整する立場で、手数料も両者から受け取ります。

一方FAは片方のみを支援し、依頼者の利益最大化を目指します。オーナーズ株式会社では売り手専属のFAサービスを提供し、利益重視の支援を行っています。

並行して、ティーザー(※3)やインフォメーション・パッケージ(※4)といった買い手向け資料も準備します。

※1 ロングリスト:一定の条件で絞り込んだ買い手候補先の企業をまとめたリスト。
※2 ストラクチャー:M&Aを実行するための手段や方法。
※3 ティーザー:匿名の企業概要書で、通常1枚から2枚で構成される資料。
※4 インフォメーション・パッケージ:買い手候補先企業がM&Aを検討する際の参考資料。対象会社(事業)の魅力を伝え、買い手候補先企業が企業価値評価を実施できることを目的に作成される。

Step2.買い手候補先企業との接触、意向表明受領

次の段階では、M&A助言会社がロングリストを基に買い手候補へアプローチし、最初にティーザーと呼ばれる匿名の概要資料を提示します。

その後、関心を示した企業には秘密保持契約を結んだうえで、詳細な情報をまとめたインフォメーション・パッケージを提供する流れです。

さらに、買収を検討する企業は、譲渡価格の水準や取引条件、今後の運営方針を明記した意向表明書を提出することになります。

売り手は複数の候補から条件を比較し、基本合意に進むかを判断します。ここで注意すべきは、次のデューデリジェンス(DD)に進むと、機密情報が相手に渡る点です。

そのため、受け入れる前に十分納得できる条件であるかを確認する必要があります。

一方で買い手側も専門家を起用し、多大なコストをかけるため、この時点で独占交渉権を求めることが一般的です。

このような手順を踏み、双方が守秘義務や独占交渉条件を取り決めたうえで、詳細調査に進むのが一般的と考えられます。

Step3.詳細調査(DD)、最終契約とクロージング

意向表明を受けて基本合意を交わした後は、デュー・デリジェンス(DD)と呼ばれる詳細調査に進みます。

DDでは、買い手が対象企業の財務状況や契約関係、人材体制などを徹底的に確認します。これは売り手と買い手の間に生じる情報の不均衡をできる限り解消するために実施されるものです。

調査結果は譲渡価格や契約条件に反映されるため、売り手にとっても重要な段階といえます。

さらに、発見されたリスクは契約条項に盛り込まれ、将来のトラブルを未然に防ぐ役割を果たします。

最終契約では、双方が合意した譲渡価格や条件を確定させ、クロージングと呼ばれる手続きで株式や事業の引き渡しを行います。

この流れを経て、代金の支払いと経営権の移転が完了し、M&A取引が正式に成立するのです。
[M&Aのプロセス]

警備保障サービス業界の売却の相場は?価値算定方法を解説

警備保障サービス業界のM&Aにおいて、売却価格を決定する上で企業価値や株式価値の算定は不可欠です。ここでは代表的な算定方法を紹介します。

1.企業価値を算定する

警備保障サービス業界のM&A実務において事業価値の算定には、大きく分けて2つの方法があります。

・インカムアプローチ
・マーケットアプローチ

インカムアプローチは、営業資産が生み出す将来キャッシュフローを評価の基礎とする方法です。代表的なディスカウント・キャッシュ・フロー(DCF)法では、将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて事業価値を試算します。

理論的に優れた方法ですが、将来キャッシュフローの見積もりや割引率の計算は難易度が高いです。そのため、専門家でなければ試算が難しく、初めての方には理解しにくい点が課題です。

本稿では「価値の概算を把握する」ことを目的にしていますので、インカムアプローチの詳細な説明は割愛します。

マーケットアプローチは、市場における取引価格を参考にして事業価値を算定する方法です。具体的には、以下の方法があります。

・類似会社比較法
・類似取引比較法

類似会社比較法は、評価する対象の企業の類似会社にあたる上場会社の企業価値と、営業利益や収益力(EBITDA)といった財務指標から算出された倍率(マルチプル)を評価対象会社に適用することで、事業価値を算出する方法です。

具体的には、以下のように算定します。

EBITDA×業界相場の倍率(EBITDAマルチプル)=企業価値
(EBITDAマルチプル=上場類似会社の企業価値/上場類似会社のEBITDA)

EBITDAは、営業利益に減価償却費を足して算出されるものです。

また、類似会社は、業界が同じ上場企業を選定するのはもちろんのことですが、ビジネスモデルや収益構造、顧客の層などの類似性から選定するパターンもあります。類似会社をどのように選ぶかによって、算定結果は大きく左右されます。

2.株式価値を算定する

企業価値を算出したら、株式価値を算出しましょう。株式価値は、以下のように算出します。

企業価値-有利子負債+現金同等物=株式価値

第三者に譲渡する場合に、どの程度の価値がつくかを把握しておくことは重要なため、理解しておきましょう。

なお、マーケットアプローチには、類似会社比較法のほか、類似するM&Aによる取引事例を用いた類似取引比較法という方法が存在します。

しかし、参照する過去の取引における対象会社が非上場である場合、入手可能な財務数値が限定的であるため、同方法が中小企業のM&Aで利用されることは少ないのが現状です。

M&Aにおける価値の算定については、下記で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
[うちの会社、結局いくらで売れるの?~事業オーナーの疑問に答えるコラム①~]

また、自社の具体的な株式価値を知りたい場合には、株価シミュレーターを用意していますので、以下で試算可能です。ぜひご活用ください。
[株価シミュレーター]

警備保障サービス業界で企業を売却する3つのメリット

警備保障サービス業界のM&Aには、売り手にとって大きな利点が多くあります。ここでは代表的なメリットとして、下記の3つを紹介します。

・従業員の雇用と待遇を維持できる
・経営者は売却益を獲得できる
・買い手企業の経営資源で事業を成長させられる

それぞれ詳しく解説します。

従業員の雇用と待遇を維持できる

企業を売却することで、従業員の雇用と待遇を維持できる点は大きなメリットです。警備業界では、人材確保と定着が最大の経営課題であり、廃業すれば従業員は職を失い、蓄積されたノウハウも消滅します。

一方、M&Aで事業を第三者に引き継ぐ場合、雇用契約は原則としてそのまま承継されます。買い手企業側も、即戦力となる警備スタッフや現場管理人材を必要としているため、雇用維持は合理的な判断です。

加えて、大手企業の傘下に入れば、福利厚生・研修制度・給与体系が整備されているケースが多く、従業員にとっては待遇改善やキャリア形成の機会が広がります。

結果として、従業員は安定した環境で働き続けられ、組織としての士気向上にも直結します。創業者にとっても、従業員とその家族への責任を果たす確実な手段となり得るでしょう。                                  

経営者は売却益を獲得できる

M&Aは、経営者がこれまで事業に投じてきた努力を金銭として回収できる有効な手段です。警備保障業は人件費や設備投資の負担が重く、短期で利益を引き出しにくい構造を持っています。しかし、安定した顧客基盤や地域に根ざした警備ノウハウといった無形資産は、市場で高く評価されやすいのが特徴です。

企業を売却すれば、経営者は創業者利益としてまとまった資金を確保できます。これは、引退後の生活資金や次の事業への投資原資として役立ち、将来の選択肢を広げることにつながります。

一方、後継者不在のまま廃業を選ぶと、清算作業や施設解体などで逆に資金流出が発生するリスクがあります。M&Aを選択すれば事業を存続させつつ、経営者の資産形成も同時に実現できるため、より合理的な選択肢といえるでしょう。

買い手企業の経営資源で事業を成長させられる

M&Aによって大手企業の経営資源を取り込めば、中小の警備会社では難しかった技術導入と事業拡大を一気に進められます。警備業界では、ドローン警備・AI監視カメラ・遠隔監視など、先端システムへの対応が必須になりつつありますが、これらの設備投資や研修体制を自社だけで整えるのは現実的に負担が大きいでしょう。

一方、買い手となる大手企業は、既に高度なシステム・営業ネットワーク・資金力を保有しています。傘下に入ることで、最新技術を自社の警備サービスへ即時に取り込むことができ、業務品質と効率の両方を高められます。

さらに、全国規模の顧客基盤を活用できるため、単独では進出が難しかった新市場への参入も可能です。結果として、事業の成長スピードを高めながら、市場での競争力を大幅に強化できる点が、M&Aの大きなメリットといえるでしょう。

警備保障サービス業界で企業を売却する際の4つのポイント

警備保障サービス業界のM&Aを成功させるには、資産形成や事業継続といった目的に応じた準備が欠かせません。ここでは売却を検討する際に意識すべき4つの重要な視点として、下記を紹介します。

・資産形成の手段となる
・事業継続と成長につながる
・早期からの準備が成功のカギ
・信頼できる専門家を活用する

それぞれ詳しくみていきましょう。

資産形成の手段となる

企業売却によって、これまで築いてきた事業の価値を現金化することができます。これにより、経営者は以下のような資金を確保できます。

・引退後の生活資金(リタイアメント資金)
・新たな事業への投資資金
・相続や資産承継の準備資金

特に後継者が不在の企業にとって、M&Aは事業を手放すだけでなく、経営者自身の将来を守る手段にもなります。

事業継続と成長につながる

M&Aによって新たな経営資源やネットワークを得ることで、これまで単独では難しかった市場展開や販路拡大が可能になります。
また、以下のようなケースも多く見られます。

・買い手企業が従業員の雇用を維持
・既存の取引先との関係も継続
・経営理念やノウハウの承継によって「企業文化」も残る

自社の理念や価値を次世代へつなぐことができるのは、単なる「売却」ではない、M&Aならではの魅力です。

早期からの準備が成功のカギ

企業売却は短期決断に不向きです。成功には1〜2年前からの準備が理想的です。
準備すべき主な項目は以下の通りです。

・財務諸表・経営数値の整理
・契約書・知財などの法務チェック
・組織体制や人事面の見直し
・潜在的なリスクの洗い出し

これらを整えることで、買い手からの信頼獲得や、企業価値の最大化にもつながります。

信頼できる専門家を活用する

M&Aは複雑かつ専門的な取引であり、経験の浅い経営者が単独で進めるのは大きなリスクを伴います。
そのため、以下のようなサポートをしてくれる専門家の活用が有効です。

・M&A支援業者(FA、仲介会社)
・税理士・公認会計士・弁護士
・専門知識を持つコンサルタント

支援業者次第では、初期費用を抑えながらM&Aを進めることも可能です。第三者の視点を取り入れることで、感情に左右されない冷静な判断ができるのも大きなメリットです。

警備保障サービス業界での企業売却にかかる税金とは?

企業を売却する際には、売却益に対して税金が発生します。 この税金の仕組みは、「個人オーナーが売却する場合」と「法人が株式を譲渡する場合」で異なるため、正しく理解しておくことが重要です。個人・法人別にわかりやすく解説します。

個人オーナーの場合

個人が自社株などの株式を譲渡し、譲渡益(売却益)が発生した場合、その利益は「譲渡所得」として扱われます。

◆ 課税の仕組み

譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)

この譲渡所得には、以下の税が課せられます。

・所得税(復興特別所得税含む)
・住民税

給与所得などとは分離して課税されるため、所得の合算は不要ですが、確定申告が必要です。
適切に節税するためには、事前に税理士など専門家への相談が欠かせません。

法人の場合

法人が保有する株式を譲渡した場合、その売却益は法人の「益金(収益)」として扱われ、他の事業収益と合算されて法人税等が課税されます。

◆ 法人の場合の税務処理

・譲渡益は法人所得として計上され、通常の法人税率で課税
・譲渡損失が出た場合、他の所得と損益通算が可能
・所得と損失の調整により、柔軟な節税が可能

◆ 評価差額にも注意

帳簿価額と時価の差(含み益)がある場合、譲渡時に課税対象となる可能性があります。

まとめ

警備保障サービス業界は安全需要の拡大で市場自体は堅調です。一方で、人手不足・高齢化・IT警備への転換といった構造課題が重く、特に中小企業では単独での対応が難しくなっています。

こうした状況で、M&Aは後継者問題の解決と創業者利益の確保を同時に実現できる現実的な選択肢です。

また、事業を買い手へ承継することで従業員の雇用は維持され、大手企業の資本力・技術力を活用したサービスレベルの向上や事業拡大にも繋がります。複雑化する経営課題を一括で整理し、次の成長ステージへ移行できる点がM&Aの最大のメリットといえるでしょう。

警備保障サービス業界のM&A事情は、下記の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
警備保障業界のM&A事情とは?業界動向や事例を解説!

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さらに、具体的な買収意向を持つ企業や、業界分析に基づき、事業との親和性が高い企業を候補としてご提案します。大手金融機関やM&A仲介会社、マッチングサービスとも連携しており、多様な買い手探索ルートを確保しています。

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この記事の著者

RISONAL 編集部(オーナーズ )

RISONAL編集部

売り手の理想のM&Aの実現に特化した専属M&Aエージェントサービスおよび事業オーナー向けの資産運用サービスを提供するオーナーズ株式会社

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