外食・農業・ブライダル業界で進むM&A動向|SRSHD・ベルグアース・ワイハウなど最新事例を解説

2025.10.29

公開日:2025.10.29

2025.10.29

2025.10.29

更新日:2025.10.29

2025.10.29

外食・農業・ブライダル業界で進むM&A動向|SRSHD・ベルグアース・ワイハウなど最新事例を解説

SRSホールディングス、串カツ田中ホールディングス、ベルグアース、THE WHY HOW DO COMPANYのM&A事例を取り上げながら、外食・農業・ブライダル業界における成長戦略型M&Aの動向をご紹介します。

SRSホールディングスがすし弁慶を買収(グルメ回転寿司業態の拡大)

対象会社(すし弁慶)の概要

すし弁慶(鳥取県米子市)は1979年設立の企業です。グルメ回転寿司業態「すし弁慶」「回転すし北海道」を鳥取・島根県にて6店舗展開しており、売上高は約18.7億円です。境港などから仕入れた鮮魚を「新鮮」「デカネタ」という創業時からのこだわりで提供しています。

買い手(SRSホールディングス)の概要

SRSホールディングス(東証プライム上場・大阪府大阪市)は「和食さと」「にぎり長次郎」などの外食チェーンを展開しています。持株会社として幅広い外食ブランドを傘下に持ち、安定的に事業を拡大しています。

M&Aの背景と狙い

2025年9月29日付で11.76億円を投じ、山本美沙緒社長から全株式を取得しました。SRSHDは「にぎり長次郎」「うまい鮨勘」といった既存回転寿司ブランドとのシナジーを見込んでいます。
地域ブランドの強みを取り込み、グルメ回転寿司業態の店舗網拡大を狙った成長戦略型M&Aです。

案件カード

取引スキーム株式譲渡
実行日2025年9月29日
取得金額11.76億円
対象会社情報すし弁慶(鳥取県米子市、1979年設立、売上高約18.7億円、回転寿司6店舗運営)
買い手企業情報SRSホールディングス(東証プライム上場、外食事業、「和食さと」「にぎり長次郎」等展開)
買い手の狙いグルメ回転寿司業態の店舗網拡大、既存ブランドとのシナジー

串カツ田中ホールディングスがピソラを買収(外食ブランドの多角化)

対象会社(ピソラ)の概要

ピソラ(滋賀県草津市)は2019年設立の企業です。イタリアンレストランチェーンを全国展開しており、売上高は約72.2億円です。直営47店舗・FC11店舗、従業員約3,000人を抱える急成長企業です。

買い手(串カツ田中ホールディングス)の概要

串カツ田中ホールディングス(東証グロース上場・東京都品川区)は、居酒屋「串カツ田中」を中心に外食事業を展開。出店戦略やブランド多角化に積極的で、業態拡大を進めています。\

M&Aの背景と狙い

2025年12月1日付で全株式(88.04億円)と新株予約権(6.96億円)を取得し、合計95億円を投じます。さらにピソラ創業陣による第三者割当増資30.7億円、串カツ田中HDの会長による出資10億円が加わります。

串カツ田中HDは、顧客層や価格帯、出店エリア・業態などの事業領域拡大によるグループ全体の企業価値向上を目指しています。

既存居酒屋業態に加え、イタリアン領域を取り込むことで、客層拡大と事業ポートフォリオの強化を狙う成長戦略型M&Aです。

案件カード

取引スキーム株式譲渡+新株予約権取得+第三者割当増資
実行予定日2025年12月1日
取得金額総額95億円(株式88.04億円、新株予約権6.96億円)
対象会社情報ピソラ(滋賀県草津市、2019年設立、売上高72.2億円、イタリアンレストラン58店舗運営)
買い手企業情報串カツ田中HD(東証グロース上場、外食事業、居酒屋「串カツ田中」展開)
買い手の狙い客層・事業領域の拡大、グループ全体の企業価値向上

ベルグアースがピーエスピーを買収(野菜苗ビジネス強化)

対象会社(ピーエスピー)の概要

ピーエスピー(山口県下関市)は1974年創業の企業です。野菜苗育成・販売を手掛けており、1988年にはオリジナル規格「PeSP苗」を発売しました。1999年には種子コーティング加工事業に参入し、花種子など加工が難しい分野にも対応する技術を有しています。

買い手(ベルグアース)の概要

ベルグアース(東証スタンダード上場・愛媛県大洲市)は、野菜苗の育成・販売を手掛ける大手企業です。トマトやナスなどの苗を中心に、国内有数の育苗技術と供給力を有しています。

M&Aの背景と狙い

2025年10月31日付で全株式を取得。グループとして野菜苗・苗関連事業をさらに発展させ、共同購買や経営資源の共有によるコスト適正化を進める狙いです。
特に種子加工や規格苗事業の技術を取り込むことで、ラインナップを拡充し、競争力強化を目指します。

案件カード

取引スキーム株式譲渡
実行予定日2025年10月31日
対象会社情報ピーエスピー(山口県下関市、1974年創業、野菜苗育成・販売)
買い手企業情報ベルグアース(東証スタンダード上場、愛媛県大洲市、野菜苗育成・販売)
買い手の狙い野菜苗・苗関連事業の強化、経営資源共有によるコスト適正化

THE WHY HOW DO COMPANYがスティルアンを買収(ブライダル領域拡充)

対象会社(スティルアン)の概要

スティルアン(静岡県浜松市)は2001年設立の企業です。ブライダル事業を展開し、売上高は約14.1億円です。不動産所有の施設を活用し、婚礼衣装・式場運営・レストラン・宴会を一体で提供できるモデルを確立しています。

買い手(THE WHY HOW DO COMPANY)の概要

THE WHY HOW DO COMPANY(東証スタンダード上場・東京都新宿区)は、ソリューション事業・エンタテインメント事業・飲食関連事業、教育関連事業等、多角的な事業を展開しています。子会社Pavilionsではウェディング関連事業を展開しており、音楽・知財資源を活用し、ウェディング体験の新しい形を模索しています。

M&Aの背景と狙い

2025年9月30日付でスティルアンの全株式を取得しました。ワイハウは小室哲哉氏の代表曲を含む数々のウェディングソング等の知的財産権を有しており、本件を通じ、既存ブライダル事業とスティルアンの施設運営力を組み合わせ、顧客満足度を高めるコンテンツ展開を狙っています。

案件カード

取引スキーム株式譲渡
実行日2025年9月30日
対象会社情報スティルアン(静岡県浜松市、2001年設立、売上高14.1億円、ブライダル事業)
買い手企業情報THE WHY HOW DO COMPANY(東証スタンダード上場、東京都新宿区、ソリューション事業・エンタテインメント事業等)
買い手の狙い知財×施設運営による新たなウェディング体験の創出

まとめ

今回の4事例は、いずれも 「成長戦略型」 M&Aに分類されます。

・外食業界はブランドポートフォリオの強化による市場拡大
・農業分野は共同購買や経営資源の共有によるコスト適正化
・ブライダル分野は知財とリアル施設を掛け合わせた新体験の創出

これらの事例はM&Aが「事業承継の解決策」であるだけでなく、成長戦略の選択肢にもなることを示しています。

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この記事の著者

RISONAL 編集部(オーナーズ )

RISONAL編集部

売り手の理想のM&Aの実現に特化した専属M&Aエージェントサービスおよび事業オーナー向けの資産運用サービスを提供するオーナーズ株式会社

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