オーナー経営者のためのM&A支援会社の選び方|自社にとってのおすすめを定義する
公開日:2025.09.23
2025.09.23
更新日:2025.09.23
2025.09.23

「M&A おすすめ」と検索すると、サービスや企業の比較記事が数多く表示されます。しかし、それらは一般的な基準に過ぎず、自社の業種・規模・承継目的を反映しているとは限りません。
M&Aの成否は、自社に合う支援会社を見極められるかに直結します。
本記事では、オーナー経営者が自社にとっての「おすすめ」を定義し、実務で評価するための基準を解説します。
M&A仲介会社とFAの構造理解
仲介会社のインセンティブ構造
仲介会社は売り手・買い手双方から報酬を得る「両手取引」が多く、利益相反のリスクを抱えます。
仲介会社は買い手からも手数料を収受するビジネスモデルであることから、売り手は仲介会社に手数料を払うことに同意した買い手しか紹介してもらえないリスクがあります。
FA(ファイナンシャル・アドバイザリー)の立場
FAは売り手または買い手のどちらか一方と契約し、利益相反を避ける設計が可能です。
売り手専属FAであれば、条件交渉・報酬体系・PMI支援も「売り手の利益最大化」に特化できます。
M&Aおすすめ会社の見極めポイント
M&Aのおすすめ会社を見極めるには、下記のポイントを意識する必要があります。
・立ち位置:仲介かFAか、または両方兼業かを確認。
・利益相反管理:仲介会社の場合、情報隔壁・評価制度が整っているか。
・撤退判断:成約至上主義ではなく、致命的リスク発見時に撤退できる文化があるか。
報酬設計を可視化する
M&A支援会社に依頼する際には、報酬設計の事前確認も欠かせません。
基準額の違い:
・株式価値基準(推奨):中小企業に適切。
・企業価値基準:有利子負債を含むため報酬が膨らみやすく、採用理由を要確認。
成功報酬トリガー:
・クロージング完了基準(推奨)。
・契約締結基準は破談時も報酬発生リスクがあり避けるべき。
最低報酬・実費:案件規模に比べ過大にならないか、請求項目が明確か、上限が設定されているかを確認。
上記を意識して報酬設計を可視化し、依頼する会社を判断しましょう。
M&Aおすすめ会社を評価する9の実務基準
M&Aのおすすめ会社を評価するには、下記の9つの基準が重要となります。
1.買い手探索力(買い手候補のネットワーク網と質)
2.入札プロセス設計力(買い手間の競争環境構築)
3.スキーム提案力(株式譲渡以外のスキーム提案)
4.デューデリジェンスサポート体制(専門家の紹介、QA対応等)
5.情報管理体制(NDA、買い手打診前の売り手への確認)
6.担当者の経験(経験年数、成約実績、業界知見)
7.報酬体系と担当者インセンティブ設計の関係
8.撤退判断基準(DD重大リスク発見時対応、契約条項)
9.譲渡後のサポート体制(資産運用・相続対策)
価格条件だけでなく非価格条件も重視する
「高値売却=成功」とは限りません。雇用維持・屋号存続・地域拠点保持といった非価格条件を契約条項に落とし込むことが承継の意義を守ります。売り手にとって、仲介会社やFAの非価格条件に関する相手方への交渉対応方針を事前に確認することが有効です。
社内承継という“第三の選択肢”
外部売却だけが解ではなく、社内承継も選択肢です。経営は役職員に承継し、株式等の財産権の承継については必要に応じて第三者資本を組み合わせることで、文化維持と成長資金確保を両立できます。
実際の選定の進め方:比較表を武器にする
実際にM&A支援会社を選ぶ際は、まず候補を3〜5社に絞り込み、自社の条件を横並びで比較できる比較表を作成することが有効です。
項目例は以下の通りです:
・立ち位置(仲介/売り手FA/買い手FA)
・報酬体系(株式価値基準か企業価値基準か、成功報酬トリガーは何か)
・最低報酬と実費精算の条件(案件規模対比の過大でないか、専門家費用等負担の範囲)
・担当者の実績(過去案件数・業種フィット感)
・撤退判断の事例(実際に中止を進言した経験の有無)
・譲渡後のフォロー体制(譲渡代金の資産運用・相続対策アドバイス)
この比較表を使えば、単なる「おすすめランキング」に頼らず、自社に最適な支援会社の相対評価が可能になります。
さらに、候補ごとに面談を実施し、「不成約事例について不成約に至った理由・要因の説明をお願いできますか?」と質問するのも有効です。成功事例だけを並べる会社より、不成約要因や改善策を具体的に語れる会社の方が、現場でのリスク対応力に優れているケースが多いのです。
最後に、支援会社を選定した後も「契約期間と期間満了時の更新条件」「途中解約条件」「解除・解約後の報酬発生条件」を必ず支援会社との契約文書の中で確認してください。これらを曖昧にしたまま契約すると、案件が停滞した場合に解除・解約が困難になったり、解除・解約後に他社の支援で案件が成約した場合にも、当初の支援会社から高額な費用を請求されるリスクがあるためです。
よくある失敗と回避策
M&Aのおすすめ会社を確認するうえで、よくある失敗を下記にまとめました。回避法も記載しているため、ぜひ参考にしてください。
・ランキング記事を鵜呑みに → 自社要件に基づき比較表を作成。
・手数料の安さで決定 → DDサポート体制や交渉力低下リスク。
・非価格条件が曖昧 → PMI摩擦による価値毀損。
・独占期間が長すぎる → 停滞リスク、短期設定+延長条件で統制。
まとめ:自社にとっての「おすすめ」を定義する
M&A支援会社を「おすすめランキング」で選ぶのではなく、特に影響の大きい下記の4軸で評価することが重要です。
・ビシネス構造(仲介かFAか)
・報酬体系の合理性・透明性
・担当者の経験・実績
・サポート体制(DDサポート・譲渡後フォロー体制)
オーナーズ株式会社では、売り手専属FAとして余計な仲介手数料を排し、買い手探索・条件交渉・譲渡後のフォローまで一貫してサポートします。まずは無料相談で、自社に最適な承継・M&Aの形を一緒に検討してください。
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