隣接領域へ踏み込む成長戦略型M&A モビリティ新規参入と公共向けソリューション拡張

2026.02.19

公開日:2026.02.19

2026.02.19

2026.02.19

更新日:2026.02.19

2026.02.19

隣接領域へ踏み込む成長戦略型M&A モビリティ新規参入と公共向けソリューション拡張

本記事では、2026年1月第4週(1月20日〜1月22日公表分中心)に公表されたM&Aの中から、北紡、Vリムジン、広島電鉄、A&C、東陽テクニカ、ソニックガードの3件を取り上げます。観光・モビリティ強化と公共DXを軸に、北紡、広島電鉄、東陽テクニカのM&A3件を背景・狙いまで整理して解説します。

北紡がVリムジンを子会社化(株式交付+現金対価でモビリティ新規参入)

対象会社の概要

Vリムジン(東京都中央区)は2021年設立の一般乗用旅客自動車運送事業者です。空港送迎、法人向け送迎、観光送迎など予約制の付加価値型サービス需要に対応する体制を構築しています。従業員は69名です。

買い手企業の概要

北紡(石川県白山市、東証スタンダード)は、紡績・テキスタイルに加えヘルスケア、リサイクル領域も展開する上場企業です。

M&Aの背景と狙い

北紡はグループの新規事業として、ハイヤー中心のモビリティ関連事業を開始します。Vリムジンの運行管理ノウハウや事業基盤を活用し、法人・空港・観光送迎の需要を取り込みにいく構図です。資金面では株式交付を主体にしつつ、一部を現金対価とする設計で成長投資余力の確保も意識しています。

案件カード

取引スキーム株式交付(簡易株式交付)+現金対価による株式取得
実行予定日株式交付の効力発生日 2026年3月3日(予定)
取得金額現金対価 4,950万円(株式交付分は北紡株式交付のため金額換算は明示されていません)
対象会社情報Vリムジン(東京都)
事業内容:ハイヤー/タクシー・送迎
買い手企業情報北紡(石川県)
事業内容:紡績・ヘルスケア・リサイクル等
買い手の狙い法人・空港・観光送迎の付加価値領域へ参入し、新収益源を構築

広島電鉄がA&Cを買収(交通×観光で宿泊・飲食を取り込み)

対象会社の概要

A&C(広島県廿日市市)は1976年設立で、宿泊、飲食、建設を展開します。宮島口・宮浜エリアに立地する宿泊施設や地域密着の飲食店舗等を運営し、売上高は約24億円規模です。

買い手企業の概要

広島電鉄(広島県広島市、東証スタンダード)は鉄・軌道、バス、不動産を主要事業とする交通事業者です。

M&Aの背景と狙い

広島電鉄はグループの交通・観光事業と、A&Cの宿泊・飲食事業の連携を強化します。相互送客の促進と事業領域拡大を狙い、観光地周辺のサービス提供力を面で押さえにいく動きです。

案件カード

取引スキーム株式譲渡(個人株主3名から全株式取得)
実行日契約締結:2026年1月19日
株式取得実行:2026年2月2日(予定)
取得金額非公開
対象会社情報A&C(広島県)
事業内容:宿泊・飲食・建設
買い手企業情報広島電鉄(広島県)
事業内容:交通・観光/不動産
買い手の狙い観光導線上の宿泊・飲食を取り込み、送客および収益機会を拡大

東陽テクニカがソニックガードを買収(公共向け監視・記録で情報通信/セキュリティを拡張)

対象会社の概要

ソニックガード(神奈川県横浜市)は官公庁・自治体向けに遠隔監視システム、録音・録画装置等を提供する電子装置メーカーです。売上高は約10.7億円規模とされています。

買い手企業の概要

東陽テクニカ(東証プライム、情報通信/情報セキュリティを含む複数領域でソリューションを展開)は、情報通信・情報セキュリティ分野での新たなソリューション創出と事業拡大を掲げています。
M&Aの背景と狙い
行政領域では監視・記録の高度化、遠隔化のニーズが底堅い一方、現場仕様への対応力が競争力になります。東陽テクニカはソニックガードを取り込み、公共分野での提案レンジを広げ、情報通信/セキュリティのソリューション開発を加速させる狙いです。

案件カード

取引スキーム株式譲渡(全株式取得)
実行日2026年1月28日
取得金額7億7,000万円
(報道・業界媒体ベース。東陽テクニカのニュースリリース本文には金額記載なし)
対象会社情報ソニックガード(神奈川県)
事業内容:公共向け監視・記録/遠隔監視
買い手企業情報東陽テクニカ(東京都)
事業内容:計測・ICTソリューション/情報セキュリティ
買い手の狙い公共分野の監視・記録ニーズを取り込み、情報通信/情報セキュリティ分野における提案力を拡張

まとめ

今週の3件は、いずれも「既存事業の延長線上で顧客接点と提供価値を厚くする」色合いが濃い構成です。交通事業者は、移動そのものから一歩踏み込み、宿泊・飲食など滞在消費を取り込むことで収益機会を増やすものとみられています。

異業種企業は、株式交付も用いながら、運行ノウハウを持つ事業者を取り込み、モビリティ領域へ時間を買って参入する狙いです。ICT領域では、公共向けの監視・記録といった現場密着型プロダクトを内製化し、提案の主導権を取りにいく戦略とみられます。

オーナーズ株式会社では、売り手に特化したFAサービスを展開しています。専属のエージェントがお客様の理想の取引実現に向けて、お客様のご希望に即したサービスをとことん提供いたします。よりよい評価額での売却に向けたアドバイスを受けられるだけでなく、余計な仲介手数料を削減した案件成約も実現可能です。

また、具体的な買いニーズを持っている企業のほか、業界・買い手企業分析に基づき事業親和性の高い企業を買い手候補としてご提案します。大手金融機関や大手M&A仲介、M&Aマッチングサービスとも連携しているため、買い手探索のルートが豊富です。

まずは一度、弊社の無料相談サービスをご利用ください。

この記事の著者

大谷佑真(大谷 佑真)

otani0628kn

まずは無料で
ご相談ください

お電話でのお問い合わせ

03-6831-9322

(平日9:00〜18:00