焼肉業界のM&A事情とは?業界動向や事例を解説!

2025.07.31

公開日:2025.07.31

2025.07.31

2025.07.31

更新日:2025.07.31

2025.07.31

焼肉業界のM&A事情とは?業界動向や事例を解説!

焼肉業界では現在、個人経営の店舗から大手チェーンまで幅広い事業者がひしめく中、業界再編の動きが本格化しており、M&Aが注目を集めています。原材料価格の高騰や深刻な人手不足といった構造的な課題に直面する中、安定的な経営体制の構築や将来的な事業成長を見据え、M&Aを活用する企業が増加しています。

では、具体的に焼肉業界のM&A事情はどうなっているのでしょうか。本記事では、焼肉業界におけるM&Aの最新動向を解説するとともに、M&Aのメリットや実際の売却事例も紹介します。焼肉業態での事業承継や売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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また、具体的な買いニーズを持っている企業のほか、業界・買い手企業分析に基づき事業親和性の高い企業を買い手候補としてご提案します。大手金融機関や大手M&A仲介、M&Aマッチングサービスとも連携しているため、買い手探索のルートが豊富です。

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焼肉業界の動向

焼肉業界の動向

経済産業省「経済構造実態調査」によると、焼肉業界の2024年の売上高は1兆106億円ほどとなっています。新型コロナウイルスの影響で2020年、2021年に減少しているものの、他の年では常に前年を超える売上高となっています。

焼肉業界の市場規模推移

参照:経済産業省「経済構造実態調査

近年は「一人焼肉」や「テーブルオーダーバイキング」といった新たな業態の拡大が需要の回復を後押ししており、外食全体の中でも堅調な推移を見せている業種のひとつです。

焼肉店は、フルサービス型の外食業態でありながら調理工程が比較的シンプルであるため、人件費率が抑えられるという特性があります。

一方で、食材の加工度が低く、肉そのものの品質が顧客満足に直結するため、食材原価率は高くなる傾向があります。この構造上の特性により、チェーン企業は食材の一括仕入れやセントラルキッチンの活用によるスケールメリットを享受しやすく、コスト競争力の源泉となっています。

業界構造に目を向けると、個人経営の単独店舗が多数を占める一方で、売上高の大半はチェーン展開する企業によって生み出されており、事業規模における二極化が進行しています。また、2000年代以降のBSE問題や食中毒事件、さらには新型コロナウイルス感染拡大など、外部環境の影響を受けやすい業態であることも特徴で、需要の変動リスクは他の外食業種と比べて大きいといえるでしょう。

こうした中で、消費者の焼肉に対する支出は回復基調にあります。総務省「家計調査」によれば、1世帯あたりの年間外食・焼肉支出額は、コロナ禍で大きく落ち込んだ2020年度の5,175円を底に回復に転じ、2023年度には6,918円と、コロナ前の2019年度(6,415円)を上回る水準に達しました。

さらに、近年では「一人焼肉」や「テーブルオーダーバイキング」など新たな業態の登場が需要回復を後押ししており、焼肉業界は外食全体の中でも堅調な成長を見せる注目業種となっています。

焼肉業界のM&A動向

焼肉業界のM&A動向

焼肉業界では、過去20年にわたり大手外食企業によるM&Aが断続的に行われており、成長戦略や事業ポートフォリオの最適化を目的としたチェーンの統合・買収が進展しています。特に、多業態展開を推進する大手外食グループにおいては、焼肉業態の強化を視野に入れたM&Aの動きが顕著です。

たとえば、レインズインターナショナル(牛角など)を傘下に持つコロワイドは、2000年代以降、「がんこ炎」や「ステーキ宮」などを買収し、焼肉・ステーキ領域での業態拡充を図ってきました。また、「安楽亭」は2020年に「アークミール」を傘下に収め、ステーキ業態とのシナジー創出と経営基盤の強化を進めています。

さらに、「あみやき亭」によるスエヒロレストランシステムやアクトグループの買収も、業界再編の一端を担う動きといえるでしょう。

これらの動きの背景には、郊外立地を中心とした出店戦略の展開に加え、加工拠点やセントラルキッチンを活用した原価・人件費の最適化など、チェーン運営による経営効率化のメリットがあります。加えて、BSEや食中毒といった業態特有のリスクに対する管理体制の整備には、一定の資本力が求められることから、大手企業による垂直統合的な対応が進んでいる点も見逃せません。

一方で、焼肉業態は依然として個人店や中小規模チェーンが多くを占めており、市場全体としては未だ再編余地が大きい状況にあります。とりわけ、新型コロナウイルスの影響により企業間の財務体質の差が顕在化したことを受け、今後も資本力を有する外食大手によるM&Aが加速する可能性が高まっています。

焼肉業界のM&Aの流れ

焼肉業界のM&Aの流れ

焼肉業界におけるM&Aの流れは、大きく分けて下記の3つのステップから構成されます。

1.M&Aの事前準備、助言会社の選定
2.買い手候補先企業との接触、意向表明受領
3.詳細調査(DD)、最終契約締結・クロージング

それぞれ詳しくみていきましょう。

Step1.M&Aの事前準備、助言会社の選定

まず、M&Aの事前準備とM&A助言会社を選定します。

事前準備として、M&A助言会社と秘密保持契約を締結し、初期的な資料を開示します。秘密保持契約とは、自社の秘密情報を他社に開示する場合に、その情報を秘密に保持することを締結する契約です。

その上で、売却戦略をM&A助言会社と策定し、買い手候補先企業を優先順位ごとに並べたロングリスト(※1)を作成します。

譲渡の目的を満たすストラクチャー(※2)の検討や、譲渡完了に至るまでの全体のスケジュールについても事前準備の段階で検討します。

また、この段階でM&A助言会社とエージェント契約を締結します。

M&A助言会社を選定する際に注意しておきたいのが、仲介とFA(フィナンシャル・アドバイザー)の違いです。

仲介とは、いわゆるマッチングサービスのことで、売り手と買い手の双方とそれぞれ仲介契約を締結します。M&Aの当事者双方から依頼を受けているため、いずれか一方の利益のみを優先的に取り扱うことはできず、双方の意向を一元的に把握し、双方の共通の目的であるM&Aの成立を目指し、助言や調整を行います。また、手数料は売り手と買い手の双方から受領します。

それに対してFAとは、M&Aを実行するためのアドバイスを提供するサービスのことで、M&Aの当事者一方のみから依頼を受けます。M&Aの相手方(買い手候補先企業を含む。)に対して、依頼者に対して提供するのと同様の業務を提供することはありません。M&Aの当事者一方のみから依頼を受けているため、依頼者の意向を踏まえて、依頼者にとって有利な条件でのM&Aの成立を目指し、助言や調整を行います。

弊社では、売り手のみと契約を締結してM&Aを支援する専属エージェントサービス(売り手特化型FAサービス)を提供しており、手数料は依頼者である売り手のみから受領し、売り手の利益を最大化することを目指します。

また、譲渡戦略の策定と並行して、買い手候補先企業へ開示する資料準備も進めます。M&Aプロセスの初期に買い手候補先企業に対して開示する資料には、匿名の企業概要書(ティーザー(※3))、インフォメーション・パッケージ(※4)があります。

※1 ロングリスト:一定の条件で絞り込んだ買い手候補先の企業をまとめたリストのこと。
※2 ストラクチャー:M&Aを実行するための手段や方法のこと。
※3 ティーザー:匿名の企業概要書で、通常1枚から2枚で構成される資料のこと。
※4 インフォメーション・パッケージ:買い手候補先企業がM&Aを検討する際の参考資料。対象会社(事業)の魅力を伝え、買い手候補先企業が企業価値評価を実施できることを目的に作成される。

Step2.買い手候補先企業との接触、意向表明受領

次に、買い手候補先企業と接触します。

ロングリストに基づき、M&A助言会社が買い手候補先企業と接触し、ティーザーを開示します。その上で関心を示す相手に対して、秘密保持契約を締結した上でインフォメーション・パッケージを開示します。

対象会社(事業)の譲受を希望する買い手候補先企業は、売り手に対して意向表明書を提出します。意向表明書には、譲渡価格の水準や取引の前提条件、取引後の対象会社の運用方針などが記載されます。売り手はこれを検討・比較し、受け入れ(基本合意)可能かを判断します。

売り手においては、後述する詳細調査(デュー・デリジェンス:DD)のプロセスにおいて、対象会社の秘密情報が買い手候補先企業に開示されることになるため、DDを受け入れる前に納得感の得られる取引条件であることを確認することが非常に重要です。買い手候補先企業においても、DDにおける専門家起用の費用負担や多大な労力が生じるため、この段階で独占交渉権を求めることが一般的です。

そのため、基本合意を締結し、守秘義務や独占交渉権などを取り決めた上で、次のステップに進むことになります。

Step3.詳細調査(DD)、最終契約締結・クロージング

意向表明書を受理して基本合意書の締結をしたら、デュー・デリジェンス(DD)と呼ばれる詳細調査と最終契約締結・クロージングです。

M&Aにおいては、売り手と買い手との間に、情報の非対称性が必然的に生じます。この非対称性をできるだけ解消するために、買い手が実施する対象企業への調査がDDです。

買い手にとってDDには、以下のような目的があります。

・自社のM&A戦略に合致した事業かどうか詳細まで検討する
・定量化可能なDDの発見事項を、譲渡価格へ反映する
・定量化できないDDの発見事項を、最終契約書の条件へ反映し、リスクを遮断する
・M&Aの目的を達成するためのストラクチャーを検討する
・M&A実行後に必要な対応を明確化し、統合計画に反映させる

その後、最終契約締結に移ります。譲渡価格や契約条件を交渉し、双方が納得のいく形で契約を締結します。そしてM&A取引が実行され、対象の株式・事業の引き渡しをし、譲渡代金を支払って経営権の移転が完了します。

譲渡企業オーナーの譲渡を想定したより詳細なM&Aのプロセスは、以下の記事で解説していますので、ぜひご活用ください。
[M&Aのプロセス]

焼肉業界のM&Aのメリット

焼肉業界のM&Aのメリット

焼肉業界でM&Aを実施するメリットとして、以下の3つが挙げられます。

・事業を継続でき、従業員の雇用を守れる
・信頼できる肉の仕入れルートを引き継げる
・個人保証を解除できる

それぞれ詳しくみていきましょう。

焼肉業界のM&Aのメリット①:事業を継続でき、従業員の雇用を守れる

第三者への事業承継を選択せずに廃業を選択した場合は、従業員は職を失うことになり、新しい職を探す必要があります。また、経営者としては、従業員のために新しい職を見つけてあげるなどの対応をするケースも考えられます。

一方で、M&Aの実施により、従業員の雇用を継続でき、経営者は従業員に対する責任を果たせるでしょう。

焼肉業界のM&Aのメリット②:信頼できる肉の仕入れルートを引き継げる

焼肉業界では、提供メニューの中心を肉類、特に牛肉が占めており、その調達価格と品質は収益性に直結する重要な要素です。こうした業態特性から、信頼性の高い食肉の仕入れルートを確保・継承できることは、他の外食業態に比べM&Aの大きな魅力となっています。

焼肉店は原価率が高いため、安定的な調達と品質維持の両立が経営の成否を左右します。また、食肉業界は取引先との信頼関係を重視する傾向が強く、仕入先との長期的な関係性が構築されているケースが多いため、M&Aを通じてそのネットワークを引き継げるかどうかは、買収後の事業継続性において極めて重要なポイントとなります。

このような背景から、M&Aによって既存の仕入れ体制を維持・活用できることは、安定した食材供給体制の構築につながり、営業上のリスク軽減に寄与します。さらに、買収側の企業にとっては、仕入量の拡大によるスケールメリットを通じてコスト削減の余地が生まれるなど、経済合理性の観点からも大きなメリットが期待されます。

焼肉業界のM&Aのメリット③:個人保証を解除できる

中小企業においては、金融機関から借入れをする際に経営者個人が個人保証を行うケースが一般的です。経営者保証のガイドラインが策定されたものの、いまだに解消されていないのが現状です。

M&Aを行うと、売り手の借入れ返済義務を買い手が引き継ぐ形となるため、金融機関に対して買い手と協力して、売り手である経営者の個人保証を解除する手続きを行います。

焼肉業界のM&Aの相場

焼肉業界のM&Aの相場

焼肉業界の相場は、一概にいくらと明言できません。その企業の売上やブランド力、立地などさまざまな要素から判断されます。

これまでM&A仲介会社では年買法といわれる簡便的な株式評価手法を用いて評価を実施することが一般的でした。これは純資産に営業利益の数年分を加算する簡単な計算方法であり、理解が容易な一方、実績ベースの評価で、加算される営業利益の年数も業界ごとに固定的なものとなります。

その結果、成長性のある事業ほど低く株式価値が算定されてしまうリスクがあります。正しく買い手の株式価値評価手法を理解することは、売り手オーナーが自身の利益を守るために重要です。

焼肉業界のM&A実務において事業価値の算定には、大きく分けて2つの方法があります。

・インカムアプローチ
・マーケットアプローチ

インカムアプローチは、営業資産が生み出す将来キャッシュフローを評価の基礎とする方法です。代表的なディスカウント・キャッシュ・フロー(DCF)法では、将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて事業価値を試算します。

理論的に優れた方法ではあるものの、将来キャッシュフローの見積もりや割引率の計算は非常に難易度が高く、経験を積んだ専門家でないと試算が困難で、初見では理解しづらいのが大きな欠点でしょう。

本稿では「価値の概算を簡単に知る」ことを目的にしていますので、インカムアプローチの詳細な説明は割愛します。

マーケットアプローチは、市場における取引価格を参考にして事業価値を算定する方法です。具体的には、以下のような方法が存在します。

・類似会社比較法
・類似取引比較法

類似会社比較法は、評価する対象の企業の類似会社にあたる上場会社の企業価値と、営業利益や収益力(EBITDA)といった財務指標から算出された倍率(マルチプル)を評価対象会社に適用することで、事業価値を算出する方法です。

具体的には、以下のように算定します。

EBITDA×業界相場の倍率(EBITDAマルチプル)=企業価値
(EBITDAマルチプル=上場類似会社の企業価値/上場類似会社のEBITDA)

EBITDAは、営業利益に減価償却費を足して算出されるものです。

また、類似会社は、業界が同じ上場企業を選定するのはもちろんのことですが、ビジネスモデルや収益構造、顧客の層などの類似性から選定するパターンもあります。類似会社をどのように選ぶかで算定結果は大きく依存します。

企業価値を算出したら、株式価値を算出しましょう。株式価値は、以下のように算出します。

企業価値-有利子負債+現金同等物=株式価値

第三者に譲渡する場合に、どの程度の価値がつくかを把握しておくことは重要なため、理解しておきましょう。

なお、マーケットアプローチには、類似会社比較法のほか、類似するM&Aによる取引事例を用いた類似取引比較法という方法が存在します。

しかし、参照する過去の取引における対象会社が非上場である場合、入手可能な財務数値が限定的であるため、同方法が中小企業のM&Aで利用されることは少ないのが現状です。

M&Aにおける価値の算定については、下記で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
[うちの会社、結局いくらで売れるの?~事業オーナーの疑問に答えるコラム①~]

また、自社の具体的な株式価値を知りたい場合には、株価シミュレーターを用意していますので、以下で試算可能です。ぜひご活用ください。
[株価シミュレーター]

焼肉業界のM&Aのポイント

焼肉業界のM&Aのポイント

焼肉業界でM&Aを実施する際に押さえておきたいポイントとして、下記の3つが挙げられます。

・適切なM&A助言会社を選定する
・自社の正当な収益力・財務状況を把握する
・店舗運営や衛生管理のノウハウを適切に引き継ぐ

それぞれ詳しく解説します。

焼肉業界のM&Aのポイント①:適切なM&A助言会社を選定する

M&A助言会社に求められる能力は、法務・会計・税務・ファイナンスに精通していること、誠実であること、顧客の立場に寄り添って助言を提供できる立ち位置であること、M&Aの売り手・買い手の双方の行動原理を理解しそれを交渉に活かせること、と多岐に渡ります。

真に顧客に寄り添える立場であるか、また、上記を見極めるためにも売り手・買い手の双方から報酬を受領する仲介会社ではなく、売り手と同じ船に乗り事業オーナーに対し助言する会社(FA)であるかを選定することが重要です。また、その会社に在籍するアドバイザーの知識や経験、ノウハウなどを含むFAサービスの品質が重要です。

焼肉業界のM&Aのポイント②:自社の正当な収益力・財務状況を把握する

売り手にとって、自社をよい条件で売却するために必要なのは、自社の正当な収益力・財務状況の把握です。

税務対策やオーナーの個人的な経費を費用計上している中小企業は数多くあるため、具体的な買い手候補にアプローチする前に、自社の実質的な収益力や、貸借対照表においても現金化可能資産や非事業用資産を確認し、実質的な自社の財務状況の把握が必要です。

焼肉業界のM&Aのポイント③:店舗運営や衛生管理のノウハウを適切に引き継ぐ

焼肉業態では、他の外食業態と比べても「衛生管理」や「接客フロー」、「食肉の取扱い手順」といった店舗オペレーションの質が、ブランドの信頼性や顧客満足度に直結する重要な要素となります。

特に食中毒や異物混入といったリスクの影響が大きいため、現場オペレーションに関する実務ノウハウや標準化されたマニュアルの有無は、M&Aにおける買収先からの評価において重要な判断材料のひとつです。

M&A後のスムーズな事業移行を実現するためには、現場スタッフや店長層がこれまでと同様の水準で店舗運営を継続できる体制を整えることが不可欠です。

そのため、買収前後の段階でマニュアル整備状況や研修制度の確認を行い、必要に応じて引き継ぎ期間を設けるなど、店舗オペレーションに関する「無形資産」の移管準備を計画的に進める必要があります。

焼肉業界のM&A売却事例

焼肉業界のM&A売却事例

ここでは、焼肉業界で実施されたM&Aの売却事例を紹介します。本記事では、下記の3つの事例を紹介します。

・コロワイド×レインズインターナショナル
・安楽亭×アークミール
・あみやき亭×スエヒロレストランシステム

実際の取引を参考にして、自社の売却のために役立ててください。

焼肉業界のM&A売却事例①:ベルーナ×新和

ベルーナは、2024年9月6日付で新和を買収し、全株式を取得しました。

ベルーナは、全額出資子会社のエルドラドを通じて、飲食事業およびゴルフ場運営を展開しています。今後は共同仕入れによる収益性の向上、オペレーションノウハウの共有や人材交流を通じて、サービスレベルの向上を図りながら、飲食事業のさらなる拡大を目指します。

新和は、2015年に設立され、熟成和牛の焼肉店「エイジング・ビーフ」やステーキ店、ハンバーグ・牛タンに特化した定食専門店など、計16店舗を展開しています。買収後、社名は「エイジング・ビーフ」に変更されました。

本件M&Aによって、ベルーナは事業拡大を図っています。また、エルドラドが運営する銀座のステーキとの共同仕入れによる収益性の向上、オペレーティングノウハウの共有や人材交流を行うことでサービスレベルの向上などシナジー効果にも期待できます。

焼肉業界のM&A売却事例②:オールウェイズ×ショウエイ

オールウェイズは、2024年7月12日付でショウエイを買収し、全株式を取得しました。

オールウェイズは、ホットランドの全額出資子会社であり、「銀だこハイボール酒場」を中心とした飲食事業を展開しています。これまでに培った酒場事業のノウハウや経営資源を活かし、さらなる事業拡大を図っています。

ショウエイは1998年に設立され、「昇家」5店舗、「李昇 本館」、「ホルモンショウヤ」の計7店舗の焼肉店を運営しており、年間売上高は11億4,100万円にのぼります。

本件M&Aによって、オールウェイズは酒場事業で培ったノウハウや経営資源を、同じく酒場事業を展開している「昇家」と融合し、事業拡大を目指しています。また、ショウエイは今後、オールウェイズとの融合により、酒場業態としてのシナジーを強化し、成長を加速させていく方針です。

焼肉業界のM&A売却事例③:GYRO HOLDINGS×OYA

GYRO HOLDINGSは、2023年10月19日付でOYAを買収し、株式を取得しました。

GYRO HOLDINGSは、香港の資産運用会社PAGの投資先であり、焼肉店、居酒屋、寿司店など約90のブランドを展開する外食企業です。食材の安定供給やコスト削減、品質維持を通じて、事業基盤のさらなる強化を図っています。

OYAは、上質な黒毛和牛をカジュアルに楽しめる焼肉店「ビーフキッチン」を運営しており、高品質な焼肉業態を展開している企業です。

本件M&Aによって、GYRO HOLDINGSは事業基盤の強化を図っています。また、食材の安定供給、コストの削減、品質の維持安定も目指します。

焼肉業界のM&Aに関するよくある質問

焼肉業界のM&Aに関するよくある質問

焼肉業界でのM&Aにおいてよくある質問を紹介します。

理想の取引を実現するためにも、ぜひ参考にしてください。

焼肉業界のM&Aに関するよくある質問①:地方企業でもM&Aは可能ですか?

もちろん全国問わず、M&Aは可能です。

全国対応するM&A助言会社はありますし、買い手もまだ事業展開していない地域への進出を目的として、M&Aを戦略の一つとして活用することは一般的です。

焼肉業界のM&Aに関するよくある質問②:どうすればよい条件で会社を売却できますか?

いくつかの留意点を押さえれば、よい条件で売却できる可能性は高まります。

業界によって、株式価値評価の相場が異なるため、M&A助言会社に相談し、企業評価を取得することから始めるのが、よい選択であると考えられます。

焼肉業界のM&Aに関するよくある質問③:店舗が賃貸物件でも売却は可能ですか?

はい、賃貸物件であってもM&Aによる事業譲渡や株式譲渡は可能です。

焼肉業態では、テナント・ロードサイドを問わず多くの店舗が賃貸契約で運営されており、その場合でも営業実績や顧客基盤、従業員、ブランドなどの「事業価値」に対して買い手が評価を行います。

譲渡にあたっては、賃貸契約の名義変更や大家との調整が必要になることもあるため、早い段階で専門家に相談して進めることをおすすめします。

まとめ

まとめ

焼肉業界では、個人経営の店舗から大手チェーンまで多様な事業者が混在しており、業界再編の動きが加速する中でM&Aが注目を集めています。特に、食材調達や衛生管理といった焼肉特有のオペレーション課題に対し、スケールメリットを有する大手企業との統合を通じて経営の安定化を図る動きが広がっています。

M&Aの実施により、売却側は信頼性の高い仕入れルートや従業員の雇用体制を維持しながら、売却益を得ることが可能になります。また、後継者問題に直面する中小事業者にとっては、事業承継の有力な解決手段となるほか、培ってきたブランドや店舗の価値を将来にわたって守る手段としても機能します。

今後も、外部環境の変化や人手不足の深刻化といった構造的課題が続く中で、M&Aは単なる出口戦略にとどまらず、焼肉業界全体の持続的成長に向けた重要な選択肢として、さらに存在感を増していくことが予想されます。

オーナーズ株式会社では、売り手に特化したFAサービスを展開しています。専属のエージェントがお客様の理想の取引実現に向けて、お客様のご希望に即したサービスをとことん提供いたします。よりよい評価額での売却に向けたアドバイスを受けられるだけでなく、余計な仲介手数料を削減した案件成約も実現可能です。

また、具体的な買いニーズを持っている企業のほか、業界・買い手企業分析に基づき事業親和性の高い企業を買い手候補としてご提案します。大手金融機関や大手M&A仲介、M&Aマッチングサービスとも連携しているため、買い手探索のルートが豊富です。

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この記事の著者

RISONAL 編集部(オーナーズ )

RISONAL編集部

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