保育サービスのM&A相場はいくら?売却の手法やコツも解説!

2025.10.31

公開日:2025.10.31

2025.10.31

2025.10.31

更新日:2025.10.31

2025.10.31

保育サービスのM&A相場はいくら?売却の手法やコツも解説!

近年、保育サービス業界では「人材確保」と「運営コストの上昇」が大きな課題となっています。共働き世帯の増加により需要は拡大している一方で、保育士不足や採用難によって安定した運営が難しい状況です。

さらに、ベビーシッターや企業主導型保育など、多様な保育形態が広がるなかで、運営者の高齢化や後継者不在といった問題も顕在化しています。小規模事業では人件費や家賃の負担が重く、単独での運営では十分な利益を確保しにくいのが現状です。

こうした背景から、資本力を持つ企業への事業譲渡やM&Aによる統合が進む傾向にあります。本記事では、保育サービス業界の現状やM&Aの相場、売却のメリット、手続きの流れを詳しく解説します。事業承継や売却を検討している経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

オーナーズ株式会社では、売り手に特化したFAサービスを提供しています。専属のエージェントがお客様の希望に沿った取引を実現するため、最適なサポートを行います。より高い評価額での売却を目指したアドバイスを受けられるだけでなく、余計な仲介手数料を抑えた成約も可能です。

さらに、具体的な買収意向を持つ企業や、業界分析を基に事業の親和性が高い企業を候補としてご提案します。大手金融機関やM&A仲介会社、マッチングサービスとも連携しており、多様な買い手探索ルートを確保しています。

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保育サービス業界の現状

共働き世帯の増加により、保育サービス業界の需要は年々高まっています。認可保育園だけでは受け皿が足りず、民間による柔軟なサービスが求められるようになりました。

中でも、企業主導型保育所やベビーシッター、一時預かりサービスなどが急速に拡大しています。勤務時間や生活スタイルに合わせた保育ニーズが多様化し、従来の施設型保育だけでは対応しきれない状況にあります。

一方で、保育士の人材不足は深刻です。離職率の高さや資格保有者の減少により、採用活動に苦戦する事業者が増えています。特に小規模施設では、職員確保とシフト調整の両立が大きな課題となっています。

さらに、物価上昇や人件費の高騰も経営を圧迫しています。利用料金を大幅に引き上げることが難しいため、収益構造の見直しを迫られる企業も少なくありません。こうした中、資本力のある事業者による買収やM&Aを活用した統合が進みつつあります。今後も、保育サービスの多様化と業界再編の両面で動きが加速していくと考えられます。

保育サービス業界でM&Aを行うのはなぜ?売却の理由を紹介

保育サービス業界でM&Aを行うのはなぜ?売却の理由を紹介

保育サービス業界でM&Aが進む背景には、経営環境の厳しさがあります。人材不足や運営コストの上昇により、単独では安定した経営を維持しにくい状況が続いています。特に小規模事業では、保育士の確保が難しく、経営者の負担が大きくなりがちです。

加えて、経営者の高齢化や後継者不在も深刻な課題といえます。保育サービスは専門資格や運営ノウハウが求められるため、親族内での事業承継が難しいケースが多く見られます。その結果、第三者への事業譲渡を選択する経営者が増加しています。

さらに、行政の補助制度や規制が頻繁に変わる点も見逃せません。補助金の申請や制度改正への対応には専門知識が必要で、限られた人員では十分に対応しきれないこともあります。

こうした不安を解消するために、経営基盤の強い企業への統合を検討する動きが広がっています。

M&Aは、事業の存続だけでなく、従業員や利用者の安心にもつながります。経営者にとっても、早めに売却という選択肢を検討することが、将来のリスクを軽減する手段となるでしょう。

保育サービス業界での企業売却方法は?3種類を紹介

保育サービスのM&Aにはいくつかの方法がありますが、主に以下の3種類です。

・株式譲渡
・事業譲渡
・合併

それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるため、売却目的や事業の状況に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。

ここでは、3種類の方法について詳しく解説します。

株式譲渡とは?中小企業M&Aで最も選ばれる手法の仕組みと特徴

株式譲渡とは、企業の株主が保有する株式を他者に譲渡する手法です。これにより経営権を移転できます。中小企業のM&Aでは多く活用されており、後継者不在や事業承継を目的としたケースでよく採用されています。

株式譲渡のメリット

株式譲渡において、売却対象となるのはあくまで「株式」であり、会社そのものの法人格や契約関係、資産・負債はそのまま引き継がれます。
そのため、以下のようなメリットがあります。

・従業員や取引先との契約を維持したまま、スムーズな引き継ぎが可能
・許認可や契約の再取得が原則不要で、実務上の負担が少ない
・法人格が継続するため、営業活動を中断せずに承継できる

とくに、現経営者が引退を検討している場合でも、事業を止めることなくバトンタッチできるため、後継者問題の有効な解決策となります。ただし、契約上のチェンジ・オブ・コントロール(COC)条項による相手方同意や、業種許認可の変更届・再許可が必要となる場合があるため、事前確認は不可欠です。

株式譲渡の注意点・デメリット

一方で、株式とともに過去の負債や簿外債務(帳簿に載っていないリスク)も引き継がれるという側面もあるため、買い手企業にとっては慎重な対応が必要です。

そのため、M&Aを進める際には、財務・法務・税務などに関するデューデリジェンス(詳細調査)を丁寧に実施し、リスクを洗い出すことが不可欠です。

会社分割とは?M&Aで活用される組織再編の手法と注意点

会社分割とは、企業が事業の一部を他の会社に移転することで、権利義務を承継させる法的な組織再編手続きです。M&Aでは、売却対象の事業を切り出してスムーズに移転させる手段として活用されています。

会社分割の主な種類

会社分割には、以下のような分類があります。

・新設分割:新たに設立した会社に事業を承継させる
・吸収分割:既存の他社に事業を承継させる

さらに、分割により得る対価の受け取り先によっても分類されます。

・分割型分割:対価を分割元会社の株主が受け取る
・分社型分割:対価を分割元会社自身が受け取る

会社分割のメリットと特長

会社分割の大きな特徴は、契約・資産・負債などの権利義務を包括的に移転できる点です。これにより、個別契約ごとの承継手続きを省略でき、事業の引き継ぎが円滑に進められます。

また、分割によって整理された事業をその後に売却することで、M&Aの手続きも効率化されます。

税務上の注意点:適格分割と非適格分割の違い

会社分割には税務上の取り扱いに注意が必要です。

「適格分割」であれば譲渡益の課税は繰り延べされますが、M&A目的で行う場合は多くが「非適格分割」に該当します。

非適格分割では、資産が時価で評価され、譲渡益課税やみなし配当課税の対象となるため、税負担が発生します。

また、会社分割と株式譲渡をセットで行う場合、タイミングによって課税リスクが高まるため、スキーム設計は専門家のアドバイスを受けながら慎重に進めることが重要です。

事業譲渡とは?M&Aで活用される承継手法と税務上の注意点

事業譲渡は、企業が事業の一部または全部を、契約に基づいて他社へ売却するM&A手法のひとつです。

譲渡の対象となる資産・負債・契約関係を個別に指定して承継する点が特徴であり、柔軟性が高い一方で、手続きは煩雑になりやすいという側面もあります。

事業譲渡のメリット:簿外債務を回避しやすい

事業譲渡では、契約書に記載されたものだけが承継対象となるため、買い手企業にとっては、不要な債務やリスクを回避しやすくなります。

特に、簿外債務の存在が懸念されるケースでは、株式譲渡ではなく事業譲渡を希望する買い手企業が多い傾向にあります。

売り手側の税務上の扱い:事業譲渡益に課税

事業譲渡によって得た対価のうち、譲渡対象資産・負債の簿価純額との差額は「事業譲渡益」として、売り手側に法人税が課税されます。

また、事業譲渡には以下のような消費税に関する注意点もあります。

・課税資産と非課税資産の両方をまとめて譲渡するため、資産ごとに合理的に区分して、課税・非課税を計算する必要があります。

事業譲渡のデメリット:承継手続きが煩雑

個別承継であるため、以下のような実務負担が大きい点はデメリットといえます。

・すべての契約(従業員との雇用契約含めて)を再締結する必要がある
・許認可や届出が一から取得し直しとなる場合がある

保育サービス業界の売却の流れは?3つのステップを紹介

保育サービス業界の売却の流れは?3つのステップを紹介

保育サービス業界でM&Aを進める際は、大きく3つのステップに分けて進行します。

1.M&Aの準備と助言会社の選定
2.買い手候補先企業との接触、意向表明受領
3.詳細調査(DD)、最終契約とクロージング

それぞれの段階で必要となる準備や手続きが異なるため、流れを把握しておくことが重要です。

Step1.M&Aの準備と助言会社の選定

まず行うべきは、M&Aに向けた準備と助言会社の選定です。初めに秘密保持契約を結び、必要な資料を開示します。

秘密保持契約は、自社の機密情報が第三者に漏れないようにするための取り決めです。その後、助言会社と売却戦略を策定し、候補企業を優先順位ごとにまとめたロングリスト(※1)を作成します。

加えて、ストラクチャー(※2)や全体のスケジュールも検討し、この段階でエージェント契約を締結します。

仲介とFA(フィナンシャル・アドバイザー)の違いを理解することも重要です。仲介は双方の利害を調整する立場で、手数料も両者から受け取ります。

一方FAは片方のみを支援し、依頼者の利益最大化を目指します。オーナーズ株式会社では売り手専属のFAサービスを提供し、利益重視の支援を行っています。

並行して、ティーザー(※3)やインフォメーション・パッケージ(※4)といった買い手向け資料も準備します。

※1 ロングリスト:一定の条件で絞り込んだ買い手候補先の企業をまとめたリスト。
※2 ストラクチャー:M&Aを実行するための手段や方法。
※3 ティーザー:匿名の企業概要書で、通常1枚から2枚で構成される資料。
※4 インフォメーション・パッケージ:買い手候補先企業がM&Aを検討する際の参考資料。対象会社(事業)の魅力を伝え、買い手候補先企業が企業価値評価を実施できることを目的に作成される。

Step2.買い手候補先企業との接触、意向表明受領

次の段階では、M&A助言会社がロングリストを基に買い手候補へアプローチし、最初にティーザーと呼ばれる匿名の概要資料を提示します。

その後、関心を示した企業には秘密保持契約を結んだうえで、詳細な情報をまとめたインフォメーション・パッケージを提供する流れです。

さらに、買収を検討する企業は、譲渡価格の水準や取引条件、今後の運営方針を明記した意向表明書を提出することになります。

売り手は複数の候補から条件を比較し、基本合意に進むかを判断します。ここで注意すべきは、次のデューデリジェンス(DD)に進むと、機密情報が相手に渡る点です。

そのため、受け入れる前に十分納得できる条件であるかを確認する必要があります。

一方で買い手側も専門家を起用し、多大なコストをかけるため、この時点で独占交渉権を求めることが一般的です。

こうした流れを経て、双方が守秘義務や独占交渉条件を取り決め、次の詳細調査へと進むのが一般的だといえるでしょう。

Step3.詳細調査(DD)、最終契約とクロージング

意向表明を受けて基本合意を交わした後は、デュー・デリジェンス(DD)と呼ばれる詳細調査に進みます。

DDでは、買い手が対象企業の財務状況や契約関係、人材体制などを徹底的に確認します。これは売り手と買い手の間に生じる情報の不均衡をできる限り解消するために実施されるものです。

調査の結果は譲渡価格や契約条件に反映されるため、売り手にとっても重要な局面といえます。

さらに、発見されたリスクは契約条項に盛り込まれ、将来のトラブルを未然に防ぐ役割を果たします。

最終契約では、双方が合意した譲渡価格や条件を確定させ、クロージングと呼ばれる手続きで株式や事業の引き渡しを行います。

この流れを経て、代金の支払いと経営権の移転が完了し、M&A取引が正式に成立するのです。
[M&Aのプロセス]

保育サービス業界の売却の相場は?価値算定方法を解説

保育サービス業界のM&Aでは、売却価格を見極めるために企業価値や株式価値の算定が欠かせません。ここでは代表的な算定方法を紹介します。

1.企業価値を算定する

保育サービス業界のM&A実務において事業価値の算定には、大きく分けて2つの方法があります。

・インカムアプローチ
・マーケットアプローチ

インカムアプローチは、営業資産が生み出す将来キャッシュフローを評価の基礎とする方法です。代表的なディスカウント・キャッシュ・フロー(DCF)法では、将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて事業価値を試算します。

理論的に優れた方法ですが、将来キャッシュフローの見積もりや割引率の計算は難易度が高いです。そのため、専門家でないと試算が困難で、初めての方には理解しづらい点が欠点です。

本稿では「価値の概算を把握する」ことを目的にしていますので、インカムアプローチの詳細な説明は割愛します。

マーケットアプローチは、市場における取引価格を参考にして事業価値を算定する方法です。具体的には、以下の方法があります。

・類似会社比較法
・類似取引比較法

類似会社比較法は、評価する対象の企業の類似会社にあたる上場会社の企業価値と、営業利益や収益力(EBITDA)といった財務指標から算出された倍率(マルチプル)を評価対象会社に適用することで、事業価値を算出する方法です。

具体的には、以下のように算定します。

EBITDA×業界相場の倍率(EBITDAマルチプル)=企業価値
(EBITDAマルチプル=上場類似会社の企業価値/上場類似会社のEBITDA)

EBITDAは、営業利益に減価償却費を足して算出されるものです。

また、類似会社は、業界が同じ上場企業を選定するのはもちろんのことですが、ビジネスモデルや収益構造、顧客の層などの類似性から選定するパターンもあります。類似会社をどのように選ぶかで算定結果は大きく依存します。

2.株式価値を算定する

企業価値を算出したら、株式価値を算出しましょう。株式価値は、以下のように算出します。

企業価値-有利子負債+現金同等物=株式価値

第三者に譲渡する場合に、どの程度の価値がつくかを把握しておくことは重要なため、理解しておきましょう。

なお、マーケットアプローチには、類似会社比較法のほか、類似するM&Aによる取引事例を用いた類似取引比較法という方法が存在します。

しかし、参照する過去の取引における対象会社が非上場である場合、入手可能な財務数値が限定的であるため、同方法が中小企業のM&Aで利用されることは少ないのが現状です。

M&Aにおける価値の算定については、下記で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
[うちの会社、結局いくらで売れるの?~事業オーナーの疑問に答えるコラム①~]

また、自社の具体的な株式価値を知りたい場合には、株価シミュレーターを用意していますので、以下で試算可能です。ぜひご活用ください。
[株価シミュレーター]

保育サービス業界で企業を売却する3つのメリット

保育サービス業界で企業を売却する3つのメリット

保育サービス業界のM&Aには、売り手にとって大きな利点が多くあります。ここでは代表的なメリットとして、下記の3つを紹介します。

・従業員の雇用を守れる
・経営者は売却益を得られる
・店舗やブランドを存続させられる

それぞれ詳しく解説します。

従業員の雇用を守れる

M&Aを活用する最大のメリットは、従業員の雇用を維持できる点にあります。事業を閉鎖すればスタッフの雇用が失われる恐れがありますが、譲渡先が事業を引き継ぐことで、職場環境をそのまま保てる可能性が高まります。

特に保育サービス業界では、利用者との信頼関係が非常に重要です。顔なじみのスタッフが継続して勤務することで、保護者の安心にもつながります。新たなオーナーの支援によって、待遇や研修体制が改善されるケースも少なくありません。

さらに、譲渡後の経営基盤が安定していれば、スタッフのキャリア形成にも良い影響を与えます。運営方針や保育方針を尊重してくれる買い手を選ぶことで、従業員と利用者の双方にとって、より良い移行が実現できるでしょう。

経営者は売却益を得られる

M&Aによって経営者が得る売却益は、今後の人生設計に大きな安心をもたらします。引退資金や新規事業への再投資、個人資産の形成など、得た資金を自由に活用できる点は大きな魅力です。

保育サービス事業は、設備や人材にかかる運営コストが高いため、事業を閉じる際には解約費用や退職金などの支出が発生します。一方、M&Aによる譲渡であれば、こうしたコストを抑えつつ譲渡対価を得られる点がメリットといえるでしょう。

さらに、保育ニーズの拡大により、地域密着型の小規模施設でも買収需要が見込まれます。経営状態が安定していれば、好条件での売却も十分に期待できます。適切なタイミングで専門家に相談することで、より高い評価を得やすくなるでしょう。

店舗やブランドを存続させられる

M&Aを活用すれば、自社で築き上げた店舗やブランドを次の世代へ引き継ぐことが可能です。特に地域密着型の保育サービスでは、長年親しまれてきた名称や雰囲気そのものが信頼の証といえるでしょう。

事業を閉鎖せず、譲渡という形を取ることで、これまで培ってきた価値を残すことができます。

さらに、買収企業の資本力を活かすことで、サービスの質を高めたり、新たな拠点を展開したりすることも可能です。これにより、既存の利用者を大切にしながら、新しい顧客層へもアプローチできるようになります。

また、従業員や利用者が慣れ親しんだ環境を維持できる点も大きな魅力です。自社の理念や保育方針を理解する買い手と出会えれば、ブランド価値を守りながら、事業を次のステージへと進めることができるでしょう。

保育サービス業界で企業を売却する際の4つのポイント

保育サービス業界のM&Aを成功させるには、資産形成や事業継続といった目的に応じた準備が欠かせません。ここでは売却を検討する際に意識すべき4つの重要な視点として、下記を紹介します。

・資産形成の手段となる
・事業継続と成長につながる
・早期からの準備が成功のカギ
・信頼できる専門家を活用する

それぞれ詳しくみていきましょう。

資産形成の手段となる

企業売却によって、これまで築いてきた事業の価値を現金化することができます。これにより、経営者は以下のような資金を確保できます。

・引退後の生活資金(リタイアメント資金)
・新たな事業への投資資金
・相続や資産承継の準備資金

特に後継者が不在の企業にとって、M&Aは事業を手放すだけでなく、経営者自身の将来を守る手段にもなります。

事業継続と成長につながる

M&Aによって新たな経営資源やネットワークを得ることで、これまで単独では難しかった市場展開や販路拡大が可能になります。
また、以下のようなケースも多く見られます。

・買い手企業が従業員の雇用を維持
・既存の取引先との関係も継続
・経営理念やノウハウの承継によって「企業文化」も残る

自社の理念や価値を次世代へつなぐことができるのは、単なる「売却」ではない、M&Aならではの魅力です。

早期からの準備が成功のカギ

企業売却は短期決断に不向きです。成功には1〜2年前からの準備が理想的です。
準備すべき主な項目は以下の通りです。

・財務諸表・経営数値の整理
・契約書・知財などの法務チェック
・組織体制や人事面の見直し
・潜在的なリスクの洗い出し

これらを整えることで、買い手からの信頼獲得や、企業価値の最大化にもつながります。

信頼できる専門家を活用する

M&Aは複雑かつ専門的な取引であり、経験の浅い経営者が単独で進めるのは大きなリスクを伴います。
そのため、以下のようなサポートをしてくれる専門家の活用が有効です。

・M&A支援業者(FA、仲介会社)
・税理士・公認会計士・弁護士
・専門知識を持つコンサルタント

支援業者次第では、初期費用を抑えながらM&Aを進めることも可能です。第三者の視点を取り入れることで、感情に左右されない冷静な判断ができるのも大きなメリットです。

保育サービス業界での企業売却にかかる税金とは?

保育サービス業界での企業売却にかかる税金とは?

企業を売却する際には、売却益に対して税金が発生します。 この税金の仕組みは、「個人オーナーが売却する場合」と「法人が株式を譲渡する場合」で異なるため、正しく理解しておくことが重要です。個人・法人別にわかりやすく解説します。

個人オーナーの場合

個人が自社株などの株式を譲渡し、譲渡益(売却益)が発生した場合、その利益は「譲渡所得」として扱われます。

◆ 課税の仕組み

譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)

この譲渡所得には、以下の税が課せられます。

・所得税(復興特別所得税含む)
・住民税

給与所得などとは分離して課税されるため、所得の合算は不要ですが、確定申告が必要です。
適切に節税するためには、事前に税理士など専門家への相談が欠かせません。

法人の場合

法人が保有する株式を譲渡した場合、その売却益は法人の「益金(収益)」として扱われ、他の事業収益と合算されて法人税等が課税されます。

◆ 法人の場合の税務処理

・譲渡益は法人所得として計上され、通常の法人税率で課税
・譲渡損失が出た場合、他の所得と損益通算が可能
・所得と損失の調整により、柔軟な節税が可能

◆ 評価差額にも注意

帳簿価額と時価の差(含み益)がある場合、譲渡時に課税対象となる可能性があります。

まとめ

保育サービス業界では、共働き世帯の増加により需要が高まる一方で、人材不足や運営コストの上昇といった課題を抱えています。特に小規模事業者では、安定した経営体制を維持することが難しく、M&Aによる事業承継が現実的な選択肢となりつつあります。

M&Aを活用すれば、従業員の雇用を守りながら、事業の継続やブランド価値の維持が可能です。経営者にとっても、売却益を得ることで新たな人生設計や次の挑戦へつなげることができるでしょう。

こうした点からも、M&Aは単なる「売却」ではなく、事業を次のステージへ進めるための手段といえます。

今後も保育サービスの需要は一定水準で続くと考えられます。早めに専門家へ相談し、自社の現状を踏まえた最適な譲渡戦略を立てることが重要です。

事業を守り、次世代へつなげるための第一歩として、M&Aを前向きに検討してみてはいかがでしょうか。保育サービス業界のM&A事情については下記記事でも解説しているため、ぜひ合わせて読んでみてください。
保育業界のM&A|保育業界のM&A動向やポイントも解説!

オーナーズ株式会社では、売り手に特化したFAサービスを提供しています。専属のエージェントがお客様の希望に沿った取引を実現するため、最適なサポートを行います。より高い評価額での売却を目指したアドバイスを受けられるだけでなく、余計な仲介手数料を抑えた成約も可能です。

さらに、具体的な買収意向を持つ企業や、業界分析を基に事業の親和性が高い企業を候補としてご提案します。大手金融機関やM&A仲介会社、マッチングサービスとも連携しており、多様な買い手探索ルートを確保しています。

まずは無料相談サービスをご利用ください。

この記事の著者

RISONAL 編集部(オーナーズ )

RISONAL編集部

売り手の理想のM&Aの実現に特化した専属M&Aエージェントサービスおよび事業オーナー向けの資産運用サービスを提供するオーナーズ株式会社

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