コインランドリーのM&A相場はいくら?売却の手法やコツも解説!
公開日:2026.05.28
2026.05.28
更新日:2026.05.28
2026.05.28
コインランドリーは、洗濯機や乾燥機を備えた無人またはセルフ式店舗運営を主な事業とする産業です。日本経済新聞の報道によれば、国内のコインランドリー店舗数は2024年時点で2万6,000店を超え、長年減少を続けてきたクリーニング店舗数を上回っています。市場規模は約1,300億円規模まで拡大したと推計されており、店舗数は毎年5%以上のペースで増加が続いています(※)。
拡大の背景には、共働き世帯の増加、ふとんなどの大物洗いの家庭外化、衣類の機能化に伴う高品質な乾燥ニーズの高まり、家庭用ドラム式洗濯乾燥機との「使い分け」需要があります。さらに、コンビニや美容室・カフェとの併設型、有人運営型、サブスク型など、業態も多様化しており、新規参入と既存事業による差別化競争が進んでいます。
一方で、設備投資負担の大きさ、立地依存性、運営の効率化、収益性確保に向けた規模拡大ニーズといった経営課題もあり、複数店舗を運営する事業者の集約や、異業種参入による事業承継・売却ニーズも高まっています。こうした環境下で、店舗、設備、運営ノウハウを引き継ぐ手段として、M&Aが選択肢の一つとなっています。
本記事では、コインランドリーでM&Aを行う際の相場の考え方をはじめ、業界の現状や代表的な売却手法について解説します。
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※参考:日本経済新聞「コインランドリー店数、クリーニング超え 次の『主洗場』」
コインランドリーの現状
コインランドリー業界は、店舗数で2万6,000店超、市場規模約1,300億円とされる拡大局面にあります。事業構造は、個人事業者、地域チェーン運営事業者、全国チェーン運営事業者、FC本部の4層に大別され、近年は全国チェーンとFC本部の存在感が強まっています(※)。
店舗形態の多様化は、業界トレンドの一つとなっています。コンビニ、スーパー、カフェとの併設型、住宅地立地型、ロードサイド型、有人運営型、Wi-Fi・ラウンジ完備型など、立地と顧客特性に応じた多様な業態が展開されています。「洗濯のエンタメ化」を打ち出し、無料施策やラウンジ空間によって滞在体験を提供する事業者も見られます。
ふとん丸洗い、靴洗い、ペット用品洗濯など、付加価値サービスの拡張も進んでおり、家庭洗濯では対応しにくい大型品や特殊用途の需要を取り込んでいます。これらの取り組みは、客単価の向上や収益性の改善に寄与しています。一方で、初期投資の大きさや立地依存性から、損益分岐点を超えるまでに時間を要し、運営ノウハウの乏しい新規参入者が短期で撤退するケースも見られます。
M&A動向としては、複数店舗を展開する個人事業者の事業承継型M&A、全国チェーンによる地域チェーンの取り込み、不動産・小売・FC事業者などの異業種からの参入に伴う既存店舗の取得などの動きが見られます。特に、好立地かつ高売上の店舗は希少性が高く、設備の状態や稼働率が高い店舗ほど、M&Aで評価されやすい傾向にあります。
※参考:日本経済新聞「コインランドリー店数、クリーニング超え 次の『主洗場』」
コインランドリーでM&Aを行うのはなぜ?売却の理由を紹介
コインランドリー業界でM&Aが選ばれる理由は、大きく「事業承継・運営負担の解消」「設備更新投資負担の回避」「複数店舗運営による規模の経済」の三つに整理できます。
まず、事業承継の観点では、コインランドリーは無人運営が基本とはいえ、清掃、トラブル対応、設備保守、売上集計など、店舗ごとに継続的な運営業務が発生します。経営者の高齢化や本業との両立が難しくなった個人事業者にとって、運営負担を軽減したいという動機がM&Aを検討する要因になっています。
次に、設備更新投資の観点では、業務用洗濯機、乾燥機、釣銭機、両替機、防犯カメラなどの設備は、一定期間ごとに更新を要することがあります。大型乾燥機1台でも高額な投資が必要となり、店舗全体では多額の再投資が必要になる場面があるため、再投資を避けたい事業者が売却を検討するケースも見られます。買い手にとっても、立地と顧客基盤のある既存店舗を新規出店より効率的に取得できる利点があります。
また、規模の経済の観点では、複数店舗を運営する事業者ほど、設備調達、保守、販促、運営オペレーションのコスト効率を高めやすくなります。地域チェーンや全国チェーンによる中小事業者の集約は、業界全体の収益性向上にもつながる可能性があります。FC本部による直営化や直営チェーンへの統合の動きも見られます。
コインランドリーのM&Aでは、店舗賃借契約、設備リース契約、防犯体制、保健所対応など、契約面や運営面の論点が複雑になりやすく、これらを含めた事業価値を適切に評価できる買い手を見つけることが、成否を左右するポイントとなっています。
コインランドリーでの企業売却方法は?3種類を紹介
コインランドリーのM&Aでは、売却対象や契約、運営体制の引き継ぎ方針によって、選ぶべき方法が変わります。代表的な手法は以下の3つです。
- 株式譲渡
- 会社分割
- 事業譲渡
それぞれの手法について解説します。
株式譲渡とは?中小企業M&Aで最も選ばれる手法の仕組みと特徴
株式譲渡とは、企業の株主が保有する株式を他者に譲渡することで、経営権を移転するM&Aの手法のひとつです。中小企業のM&Aにおいては最も多く活用されており、後継者不在や事業承継を目的としたケースでよく採用されています。
株式譲渡のメリット
株式譲渡において、売却対象となるのはあくまで「株式」であり、会社そのものの法人格や契約関係、資産・負債はそのまま引き継がれます。
そのため、以下のようなメリットがあります。
- 従業員や取引先との契約を維持したまま、スムーズな引き継ぎが可能
- 許認可や契約の再取得が原則不要で、実務上の負担が少ない
- 法人格が継続するため、営業活動を中断せずに承継できる
とくに、現経営者が引退を検討している場合でも、事業を止めることなくバトンタッチできるため、後継者問題の有効な解決策となります。ただし、契約上のチェンジ・オブ・コントロール(COC)条項による相手方同意や、業種許認可の変更届・再許可が必要となる場合があるため、事前確認は不可欠です。
株式譲渡の注意点・デメリット
一方で、株式とともに過去の負債や簿外債務(帳簿に載っていないリスク)も引き継がれるという側面もあるため、買い手企業にとっては慎重な対応が必要です。
そのため、M&Aを進める際には、財務・法務・税務などに関するデューデリジェンス(詳細調査)を丁寧に実施し、リスクを洗い出すことが不可欠です。
会社分割とは?M&Aで活用される組織再編の手法と注意点
会社分割とは、企業が事業の一部を他の会社に移転することで、権利義務を承継させる法的な組織再編手続きです。M&Aにおいては、売却対象の事業を切り出してスムーズに移転させる手段として活用されています。
会社分割の主な種類
会社分割には、以下のような分類があります。
- 新設分割:新たに設立した会社に事業を承継させる
- 吸収分割:既存の他社に事業を承継させる
さらに、分割により得る対価の受け取り先によっても分類されます。
- 分割型分割:対価を分割元会社の株主が受け取る
- 分社型分割:対価を分割元会社自身が受け取る
会社分割のメリットと特徴
会社分割の最大の特徴は、契約・資産・負債などの権利義務を包括的に移転できる点です。これにより、個別契約ごとの承継手続きを省略でき、事業の引き継ぎが円滑に進められます。
また、分割によって整理された事業をその後に売却することで、M&Aの手続きも効率化されます。
税務上の注意点:適格分割と非適格分割の違い
会社分割には税務上の取り扱いに注意が必要です。「適格分割」であれば譲渡益の課税は繰り延べされますが、採用するスキームによっては「非適格分割」に該当します。
非適格分割では、資産が時価で評価され、譲渡益課税やみなし配当課税の対象となるため、税負担が発生します。
また、会社分割と株式譲渡をセットで行う場合、タイミングによって課税リスクが高まるため、スキーム設計は専門家のアドバイスを受けながら慎重に進めることが重要です。
事業譲渡とは?M&Aで活用される承継手法と税務上の注意点
事業譲渡は、企業が事業の一部または全部を、契約に基づいて他社へ売却するM&A手法のひとつです。
譲渡の対象となる資産・負債・契約関係を個別に指定して承継する点が特徴であり、柔軟性が高い一方で、手続きは煩雑になりやすいという側面もあります。
事業譲渡のメリット:簿外債務を回避しやすい
事業譲渡では、契約書に記載されたものだけが承継対象となるため、買い手企業にとっては、不要な債務やリスクを回避しやすくなります。
特に、簿外債務の存在が懸念されるケースでは、株式譲渡ではなく事業譲渡を希望する買い手企業が多い傾向にあります。
売り手側の税務上の扱い:事業譲渡益に課税
事業譲渡によって得た対価のうち、譲渡対象資産・負債の簿価純額との差額は「事業譲渡益」として、売り手側に法人税が課税されます。
また、事業譲渡には以下のような消費税に関する注意点もあります。
課税資産と非課税資産の両方をまとめて譲渡するため、資産ごとの課税・非課税を区分し課税対象資産部分の消費税を計算する必要があり、それぞれの対価を合理的に区分し、課税・非課税の計算を行う必要があります。
事業譲渡のデメリット:承継手続きが煩雑
個別承継であるため、以下のような実務負担が大きい点はデメリットと言えます。
- すべての契約(従業員との雇用契約含めて)を再締結する必要がある
- 許認可や届出が一から取得し直しとなる場合がある
コインランドリーの売却の流れは?3つのステップを紹介
コインランドリーのM&Aを進める場合は、大きく3つのステップに分けて進められます。
- M&Aの準備と助言会社の選定
- 買い手候補先企業との接触、意向表明受領
- 詳細調査(DD)、最終契約とクロージング
それぞれの段階で必要となる準備や手続きが異なるため、流れを把握しておきましょう。
Step1.M&Aの準備と助言会社の選定
はじめに、売却目的と希望条件を整理したうえで、M&A助言会社を選定します。この段階で重要なのは、いくらで売れるかだけでなく、どのような買い手に、どのような形で事業と人材を引き継ぎたいのかを明確にしておくことです。
コインランドリー業界では、評価や条件に影響しやすい論点として、店舗別の月次売上、客数、客単価、設備の購入時期・残存使用年数・リース契約の状況、店舗賃借契約の条件や残存期間、近隣競合の状況と新規出店動向、ふとん・靴洗いなどの付加価値サービスの収益寄与、清掃・保守の委託先と契約条件、保健所への届出状況などが挙げられます。これらを事前に棚卸しし、資料として説明できる状態に整えておくことで、後工程での条件修正を抑えやすくなります。
Step2.買い手候補先企業との接触、意向表明受領
次に、助言会社を通じて買い手候補へ打診を行います。初期段階では概要資料を提示し、関心を示した企業と秘密保持契約を締結したうえで、財務・事業運営に関する詳細情報を開示します。
買い手候補は、譲渡価格のレンジ、取引方法、引き継ぎ条件、売却後の運営方針などをまとめた意向表明書を提出します。売り手は、提示金額だけでなく、従業員の処遇、ブランドの継続方針、取引先関係の維持なども含めて比較したうえで、基本合意に進むかを判断するのが一般的です。
Step3.詳細調査(DD)、最終契約とクロージング
基本合意後は、買い手による詳細調査が行われます。コインランドリーでは、財務・税務・契約関係に加えて、設備、立地、賃貸借契約、運営体制などの事業固有の論点が重視されやすい点が特徴です。
調査結果を踏まえて最終条件を調整し、最終契約を締結します。その後、対価の決済と引き渡しを行うクロージングをもって、取引が完了します。
M&Aの流れについてより詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
M&Aの流れとは?準備からクロージング・PMIまで全ステップを売り手目線で解説
コインランドリーの売却の相場は?価値算定方法を解説
コインランドリーのM&Aにおける売却価格は、「〇〇円が相場」と一律に決まるものではありません。実務では、収益力、資産、立地条件、賃借契約、設備の状態などを総合的に評価したうえで、最終的に売り手と買い手の交渉によって価格が決まります。
コインランドリーのM&Aでは、店舗ごとの売上・利益、設備の状態と残存使用年数、立地条件(駐車場の有無・周辺人口・競合密度)、近隣需要の安定性、賃貸契約の条件などが評価に大きく影響します。設備の状態や残存価値、立地の希少性が評価額を大きく左右する業態のため、設備評価と立地評価を分けて整理することが重要です。
こうした理由から、コインランドリーのM&Aでは、まず企業価値を算定し、そのうえで負債や現金などを考慮しながら、評価の全体像を整理するのが一般的です。
以下では、その基本的な考え方について解説します。
1.企業価値を算定する
コインランドリーのM&A実務において事業価値の算定には、大きく分けて2つの方法があります。
- インカムアプローチ
- マーケットアプローチ
インカムアプローチは、営業資産が生み出す将来キャッシュフローを評価の基礎とする方法です。代表的なディスカウント・キャッシュ・フロー(DCF)法では、将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて事業価値を試算します。
理論的に優れた方法ではあるものの、将来キャッシュフローの見積もりや割引率の計算は非常に難易度が高く、経験を積んだ専門家でないと試算が困難で、初見では理解しづらいのが大きな欠点でしょう。
本稿では「価値の概算を簡単に知る」ことを目的にしていますので、インカムアプローチの詳細な説明は割愛します。
マーケットアプローチは、市場における取引価格を参考にして事業価値を算定する方法です。具体的には、以下のような方法が存在します。
- 類似会社比較法
- 類似取引比較法
類似会社比較法は、評価する対象の企業の類似会社にあたる上場会社の企業価値と、営業利益や収益力(EBITDA)といった財務指標から算出された倍率(マルチプル)を評価対象会社に適用することで、事業価値を算出する方法です。
具体的には、以下のように算定します。
EBITDA×業界相場の倍率(EBITDAマルチプル)=企業価値
(EBITDAマルチプル=上場類似会社の企業価値/上場類似会社のEBITDA)
EBITDAは、営業利益に減価償却費を足して算出されるものです。
また、類似会社は、業界が同じ上場企業を選定するのはもちろんのことですが、ビジネスモデルや収益構造、顧客の層などの類似性から選定するパターンもあります。類似会社をどのように選ぶかによって、算定結果は大きく左右されます。
2.株式価値を算定する
企業価値を算出したら、株式価値を算出しましょう。株式価値は、以下のように算出します。
企業価値-有利子負債+現金同等物=株式価値
第三者に譲渡する場合に、どの程度の価値がつくかを把握しておくことは重要なため、理解しておきましょう。
なお、マーケットアプローチには、類似会社比較法のほか、類似するM&Aによる取引事例を用いた類似取引比較法という方法が存在します。
しかし、参照する過去の取引における対象会社が非上場である場合、入手可能な財務数値が限定的であるため、同方法が中小企業のM&Aで利用されることは少ないのが現状です。
M&Aにおける価値の算定については、下記で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
うちの会社、結局いくらで売れるの?~事業オーナーの疑問に答えるコラム①~
また、自社の具体的な株式価値を知りたい場合には、株価シミュレーターを用意していますので、以下で試算可能です。ぜひご活用ください。
コインランドリーで企業を売却する3つのメリット
コインランドリー事業でM&Aを活用するメリットは、経営者個人の利益にとどまりません。適切な承継は、店舗の継続営業、近隣顧客の利便性、雇用先の維持といった関係者の利益を守る手段にもなります。
- 店舗運営の負担から解放される
- 設備再投資の負担を回避できる
- 経営者は売却益を得られる
ここでは、売り手にとって特に重要な3つのメリットを解説します。
店舗運営の負担から解放される
コインランドリーは無人運営が基本ですが、清掃、設備トラブル対応、両替・釣銭管理、防犯対応、近隣からの問い合わせ対応など、目に見えにくい運営業務が日々発生します。本業との両立や高齢化により、こうした運営負担が経営者の重荷になるケースは少なくありません。
M&Aによって事業が承継されれば、運営体制を備えた買い手に引き継ぐことができるため、店舗の営業を継続しながら、経営者は運営負担の軽減を図りやすくなります。
設備再投資の負担を回避できる
コインランドリーは設備依存型のビジネスであり、業務用洗濯機や乾燥機の使用年数が進むと、多額の再投資が必要になる場合があります。再投資の意思や資金がない場合、設備老朽化によって稼働率が低下し、事業価値が下がるリスクがあります。
M&Aによって、設備更新の意思と資金力を持つ買い手に引き継ぐことができれば、設備が十分に稼働している段階で売却を進めやすいというメリットがあります。
経営者は売却益を得られる
M&Aによる売却は、これまで築いてきた店舗、設備、立地、顧客基盤を含む事業価値を資金化する手段です。得られた売却益は、引退後の生活資金や資産承継、次の事業への投資などに活用できます。
稼働率が下がった状態で廃業した場合、設備の処分費用や原状回復費用が発生し、回収できる金額が大きく目減りすることがあります。M&Aであれば、稼働中の店舗として評価されるため、経営者はより計画的に出口を設計しやすくなります。
コインランドリーで企業を売却する際の3つのポイント
コインランドリーでM&Aを成功させるためには、単に売上があるだけでは不十分です。買い手は、設備の状態、立地の評価、賃借契約の継続性、制度対応の状況、運営オペレーションの整備状況を慎重に確認します。
- 店舗別データと設備状態の整理
- 賃借契約・制度対応の確認
- 信頼できる専門家を活用する
ここでは、コインランドリーの売却を検討する際に、特に重要な3つのポイントを解説します。
店舗別データと設備状態の整理
コインランドリーの評価は、店舗ごとの売上実績と設備の残存価値に大きく左右されます。買い手は、月次売上、客数、客単価の推移、設備の購入時期と保守履歴、稼働率、近隣競合の状況などを確認します。
売却前に以下の点を棚卸しし、説明できる状態にしておくことが重要です。
- 店舗別の月次売上・客数・客単価(過去3年分)
- 設備の機種・購入時期・保守履歴・残存使用年数
- 稼働率(時間帯別・曜日別の利用状況)
- 近隣の競合店舗一覧と新規出店動向
- ふとん・靴洗いなどの付加サービスの売上構成
この整理が不十分だと、DDを経て価格が下がったり、取引自体が成立しなくなる要因になります。
賃借契約・営業許可の承継準備
コインランドリー店舗のM&Aでは、店舗ごとの賃借契約と制度対応の整理が重要な論点になります。賃借契約のチェンジ・オブ・コントロール条項、賃料改定リスク、保健所への届出状況などを事前に確認し、承継可否を整理しておく必要があります。
評価を高めるためには、以下のような取り組みが重要です。
- 店舗別の賃借契約条件と更新時期
- 賃貸人との関係性と引き継ぎ可否の事前確認
- 保健所への届出状況などの制度対応の確認
- 防犯対策(カメラ・通報システムなど)の整備状況
賃借契約の継続性が見込めれば、買い手にとって投資判断がしやすくなり、評価にもプラスに働きやすくなります。
信頼できる専門家を活用する
コインランドリーのM&Aは、設備評価、立地評価、賃借契約、制度対応など、一般的な事業売却に加えて店舗ごとの個別論点が多い領域です。準備や設計が不十分なまま進めると、売却後にトラブルが生じるリスクもあります。
そのため、以下のような専門家の支援を受けることが重要です。
- FAをはじめとした売り手側に立つM&A助言会社
- 不動産・賃借契約に明るい弁護士・税理士
売り手専属のFAを活用すれば、価格交渉や条件調整においても、売り手の利益を優先した交渉を進めやすくなります。感情に左右された場当たり的な判断を避けるという観点でも、第三者による専門的な視点は不可欠といえるでしょう。
コインランドリーでの企業売却にかかる税金とは?
企業を売却する際には、売却益に対して税金が発生します。この税金の仕組みは、「個人オーナーが売却する場合」と「法人が株式を譲渡する場合」で異なるため、正しく理解しておくことが重要です。個人・法人別にわかりやすく解説します。
個人オーナーの場合
個人が自社株などの株式を譲渡し、譲渡益(売却益)が発生した場合、その利益は「譲渡所得」として扱われます。
課税の仕組み
譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)
この譲渡所得には、以下の税が課せられます。
- 所得税(復興特別所得税含む)
- 住民税
給与所得などとは分離して課税されるため、所得の合算は不要ですが、確定申告が必要です。
ただし、ミニマムタックスに該当する場合は給与所得等の他の所得との合算して算出する必要があるため、適切に節税するためには、事前に税理士など専門家への相談が欠かせません。
法人の場合
法人が保有する株式を譲渡した場合、その売却益は法人の「益金(収益)」として扱われ、他の事業収益と合算されて法人税等が課税されます。
法人の場合の税務処理
- 譲渡益は法人所得として計上され、通常の法人税率で課税
- 譲渡損失が出た場合、他の所得と損益通算が可能
- 所得と損失の調整により、柔軟な節税が可能
評価差額にも注意
帳簿価額と時価の差(含み益)がある場合、譲渡時に課税対象となる可能性があります。
まとめ
コインランドリーは、店舗数2万6,000店超・市場規模1,300億円規模まで拡大した成長分野である一方、設備更新投資の重さ、立地依存性、運営負担といった経営課題も抱えています。複数店舗運営事業者による集約、異業種からの参入、FC本部による直営化などの動きが進む中で、M&Aは、店舗、設備、立地を活かした事業承継の現実的な選択肢の一つとなっています。
売却を成功させるためには、店舗別データと設備状態の整理、賃貸契約や制度対応の確認も含め、専門家の支援を受けながら早期から適切な準備を進めることが欠かせません。
RISONALでは、売り手に特化したFAサービスを提供しています。専属のエージェントがお客様の希望に沿った取引を実現するため、最適なサポートを行います。より高い評価額での売却を目指したアドバイスを受けられるだけでなく、余計な仲介手数料を抑えた成約も可能です。
コインランドリーのM&Aでは、買い手目線で条件調整が進みやすい仲介型の支援の場合、価格や引き継ぎ条件が売り手に不利になるケースも少なくありません。そのため、誰の利益を最優先に交渉するのかを明確にした支援体制が重要です。
無料相談が可能です。実際にどの程度の価格で売却できるのか、また、どのようにすればより高く売却できるのかを、ぜひご確認ください。
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