人材不足・採用難が深刻な企業の9割が、成長戦略への影響を実感。受注拡大・新規事業の見送りなど機会損失が顕在化〜人手不足対策にAI活用・M&Aが浮上、従来の採用・処遇改善を超えた対応が広がる〜
公開日:2026.04.23
2026.04.23
更新日:2026.04.23
2026.04.23
当社は、事業承継を検討している中小企業のオーナー経営者を対象に「採用難と事業継続に関する実態調査」を実施し、100名から回答を得ました。その結果、人手不足を深刻と捉える企業の約9割が成長戦略への影響を実感しており、受注拡大や新規事業の見送りなど、成長機会の損失が顕在化していることがわかりました。
調査結果 概要
- 約7割が人手不足を「深刻」と認識、経営への影響が常態化
- 人手不足が深刻な企業では、受注拡大や新規事業を見送るなど「成長機会の損失」が顕在化
- 人手不足が深刻な企業の約9割が、成長戦略への影響を実感
- 約8割が採用を重要課題と認識、人材確保が経営の優先テーマに
- 人手不足を契機に、組織体制・採用戦略・投資判断の見直しが進行
- 事業承継・M&A・廃業の検討経験がある層は、約8割が検討時期の前倒しを意識
調査結果の引用時のお願い
※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記および当社サイトのリンクの掲載をお願いします。
当社サイト:https://risonal.com
例:「オーナーズの調査によると」「オーナーズ調べ」など
調査結果 詳細
Q2:約7割が人手不足を「深刻」と認識、経営への影響が常態化
人手不足・採用難の深刻度を尋ねたところ、「とても深刻」が35.0%、「やや深刻」が36.0%、合わせて71.0%が深刻と回答しました。多くの企業が人手不足を深刻な経営課題と捉えていることがわかりました(n=100)。

Q3:人手不足が深刻な企業では、受注拡大や新規事業を見送るなど「成長機会の損失」が顕在化
人手不足による事業への影響を尋ねたところ、「受注拡大・案件の受け入れを見送った」が38.0%、「新規事業の立ち上げを見送った」が33.8%、「取引先拡大を控えた」が31.0%となりました。人手不足が、本来獲得できたはずの成長機会を制約している実態が明らかになりました(n=71/人手不足が深刻な企業)。

Q4:人手不足が深刻な企業の約9割が、成長戦略への影響を実感
人手不足が成長戦略に与える影響を尋ねたところ、人手不足を深刻と捉える企業では、「とても影響している」が46.5%、「やや影響している」が42.3%となり、合わせて88.8%が影響を実感していると回答しました(n=71/人手不足が深刻な企業)。

Q5:深刻層では約7割が週10時間以上を採用対応に費やし、経営者負担が集中
採用活動に割く時間を尋ねたところ、「とても深刻」と回答した層では「週10時間以上」が65.7%で最多となりました。一方、深刻度が低い層ほど「ほとんど時間は割いていない」の割合が高く、人手不足が深刻な企業ほど、経営者自身が採用対応に多くの時間を取られている傾向が見られました(n=100)。

Q6:人手不足の深刻度が高いほど本業への影響を実感、採用対応が経営を圧迫
採用活動による本業への影響を尋ねたところ、「とても深刻」と回答した層では「とても感じる」が78.1%、「やや感じる」が12.5%となりました。一方、深刻度が低い層ほど「感じない」との回答が増加しており、人手不足の深刻度が高いほど、本来注力すべき経営判断や事業運営への影響を強く実感している傾向が見られました(n=72/採用活動や人材対応に時間を割いている企業)。

Q7:約8割が採用を重要課題と認識、人材確保が経営の優先テーマに
採用・人材確保の重要度を尋ねたところ、「最重要課題である」が34.0%、「重要な課題の一つである」が49.0%となり、合わせて83.0%が採用を重要な経営課題と捉えていることがわかりました。人材確保が多くの企業において経営の中心的なテーマとなっている状況が浮き彫りになりました(n=100)。

Q8:人手不足対策は「賃上げ・待遇改善」「人材育成」が中心、AI活用やM&A・資本提携の実施も一定数に
人手不足への対応策を尋ねたところ、「すでに実施している」の割合が最も高かったのは「賃上げ・待遇改善」の59.0%で、次いで「人材育成・教育の強化」が50.0%、「採用手法の見直し」が48.0%と続きました。一方で「AIの活用」が30.0%、「M&Aや資本提携」が21.0%となっており、従来の採用・処遇改善に加え、業務効率化や外部連携を含む対応が広がっていることがわかりました(n=100)。

Q9:人手不足・採用難への対応を実施・検討している理由(一部抜粋)
- AIの活用:人員を他の重要な業務に振り分けられると考えたため
- M&A・資本提携:同業者の買収・提携やシニア世代の活用を検討しているため
- 業務効率化:採用が計画的にできていないので、定型業務の省人化が必要であるため
- 業務効率化:AI・DX化を導入しても人手作業が多く専門職の知識習得に長期間必要なため、間に合わせに外部委託を活用するようになった
- 外部パートナーの活用:採用に時間がかかるため、当面は外部人材で補う必要があると考えたため
Q10:人手不足を契機に、組織体制・採用戦略・投資判断の見直しが進行
人手不足を理由に検討した経営判断を尋ねたところ、「人員配置・組織体制の見直し」が43.0%、「採用・人材戦略の見直し」が38.0%と上位を占めました。また「事業の縮小・撤退」が18.0%、「M&A(売却)」が17.0%、「社内承継」が15.0%、「親族への事業承継」が16.0%、「廃業」が12.0%となっており、人手不足が、日々の組織運営にとどまらず将来の事業のあり方に関わる検討にも波及していることがわかりました(n=100)。

Q11:人手不足・採用難が影響した具体例(一部抜粋)
- 社内承継:採用がうまくいかず、このまま自分一人で経営を続けることへの限界を感じ、事業承継を意識するようになった
- M&A(売却):業績が向上しないため、今のうちに売却しようかと考えた
- 事業の縮小・撤退:仕事量について客先の要求に応えられないので、当該事業の継続を断念した
- 新規事業の見送り:仕事の依頼は多数来るが、人材がいないため、いくつか断っている
Q12:事業承継・M&A・廃業の検討理由、1位は「人材確保の見通しが立たない」
事業承継・M&A・廃業を検討したきっかけを尋ねたところ、「人材確保の見通しが立たないため」が54.5%で最多となりました。次いで「必要な人材が採用できず事業運営に支障が出ているため」が42.4%、「人手不足により事業拡大が難しいと感じたため」「採用コストが増加し経営負担が大きくなったため」「既存社員への負担が大きく組織維持に不安を感じたため」がそれぞれ39.4%と続きました。人材に起因する先行きの不透明感が、事業の将来判断に影響していることがうかがえます(n=33/事業承継・M&A・廃業を検討したことがある方)。

Q13:事業承継・M&A・廃業を検討した層の約8割が、検討時期の前倒しを意識
事業承継・M&A・廃業などの検討時期の変化を尋ねたところ、「すでに前倒しした」が36.4%、「前倒ししたいと考えており、具体的に検討している」が42.4%となり、合わせて78.8%が検討時期の前倒しを意識していることがわかりました。人手不足が、経営の出口判断を従来より早く意識させる要因になっている実態が明らかになりました(n=33/事業承継・M&A・廃業を検討したことがある方)。

Q14:人手不足が続くことで約7割が事業継続に不安、深刻層ほど顕著
事業継続への不安を尋ねたところ、「とても感じる」が34.0%、「やや感じる」が39.0%となり、合わせて73.0%が不安を抱えていることがわかりました。また「とても深刻」と回答した層に限ると「とても感じる」が80.0%、「やや感じる」が14.3%に達しており、人手不足の深刻度が高いほど、事業継続に対する先行き不安が強い傾向が見られました(n=100)。

Q15:人手不足・採用難に関する不安や悩み(一部抜粋)
- 人件費増大と相対的な問題になっている。事業継続の危機
- 事業をこのまま継続できるか心配
- 社内で本来取り組むべき生産などが外注頼みになり、対応力が下がる悪循環に陥る
- 採用募集をかけても人材が集まらない
- 継承できる人間がいない
- 現在はまだ問題にはならない程度だが、10年後にどのような環境になっているのか予想できない
オーナーズ株式会社 代表取締役社長 作田 隆吉 コメント
本調査から、人材採用が広く中小企業の経営課題となっていることが再認識されました。多くの中小企業オーナーにとって人材難が事業承継や廃業を検討するきっかけとなっていることがうかがえ、その影響は非常に大きなものとなっています。
国内では生産年齢人口(15-64歳)が年々減少する一方、女性の社会進出が進んだことなどで、生産年齢人口の就業率は8割となっています(※総務省「労働力調査」2026年2月より)。
今後も人材不足や賃金上昇のトレンドは続くことが見込まれ、企業は労働生産性を高めることができなければ人材を獲得・維持することができない厳しい時代に突入したと言えます。単独では事業継続が厳しく他社との提携により生き残りを模索する中で、M&Aに至るケースも増加するでしょう。
大きく変化する経営環境の中、経営者は企業の中長期的な成長戦略の中で、最適な事業承継の形を選択することが求められています。
調査概要
- 調査名称:採用難と事業継続に関する実態調査
- 調査機関:Fastask
- 調査対象:事業承継を検討している中小企業のオーナー経営者
- 調査方法:Webアンケート
- 調査期間:2026年4月9日〜4月14日
- 有効回答数:100件
※各回答項目の割合(%)は、端数処理の関係上、合計が100%にならない場合があります。
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