会社売却のメリット5選|廃業を避けて創業者利益を最大化する戦略的ガイド
公開日:2026.01.31
2026.01.31
更新日:2026.01.31
2026.01.31
「会社売却のメリットは?」「会社を売却したら、自分や従業員はどうなるのか?」
このような不安を抱える経営者の方は少なくありません。
会社売却は単なる「出口」ではなく、将来を切り拓くための有力な選択肢です。会社を売却することで、長年続けてきた経営の第一線から退き、経営責任やプレッシャーから解放されます。さらに、まとまった現金を得て、新たな人生をスタートさせることも可能です。
本記事では、会社売却によって得られる具体的なメリットと、失敗を避けるために知っておくべき注意点を分かりやすく解説します。
企業を売却する方法は?3種類を紹介
会社を売却する方法は、主に以下の3種類があります。
・株式譲渡
・会社分割
・事業譲渡
それぞれに特徴や利点、注意点があるため、売却の目的や事業の状況に応じて最適な方法を選択することが重要です。
ここでは、3種類の方法について詳しく解説します。
1.株式譲渡
株式譲渡とは、会社の株主が保有する株式を第三者に譲渡することで、経営権を移転する手法です。中小企業のM&Aで最も多く採用されており、後継者不在や事業承継を目的としたケースで広く活用されています。
2.会社分割
会社分割とは、企業が事業の一部を切り出し、他の会社に権利義務を承継させる会社法上の組織再編手続です。M&Aでは、売却対象事業のみを切り出して移転させる手段として用いられます。
会社分割には、以下の2つの形態があります。
・新設分割:新たに設立した会社に事業を承継させる
・吸収分割:既存の他社に事業を承継させる
さらに、分割の対価を誰が受け取るかによって、次のようにも分類されます。
・分割型分割:対価を分割元会社の株主が受け取る
・分社型分割:対価を分割元会社自身が受け取る
3.事業譲渡
事業譲渡は、企業が事業の一部または全部を契約により他社へ売却するM&A手法です。
譲渡する資産・負債・契約関係などを個別に指定して承継する点が特徴で、柔軟性が高い一方、手続きが煩雑になりやすい側面があります。
会社売却による売り手のメリット5選
会社売却のメリットを正しく理解することで、不利な選択を避けやすくなります。ここでは、売り手にとって特に重要な5つのメリットを整理します。
1.後継者不在による「廃業リスク」の完全解消
2.創業者利益(現金)の獲得とセカンドライフの資金確保
3.従業員の雇用維持と取引先への影響を最小限に抑制
4.経営者個人の「連帯保証・担保」からの解放
5.大手企業の傘下入りによる「事業の飛躍的成長(シナジー)」
それぞれ解説します。
1.後継者不在による「廃業リスク」の完全解消
親族や従業員に後継者がいない場合、多くの経営者は廃業を検討せざるを得ません。しかし、会社売却を選択すれば、第三者へ経営を引き継ぐことで事業を存続させることが可能です。
廃業には、従業員の解雇手続きや設備処分、法人清算など多くの負担が伴いますが、M&Aであればそれらを回避し、円滑な事業承継を実現できます。
2.創業者利益(現金)の獲得とセカンドライフの資金確保
廃業を選択すると、手元に資産が残らないだけでなく、整理費用が発生するケースもあります。一方、会社売却であれば、株式譲渡対価などとして「創業者利益」を現金で受け取ることができます。
得られた資金は、老後の生活資金や新たな事業への挑戦など、幅広い用途に活用できます。
3.従業員の雇用維持と取引先への影響を最小限に抑える
会社が存続する形で売却されれば、従業員の雇用は基本的に維持されます。また、取引先との契約関係も継続されるため、事業停止による混乱を防ぐことができます。
4.経営者個人の「連帯保証・担保」からの解放
多くの中小企業では、経営者個人が金融機関からの借入に対して連帯保証や担保を提供しています。会社売却によって、これらの保証が解除または整理されるケースも多く、精神的な負担から解放される点は大きなメリットです。
5.大手企業の傘下入りによる「事業の飛躍的成長」
大手企業の傘下に入ることで、資金力や販路、ノウハウを活用した事業拡大が期待できます。自社単独では難しかった成長を実現できる点は、売却後の大きな価値といえるでしょう。
会社売却のデメリット・リスクと回避策
会社売却には多くの利点がある反面、進め方を誤ると不利益を被るリスクも存在します。事前準備を怠ることで、本来得られるはずだった利益を逃すケースも少なくありません。
・売却準備不足による「売却価格」の下落
・競業避止義務による「次のビジネス」への制限
・従業員やキーマンの離職リスクとその対策
売り手が特に注意すべき3つの代表的な事例を詳しく解説します。
売却準備不足による「売却価格」の下落
十分な準備なしに交渉を始めると、希望より低い価格で売らざるを得ないリスクが高まります。買い手企業は財務状況だけでなく、法令遵守や業務の仕組み化の状況も厳格にチェックするからです。
例えば、未払い残業代や属人化した業務フローが放置されていると、買い手からの信頼を失い、提示価格を大きく引き下げられる可能性があります。
競業避止義務による「次のビジネス」への制限
売却後の契約には「競業避止義務」として、同業のビジネスを制限する条項が含まれるのが一般的です。これは、買い手企業が元オーナーによる顧客の奪い合いやノウハウの流出を防ぐために設定されます。
この義務を理解しないまま売却すると、引退後に新しく始めたい事業が制限されるなどのトラブルにつながりかねません。
RISONALは売り手専任のアドバイザーとして、将来のビジョンを妨げない範囲で契約を締結できるよう、慎重な調整を行います。
地域や期間、具体的な業務範囲を明確に定義することで、売却後の自由な活動を守ることが可能です。後で「聞いていない」と後悔しないよう、契約書の内容はプロと共に細部まで確認しましょう。
従業員やキーマンの離職リスクとその対策
売却の事実が不適切なタイミングで伝わると、不安を感じた従業員や優秀なキーマンが離職する恐れがあります。中小企業では、特定の個人に依存した技術や人脈が大きな価値となるため、離職は企業価値の毀損に直結します。
買い手側も「人が辞めること」を最も警戒しており、離職リスクが高いと判断されれば成約は遠のくでしょう。RISONALは情報の開示時期や従業員への説明方法について、経営者様に最適なアドバイスを提供します。
売却が従業員にとっても成長の機会であることを丁寧に伝え、安心感を与えるプロセスが不可欠です。現場の混乱を最小限に抑える細やかな配慮が、M&Aを成功に導く鍵となります。
会社売却価格の算出方法
売却価格を決定する上で、企業価値や株価の算定は欠かせません。適正な価値を知ることは、納得のいく条件で交渉を進めるための第一歩です。ここでは、実務で使われる代表的な算定方法を解説します。
1.企業価値を算定する
事業価値の算定には、主に「インカムアプローチ」と「マーケットアプローチ」の2つがあります。前者は将来のキャッシュフローを基にする方法ですが、計算が難しく、専門的な知識が求められます。
本稿では概算の把握を目的とするため、市場価格を参考にするマーケットアプローチを紹介します。代表的な「類似会社比較法」では、類似する上場企業の利益倍率を用いて価値を算出します。
具体的には「EBITDA(営業利益+減価償却費)×業界相場の倍率」で企業価値を導き出します。類似会社の選び方で結果が変わるため、ビジネスモデルの近い企業を選定することが重要です。
2.株式価値を算定する
企業価値を算出したら、次は「株式価値」を計算しましょう。株式価値は、企業価値から有利子負債を差し引き、現金同等物を加えることで求められます。この計算式により、第三者に譲渡する際、実際にどの程度の価値がつくかを把握できます。
マーケットアプローチには過去の取引事例を用いる方法もありますが、中小企業では参照できる数値が限られるため、一般的ではありません。自社の具体的な価値を知りたい場合は、専門家のアドバイスを受けるのが最も確実です。
RISONALでは、最新の市場データに基づいた適正な価値算定をサポートいたします。まずは簡易的なシミュレーターを活用し、自社の立ち位置を確認することから始めましょう。
「株価算定シミュレーター」
会社売却のメリットを最大化するための戦略的ポイント
会社を売却する際、事前の準備やパートナー選びによって最終的な結果は大きく変わります。単に「売れれば良い」と考えるのではなく、より良い条件を引き出すための戦略を練ることが重要です。
経営者が納得感を持って次の一歩を踏み出すために、押さえておくべき2つのポイントを解説します。
売却タイミングの見極め
会社売却を成功させるには、自社の業績が右肩上がりの時期に検討を始めるのが理想的です。買い手企業は「これから伸びる会社」を高く評価するため、衰退し始めてからでは価値が下がります。
特に、自社の業界が再編期にあり、大手企業による買収が活発な時期は、相場以上の価格で売れるチャンスと言えます。
市場動向や経営状況を分析し、最も有利に売却できる「旬」の時期を見極めることが重要です。業績が良い時にこそ将来を見据えて相談を始めることが、高値での成約を実現する鍵となるでしょう。
自社の強みの可視化
売却価格を上げるためには、数字に表れない自社独自の強みを買い手へ明確に伝える必要があります。競合他社にはない技術力や、特定地域における圧倒的なシェア、長年築いた顧客との信頼関係などが該当します。
これらの強みを客観的なデータとして「見える化」することで、買い手は自社とのシナジーを具体的に描きやすくなるでしょう。
経営者の方が気づいていない「隠れた資産」を掘り下げることで、企業価値を高めることも可能です。
結果的に、自社のポテンシャルを最大限に言語化し、買い手にとっての「希少価値」を高めることが、好条件を引き出す秘訣です。
まとめ
会社売却は、経営者がこれまで心血を注いできた事業を次世代へつなぎ、自らも新しい人生を切り拓くための「攻めの選択」です。決して後ろ向きな決断ではなく、従業員や取引先、そして自分自身の未来を守るための最も賢明な出口戦略と言えるでしょう。
本記事で解説したメリットを最大化し、後悔のない売却を実現するためには、信頼できるパートナーの存在が不可欠です。
納得のいく会社売却への第一歩は、自分の会社が今「いくらで評価されるのか」を正確に把握することから始まります。自社の強みや市場での立ち位置を知ることで、売却の最適なタイミングや準備すべき課題が見えてくるからです。
オーナーズ株式会社では、売り手に特化したFAサービスを提供しています。専属のエージェントがお客様の希望に沿った取引を実現するため、最適なサポートを行います。より高い評価額での売却を目指したアドバイスを受けられるだけでなく、余計な仲介手数料を抑えた成約も可能です。
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