クリニック業界のM&A相場はいくら?売却の手法やコツも解説!

2025.09.30

公開日:2025.09.30

2025.09.30

2025.09.30

更新日:2025.09.30

2025.09.30

クリニック業界のM&A相場はいくら?売却の手法やコツも解説!

近年、クリニック業界では「医師・看護師不足」や「地域医療連携」への対応が重要課題となっています。外来診療に加え、在宅医療やオンライン診療など患者ニーズの多様化するなかで、クリニックの役割は年々拡大しており、現場オペレーションの効率化と高度化が不可欠です。

また、セルフメディケーションの普及やEC(ネット通販)の拡大により、クリニックに求められるサービスはさらに広がっています。電子カルテや予約管理システムの導入、地域病院との情報共有、訪問診療や薬剤配送サービスなど、ICTを活用した業務改善は急務といえるでしょう。

さらに、GX(Green Transformation)への対応として、省エネ設備の導入や環境配慮型資材の採用、医療廃棄物の削減なども求められています。

一方で、クリニック経営者の高齢化による事業承継問題が顕在化しており、医師・スタッフの採用難も続いています。人材不足は深刻であり、経営環境は一段と厳しさを増しています。

加えて、大手医療法人グループやドラッグストア併設型クリニックとの競争激化、診療報酬改定による収益圧迫も課題です。こうした状況下で、クリニックネットワークの拡大や複数クリニックの統合、共同仕入れによるコスト削減、人材確保力の強化を狙ったM&Aが増加しているのが現状です。

では、実際にクリニック会社のM&Aはどのように進むのでしょうか。本記事では、クリニック業界の最新動向をわかりやすく解説し、売却のメリットや進め方・相場感についても紹介します。売却や承継を検討する経営者・クリニック長の方は、ぜひ参考にしてください。

オーナーズ株式会社では、売り手に特化したFAサービスを展開しています。専属のエージェントがお客様の理想の取引実現に向けて、お客様のご希望に即したサービスをとことん提供いたします。よりよい評価額での売却に向けたアドバイスを受けられるだけでなく、余計な仲介手数料を削減した案件成約も実現可能です。

また、具体的な買いニーズを持っている企業のほか、業界・買い手企業分析に基づき事業親和性の高い企業を買い手候補としてご提案します。大手金融機関や大手M&A仲介、M&Aマッチングサービスとも連携しているため、買い手探索のルートが豊富です。

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クリニック業界の現状

クリニック業界の現状

クリニック業界は、医師や看護師の人材不足や診療報酬改定といった大きな課題に直面しています。地域医療を支える存在として、質の高い診療を提供するためにも、長時間労働の是正や人材確保は喫緊の課題です。

特に診療報酬の見直しによって、従来の収益構造を維持するのは難しくなりつつあります。さらに、在宅医療やオンライン診療など新しいニーズの拡大によって業務負担は一層増加しており、効率的な人員配置や診療科目ごとの役割分担に加え、ITシステムを活用したオペレーション改善が欠かせません。

大手医療法人では電子カルテや予約管理システムの高度化、遠隔診療システムの導入が進んでいますが、中小規模のクリニックでは投資余力が限られており、対応が遅れやすいのが実情です。

さらに、医療資材の調達コスト上昇や環境対応(医療廃棄物の削減、省エネ型設備導入など)も収益を圧迫しています。地域ニーズに応じた診療体制の確保は重要ではあるものの、小規模クリニックにとって大きな負担となっています。

このように、クリニック業界は患者ニーズの多様化と収益圧力の板挟みにあり、業務効率化や人材確保への取り組みが不可欠です。中長期的に競争力を維持するためには、デジタル技術の活用、地域医療との連携、環境対応の推進が鍵となるでしょう。

クリニック業界でM&Aを行うのはなぜ?売却の理由を紹介

クリニック業界でM&Aを行うのはなぜ?売却の理由を紹介

クリニック業界では、経営者の高齢化によって後継者が見つからず、廃業を避けるためにM&Aを選択するケースが増えています。医師や看護師の不足、働き方改革による労働環境改善の必要性が高まるなか、個人経営や中小規模のクリニックが自力で事業を継続するのは容易ではありません。

小規模クリニックでは特に、人材確保や医療機器投資、施設改修の負担が大きく、診療報酬改定による収益減少も重なり、安定経営を維持するのは難しい状況です。

その点、資金力や運営ノウハウを持つ医療法人やグループへ事業を引き継ぐことで、従業員の雇用や患者との信頼関係を守りつつ、経営者自身は売却益を得られる仕組みを実現します。

また、診療報酬改定による収益圧迫やICT化、地域医療連携への対応は単独のクリニックでは限界がある場合も少なくありません。そのため、M&Aによる統合やグループ化によって効率化を図ることが有効です。

こうした背景から、M&Aは事業承継とクリニック経営の成長を同時に実現する手段として注目されています。

クリニック業界での企業売却方法は?3種類を紹介

クリニック業界での企業売却方法は?3種類を紹介

クリニック業界のM&Aでは、主に「持分譲渡」「地位の譲渡」「事業譲渡」の3つの方法があります。それぞれ特徴や注意点が異なるため、自社に合った手法を選ぶことが重要です。

持分 株式譲渡とは?医療法人中小企業M&Aで最も選ばれる手法の仕組みと特徴

持分 株式譲渡とは、医療法人の社員が保有する持分企業 の株主が保有する株式を他者に譲渡することで、経営権を移転するM&Aの手法のひとつです。持分のある医療法人 中小企業のM&Aにおいては最も多く活用されており、後継者不在や事業承継を目的としたケースでよく採用されています。

持分 株式譲渡のメリット
持分 株式譲渡において、売却対象となるのはあくまで「持分 株式」であり、会社そのものの法人格や契約関係、資産・負債はそのまま引き継がれます。
そのため、以下のようなメリットがあります。

・従業員や取引先との契約を維持したまま、スムーズな引き継ぎが可能
・許認可や契約の再取得が原則不要で、実務上の負担が少ない
・法人格が継続するため、営業活動を中断せずに承継できる

とくに、現経営者が引退を検討している場合でも、事業を止めることなくバトンタッチできるため、後継者問題の有効な解決策となります。但し、契約上のチェンジ・オブ・コントロール(COC)条項による相手方同意や、業種許認可の変更届・再許可が必要となる場合があるため、事前確認は不可欠です。

持分 株式譲渡の注意点・デメリット
一方で、持分 株式とともに過去の負債や簿外債務(帳簿に載っていないリスク)も引き継がれるという側面もあるため、買い手企業にとっては慎重な対応が必要です。

そのため、持分譲渡 M&Aを進める際には、財務・法務・税務などに関するデューデリジェンス(詳細調査)を丁寧に実施し、リスクを洗い出すことが不可欠です。

地位の譲渡 会社分割とは?M&Aで活用される組織再編の手法と注意点

地位の譲渡 会社分割とは、持分のない医療法人において行われる事業承継方法であり、経営権の後退のために社員の交代を通じて事業承継を実現するものです。

持分のない医療法人の場合、全経営者に対して持分の譲渡対価などの形で事業承継の対価を支払うことができないため、退職金等の形で支払うことが多くなっています。企業が事業の一部を他の会社に移転することで、権利義務を承継させる法的な組織再編手続きです。

M&Aにおいては、売却対象の事業を切り出してスムーズに移転させる手段として活用されています。

会社分割の主な種類
会社分割には、以下のような分類があります。

・新設分割:新たに設立した会社に事業を承継させる
・吸収分割:既存の他社に事業を承継させる

さらに、分割により得る対価の受け取り先によっても分類されます。

・分割型分割:対価を分割元会社の株主が受け取る
・分社型分割:対価を分割元会社自身が受け取る

会社分割のメリットと特徴
会社分割の最大の特徴は、契約・資産・負債などの権利義務を包括的に移転できる点です。これにより、個別契約ごとの承継手続きを省略でき、事業の引き継ぎが円滑に進められます。

また、分割によって整理された事業をその後に売却することで、M&Aの手続きも効率化されます。

税務上の注意点:適格分割と非適格分割の違い
会社分割には税務上の取り扱いに注意が必要です。

「適格分割」であれば譲渡益の課税は繰り延べされますが、M&A目的で行う場合は多くが「非適格分割」に該当します。

非適格分割では、資産が時価で評価され、譲渡益課税やみなし配当課税の対象となるため、税負担が発生します。

また、会社分割と株式譲渡をセットで行う場合、タイミングによって課税リスクが高まるため、スキーム設計は専門家のアドバイスを受けながら慎重に進めることが重要です。

事業譲渡とは?M&Aで活用される承継手法と税務上の注意点

事業譲渡は、企業が事業の一部または全部を、契約に基づいて他社へ売却するM&A手法のひとつです。

譲渡の対象となる資産・負債・契約関係を個別に指定して承継する点が特徴であり、柔軟性が高い一方で、手続きは煩雑になりやすいという側面もあります。

事業譲渡のメリット:簿外債務を回避しやすい
事業譲渡では、契約書に記載されたものだけが承継対象となるため、買い手企業にとっては、不要な債務やリスクを回避しやすくなります。

特に、簿外債務の存在が懸念されるケースでは、株式譲渡ではなく事業譲渡を希望する買い手企業が多い傾向にあります。

売り手側の税務上の扱い:事業譲渡益に課税
事業譲渡によって得た対価のうち、譲渡対象資産・負債の簿価純額との差額は「事業譲渡益」として、売り手側に法人税が課税されます。

また、事業譲渡には以下のような消費税に関する注意点もあります。

・課税資産と非課税資産の両方をまとめて譲渡するため、資産ごとの課税・非課税を区分し課税対象資産部分の消費税を計算する必要があり、それぞれの対価を合理的に区分し、課税・非課税の計算を行う必要があります。

事業譲渡のデメリット:承継手続きが煩雑
個別承継であるため、以下のような実務負担が大きい点はデメリットといえます。

・すべての契約(従業員との雇用契約含めて)を再締結する必要がある
・許認可や届出が一から取得し直しとなる場合がある

クリニック業界の売却の流れは?3つのステップを紹介

クリニック業界の売却の流れは?3つのステップを紹介

クリニック業界でM&Aを進める際は、大きく3つのステップに分けて進行します。

1.M&Aの準備と助言会社の選定
2.買い手候補先企業との接触、意向表明受領
3.詳細調査(DD)、最終契約とクロージング

それぞれの段階で必要となる準備や手続きが異なるため、流れを把握しておくことが重要です。

Step1.M&Aの準備と助言会社の選定

まず行うべきは、M&Aに向けた準備と助言会社の選定です。初めに秘密保持契約を結び、必要な資料を開示します。

秘密保持契約は、自社の機密情報が第三者に漏れないようにするための取り決めです。その後、助言会社と売却戦略を策定し、候補企業を優先順位ごとにまとめたロングリスト(※1)を作成します。

加えて、ストラクチャー(※2)や全体のスケジュールも検討し、この段階でエージェント契約を締結します。
仲介とFA(フィナンシャル・アドバイザー)の違いを理解することも重要です。仲介は双方の利害を調整する立場で、手数料も両者から受け取ります。

一方FAは片方のみを支援し、依頼者の利益最大化を目指します。弊社では売り手専属のFAサービスを提供し、利益重視の支援を行っています。

並行して、ティーザー(※3)やインフォメーション・パッケージ(※4)といった買い手向け資料も準備します。

※1 ロングリスト:一定の条件で絞り込んだ買い手候補先の企業をまとめたリスト。
※2 ストラクチャー:M&Aを実行するための手段や方法。
※3 ティーザー:匿名の企業概要書で、通常1枚から2枚で構成される資料。
※4 インフォメーション・パッケージ:買い手候補先企業がM&Aを検討する際の参考資料。対象会社(事業)の魅力を伝え、買い手候補先企業が企業価値評価を実施できることを目的に作成される。

Step2.買い手候補先企業との接触、意向表明受領

次の段階では、M&A助言会社がロングリストを基に買い手候補へアプローチし、最初にティーザーと呼ばれる匿名の概要資料を提示します。

その後、関心を示した企業には秘密保持契約を結んだうえで、詳細な情報をまとめたインフォメーション・パッケージを提供する流れです。

さらに、買収を検討する企業は、譲渡価格の水準や取引条件、今後の運営方針を明記した意向表明書を提出することになります。

売り手は複数の候補から条件を比較し、基本合意に進むかを判断します。ここで注意すべきは、次のデューデリジェンス(DD)に進むと、機密情報が相手に渡る点です。

そのため、受け入れる前に十分納得できる条件であるかを確認する必要があります。

一方で買い手側も専門家を起用し、多大なコストをかけるため、この時点で独占交渉権を求めることが一般的です。

こうした流れを経て、双方が守秘義務や独占交渉条件を取り決め、次の詳細調査へと進むのが一般的だといえるでしょう。

Step3.詳細調査(DD)、最終契約とクロージング

意向表明を受けて基本合意を交わした後は、デュー・デリジェンス(DD)と呼ばれる詳細調査に進みます。

DDでは、買い手が対象企業の財務状況や契約関係、人材体制などを徹底的に確認します。これは売り手と買い手の間に生じる情報の不均衡をできる限り解消するために実施されるものです。

調査の結果は譲渡価格や契約条件に反映されるため、売り手にとっても重要な局面といえるでしょう。

さらに、発見されたリスクは契約条項に盛り込まれ、将来のトラブルを未然に防ぐ役割を果たします。

最終契約では、双方が合意した譲渡価格や条件を確定させ、クロージングと呼ばれる手続きで株式や事業の引き渡しを行います。

この流れを経て、代金の支払いと経営権の移転が完了し、M&A取引が正式に成立するのです。

クリニック業界の売却の相場は?価値算定方法を解説

クリニック 業界の売却の相場は?価値算定方法を解説

クリニック業界のM&Aでは、売却価格を見極めるために企業価値や株式価値の算定が欠かせません。ここでは代表的な算定方法を紹介します。

1.企業価値を算定する

クリニック 業界のM&A実務において企業価値の算定には、大きく分けて2つの方法があります。

・インカムアプローチ
・マーケットアプローチ

インカムアプローチは、営業資産が生み出す将来キャッシュフローを評価の基礎とする方法です。代表的なディスカウント・キャッシュ・フロー(DCF)法では、将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて企業価値を試算します。

理論的に優れた方法ではあるものの、将来キャッシュフローの見積もりや割引率の計算は非常に難易度が高く、経験を積んだ専門家でないと試算が困難で、初見では理解しづらいのが大きな欠点でしょう。

本稿では「価値の概算を簡単に知る」ことを目的にしていますので、インカムアプローチの詳細な説明は割愛します。

マーケットアプローチは、市場における取引価格を参考にして企業価値を算定する方法です。具体的には、以下のような方法が存在します。

・類似会社比較法
・類似取引比較法

類似会社比較法は、評価する対象の企業の類似会社にあたる上場会社の企業価値と、営業利益や収益力(EBITDA)といった財務指標から算出された倍率(マルチプル)を評価対象会社に適用することで、企業価値を算出する方法です。

具体的には、以下のように算定します。

EBITDA×業界相場の倍率(EBITDAマルチプル)=企業価値
(EBITDAマルチプル=上場類似会社の企業価値/上場類似会社のEBITDA)

EBITDAは、営業利益に減価償却費を足して算出されるものです。

また、類似会社は、業界が同じ上場企業を選定するのはもちろんのことですが、ビジネスモデルや収益構造、顧客の層などの類似性から選定するパターンもあります。類似会社をどのように選ぶかで算定結果は大きく依存します。

なお、マーケットアプローチには、類似会社比較法のほか、類似するM&Aによる取引事例を用いた類似取引比較法という方法が存在します。

医療法人やクリニックの場合、日本の取引所においては上場企業は存在していないため、過去の同業他社等の取引事例などを参照しながら、マルチプルを推定していく形を用いて概算する形を用いる場合が多くなっています。

2.株式価値を算定する

企業価値を算出したら、株式価値を算出しましょう。株式価値は、以下のように算出します。

企業価値-有利子負債+現金同等物=株式価値

第三者に譲渡する場合に、どの程度の価値がつくかを把握しておくことは重要なため、理解しておきましょう。

M&Aにおける価値の算定については、下記で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
[うちの会社、結局いくらで売れるの?~事業オーナーの疑問に答えるコラム①~]

また、自社の具体的な株式価値を知りたい場合には、株価シミュレーターを用意していますので、以下で試算可能です。ぜひご活用ください。
[株価シミュレーター]

クリニック業界で企業を売却する3つのメリット

クリニック業界で企業を売却する3つのメリット

クリニック業界のM&Aには、売り手にとって大きな利点が多くあります。ここでは代表的なメリットとして、下記の3つを紹介します。

・従業員の雇用を守れる
・まとまった売却益を得られる
・経営者保証から解放される

それぞれ詳しく解説します。

従業員の雇用を守れる

クリニックが廃業となると、医師や看護師、事務スタッフといった従業員は職を失い、新たな職場を探さざるを得ません。生活やキャリア形成に大きな影響を及ぼすため、、従業員にとって深刻な負担となります。

一方、M&Aによって事業を継続すれば、従業員は慣れた環境で働き続けられ、患者に対しても一貫した医療サービスを提供できます。さらに、買い手企業が持つ教育体制や福利厚生制度を導入できる場合には、従業員の働きやすさやキャリアアップの機会が広がる可能性もあります。

経営者にとっても従業員の生活を守りながら安心して事業を譲渡できる点は大きな利点です。こうした継続性の確保は、患者や地域医療にとっても信頼を維持するうえでも重要な要素といえるでしょう。

まとまった売却益を得られる

クリニックをM&Aで売却する最大の魅力は、買い手からの対価としてまとまった資金を得られる点です。

長期的に少しずつ収益を積み上げるのとは異なり、一度の取引で大きな資金を確保できるため、老後の生活資金や資産運用、新たなビジネスの立ち上げなど幅広く活用できます。特に個人経営のクリニックでは、後継者不在のまま経営を続ければ資産価値が下がるリスクがありますが、適切なタイミングで売却することで価値を最大化できるでしょう。

また、売却益を活用して住宅ローンや借入金を返済すれば、生活の安定性も高まります。M&Aは単なる撤退手段ではなく、次の人生設計や新しい挑戦を後押しする資金調達の有効な方法といえます。

経営者保証から解放される

多くの中小規模クリニックでは、金融機関から借入れに際して経営者個人が保証人となっています。経営が順調なときは問題になりにくいものの、経営不振や突発的なトラブルが発生すれば、個人資産を差し出さなければならないリスクを常に抱えています。

しかし、M&Aを実施すれば借入金の返済義務を買い手企業が引き継ぐ形となり、金融機関の合意が得られれば経営者保証を解除できる可能性があります。

保証から解放されれば、経営者は精神的にも経済的にも重圧から解き放たれ、生活の安定を取り戻すことができるでしょう。加えて、資産を守りながら新しい事業や投資に挑戦できる環境も整い、将来への安心感をもたらす大きな重要な選択肢となります。

クリニック業界で企業を売却する際の4つのポイント

クリニック業界で企業を売却する際の4つのポイント

クリニック業界のM&Aを成功させるには、目的に応じた準備が欠かせません。ここでは売却を検討する際に意識すべき重要な視点として、下記を紹介します。

・事業の継続が実現しやすい
・早期からの準備が成功のカギ
・信頼できる専門家を活用する

それぞれ詳しくみていきましょう。

事業の継続が実現しやすい

M&Aによって新たな経営資源やネットワークを得ることで、これまで単独では難しかった事業継続が可能になります。
また、以下のようなケースも多く見られます。

・買い手企業や医師が従業員の雇用を維持
・既存の取引先との関係も継続
・経営理念やノウハウの承継によって「企業文化」も残る

自社の理念や価値を次世代へつなぐことができるのは、単なる「売却」ではない、M&Aならではの魅力です。

早期からの準備が成功のカギ

企業売却は短期間で決断できるものでがありません。成功に導くためには、少なくとも1〜2年前からの準備が理想的です。
準備すべき主な項目は以下の通りです。

・財務諸表・経営数値の整理
・契約書・知財などの法務チェック
・組織体制や人事面の見直し
・潜在的なリスクの洗い出し

これらを整えることで、買い手からの信頼獲得や、企業価値の最大化にもつながります。

信頼できる専門家を活用する

M&Aは複雑かつ専門的な取引であり、経験の浅い経営者が単独で進めるのは非常にリスクが高いです。
そのため、以下のようなサポートをしてくれる専門家の活用をおすすめします。

・M&A支援業者(FA、仲介会社)
・クリニック・公認会計士・弁護士
・専門知識を持つコンサルタント

支援業者次第では、初期費用を抑えながらM&Aを進めることも可能です。第三者の視点を取り入れることで、感情に左右されない冷静な判断ができるのも大きなメリットです。

まとめ

まとめ

クリニック業界は市場が拡大を続ける一方で、経営者の高齢化や医師・看護師の不足といった人材面での課題が深刻化しています。こうした状況下において、M&Aは事業承継や経営基盤の強化を実現する有効な手段といえるでしょう。

売却によって経営者保証から解放されるだけでなく、従業員の雇用を守りながらまとまった売却益を得られる点も大きな魅力です。

ただし、理想的な条件で取引を成立させるためには、信頼できる助言会社の選定や、自社の収益力・財務状況を正しく把握した上で強みを明確に伝える準備が欠かせません。専門家のサポートを受けながら進めることで、希望に沿ったM&Aを実現できる可能性が高まります。

オーナーズ株式会社では、売り手に特化したFAサービスを展開しています。専属のエージェントがお客様の理想の取引実現に向けて、お客様のご希望に即したサービスをとことん提供いたします。よりよい評価額での売却に向けたアドバイスを受けられるだけでなく、余計な仲介手数料を削減した案件成約も実現可能です。

また、具体的な買いニーズを持っている企業のほか、業界・買い手企業分析に基づき事業親和性の高い企業を買い手候補としてご提案します。大手金融機関や大手M&A仲介、M&Aマッチングサービスとも連携しているため、買い手探索のルートが豊富です。

まずは一度、弊社の無料相談サービスをご利用ください。

この記事の著者

RISONAL 編集部(オーナーズ )

RISONAL編集部

売り手の理想のM&Aの実現に特化した専属M&Aエージェントサービスおよび事業オーナー向けの資産運用サービスを提供するオーナーズ株式会社

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