食品製造業界のM&A|食品製造のM&A動向やポイントも解説!

2024.08.29

公開日:2024.08.29

2024.08.29

2024.09.14

更新日:2024.09.14

2024.09.14

食品製造業界のM&A|食品製造のM&A動向やポイントも解説!

昨今、食品製造業界は需要の拡大が推測されており、M&A取引が活発に行われるようになっています。

食品製造業界では、原材料価格の高騰や物流コストの上昇、人件費の上昇などが問題となっており、生産性や競争力の向上のためにM&Aが解決の有効な手段として注目されています。

では、具体的に食品製造業界のM&A事情はどうなっているのでしょうか。本記事では、最新の食品製造業界のM&A事情を解説します。さらに、食品製造業界におけるM&Aのメリットや事例も紹介しているため、食品製造業界でM&Aを考えている方はぜひ参考にしてください。

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食品製造業界の動向

食品製造業界の動向

食品製造業界における食品製造業生産額指数は、平成23年以降緩やかな上昇を続けてきました。しかし、コロナウイルスの感染拡大を受け、令和2年には低下してしまいました。その後令和3年には上昇基調に戻り、最新の令和5年には対前年比8.3%と大きく上昇しました。現在はコロナウイルスの影響から順調に回復しており、今後も需要の拡大が推測されます。

食品産業動態調査

参照:農林水産省「食品産業動態調査

一方で、食品製造業界にも課題が生じています。まず、原材料価格の高騰と物流コストの上昇です。食料品は原材料の多くを輸入に頼っている状態です。そのため、原材料価格自体の上昇に加えて、原油価格の高騰や円安の進行による輸入コストの増加が仕入コストを上昇させています。また、原油価格のみならず電気代を含むエネルギーコストの上昇は、物流コストの上昇や生産コストの上昇を通じて食料品製造業界の経営を圧迫しています。これらに加えて、賃上げによる人件費も上昇しています。

他にも、安心・安全な食品を届けるためにもコストが必要です。膨大な量の食品ロスや海洋プラスチックごみ、食品表示偽装など、さまざまな問題が食品業界全体で生じています。これらに対応しなければならないとともに、安心・安全な食品を届けるために、事業の中にどうコストを組み込むかも重要です。

各コストの上昇による生産性の低下を補うには、値上げが有効な解決策の一つですが、より低価格の商品を求める消費者のニーズと、それに答えようとする小売業界の壁は大きく、価格転嫁は容易ではありません。加えて、業界内での競争が激しく値上げがしづらい食品製造会社にとって、生産性の低下は経営上の大きな課題です。

食品製造業界のM&A動向

食品製造業界のM&A動向

食品製造業界では、ユーザーが求める質が年々高まっており、そのニーズを満たすためにもM&Aを進めて事業運営していくケースが多く見られます。

素材型(製糖、製粉、製油などの原料供給が主要業務)の企業では、事業規模が大きいほどコスト削減や生産の効率化が図りやすくなっています。そのため、同業他社とのM&A取引で経営統合するケースが多い状態です。

また、小規模企業はエネルギーコストや原材料価格の上昇などに対応しきれなくなっています。また、生産性向上のための機械導入などで製造コストを抑えられますが、潤沢な資金がありません。そのため、豊富な資金のもとで事業を展開するために、M&Aで事業譲渡や売却するケースも多くなっています。

異業種との間のM&Aも、食品製造業界では増加傾向にあります。昨今、健康志向の高まりがみられる中で、健康食品やバイオ分野など、自社との組み合わせで新たな効果の創出を目的としたM&Aが進んでいます。さらに、食品製造業界は特定地域のマーケットに強い企業が多いため、今後もさまざまな業種の企業が注目するでしょう。

他にも、海外企業とのクロスボーダーM&Aも増加しています。将来的な人口減少の予測により、日本国内では需要が減少し、飽和状態になると推測されています。そのため、日本国内だけでなく海外にも事業を展開しようとする企業が増えている状態です。アジアの国々を中心に、海外の大手企業とM&Aを実施するケースも増加しています。

食品製造業界のM&Aの流れ

食品製造業界のM&Aの流れ

食品製造業界におけるM&Aの流れは、大きく分けて下記の3つのステップから構成されます。

1.M&Aの事前準備、助言会社の選定
2.譲渡候補先企業との接触、意向受領表明
3.詳細調査(DD)、最終契約締結・クロージング

それぞれ詳しくみていきましょう。

Step1.M&Aの事前準備、M&A助言会社の選定

まず、M&Aの事前準備とM&A助言会社を選定します。

事前準備として、M&A助言会社と秘密保持契約を締結し、初期的な資料を開示します。秘密保持契約とは、自社の秘密情報を他社に開示する場合に、その情報を秘密に保持することを締結する契約です。

その上で、売却戦略をM&A助言会社と策定し、譲渡候補先企業を優先順位ごとに並べたロングリスト(※1)を作成します。

譲渡の目的を満たすストラクチャー(※2)の検討や、譲渡完了に至るまでの全体のスケジュールについても事前準備の段階で検討します。

また、この段階でM&A助言会社とエージェント契約を締結します。

M&A助言会社を選定する際に注意しておきたいのが、仲介とFA(フィナンシャル・アドバイザー)の違いです。

仲介とは、いわゆるマッチングサービスのことで、売り手と買い手の双方とそれぞれ仲介契約を締結します。M&Aの当事者双方から依頼を受けているため、いずれか一方の利益のみを優先的に取り扱うことはできず、双方の意向を一元的に把握し、双方の共通の目的であるM&Aの成立を目指し、助言や調整を行います。また、手数料は売り手と買い手の双方から受領します。

それに対してFAとは、M&Aを実行するためのアドバイスを提供するサービスのことで、M&Aの当事者一方のみから依頼を受けます。M&Aの相手方(譲渡候補先企業を含む。)に対して、依頼者に対して提供するのと同様の業務を提供することはありません。M&Aの当事者一方のみから依頼を受けているため、依頼者の意向を踏まえて、依頼者にとって有利な条件でのM&Aの成立を目指し、助言や調整を行います。

弊社では、売り手のみと契約を締結してM&Aを支援する専属エージェントサービス(売り手特化型FAサービス)を提供しており、手数料は依頼者である売り手のみから受領し、売り手の利益を最大化することを目指します。

また、譲渡戦略の策定と並行して、譲渡候補先企業へ開示する資料準備も進めます。M&Aプロセスの初期に譲渡候補先企業に対して開示する資料には、匿名の企業概要書(ティーザー(※3))、インフォメーション・パッケージ(※4)があります。

※1 ロングリスト:一定の条件で絞り込んだ譲渡候補先の企業をまとめたリストのこと。
※2 ストラクチャー:M&Aを実行するための手段や方法のこと。
※3 ティーザー:匿名の企業概要書で、通常1枚から2枚で構成される資料のこと。
※4 インフォメーション・パッケージ:譲渡候補先企業がM&Aを検討するために参考にする際の参考資料。対象会社(事業)の魅力を伝え、譲渡候補先企業が企業価値評価を実施できることを目的に作成される。

Step2.譲渡候補先企業との接触、意向表明受領~

次に、譲渡候補先企業と接触します。

ロングリストに基づき、M&A助言会社が譲渡候補先企業と接触し、ティーザーを開示します。その上で関心を示す相手に対して、秘密保持契約を締結した上でインフォメーション・パッケージを開示します。

対象会社の譲受を希望する譲渡候補先企業は、売り手に対して意向表明書を提出します。意向表明書には、譲渡価格の水準や取引の前提条件、取引後の対象会社の運用方針などが記載されます。売り手はこれを検討・比較し、受け入れ(基本合意)可能かを判断します。

売り手においては、後述する詳細調査(デュー・デリジェンス:DD)のプロセスにおいて、対象会社の秘密情報が譲渡候補先企業に開示されることになるため、DDを受け入れる前に納得感の得られる取引条件であることを確認することが非常に重要です。譲渡候補先企業においても、DDにおける専門家起用の費用負担や多大な労力が生じるため、この段階で独占交渉権を求めることが一般的です。

そのため、基本合意を締結し、守秘義務や独占交渉権などを取り決めた上で、次のステップに進むことになります。

Step3.詳細調査(DD)、最終契約締結・クロージング~

意向表明書を受理して基本合意書の締結をしたら、DDと呼ばれる詳細調査と最終締結・クロージングです。

M&Aにおいては、売り手と買い手との間に、情報の非対称性が必然的に生じます。この非対称性をできるだけ解消するために、買い手が実施する対象企業への調査がDDです。

買い手にとってDDには、以下のような目的があります。

・自社のM&A戦略に合致した事業かどうか詳細まで検討する
・定量化可能なDDの発見事項を、譲渡価格へ反映する
・定量化できないDDの発見事項を、最終契約書の条件へ反映し、リスクを遮断する
・M&Aの目的を達成するためのストラクチャーを検討する
・M&A実行後に必要な対応を明確化し、統合計画に反映させる

その後、最終契約締結に移ります。譲渡価格や契約条件を交渉し、双方が納得のいく形で契約を締結します。そしてM&A取引が実行され、対象の株式・事業の引き渡しをし、譲渡代金を支払って経営権の移転が完了します。

譲渡企業オーナーの譲渡を想定したより詳細なM&Aのプロセスは、以下の記事で解説していますので、ぜひご活用ください。
[M&Aのプロセス]

食品製造業界のM&Aのメリット

食品製造業界のM&Aのメリット

食品製造業界でM&Aを実施するメリットとして、以下の3つが挙げられます。

・従業員の雇用を守れる
・取引先への影響を最小限に抑えられる
・大手グループの傘下となり経営が安定する

それぞれ詳しくみていきましょう。

食品製造業界のM&Aのメリット①:事業を継続でき、従業員の雇用を守れる

第三者への事業承継を選択せずに廃業を選択した場合は、従業員は職を失うことになり、新しい職を探す必要があります。また、経営者としては、従業員のために新しい職を見つけてあげるなどの対応をするケースも考えられます。

一方で、M&Aの実施により、従業員の雇用を継続でき、経営者は従業員に対する責任を果たせるでしょう。

食品製造業界のM&Aのメリット②:仕入先・取引先への影響を最小限に抑えられる

廃業を選択した場合には、仕入先や取引先との契約を終了させる必要があります。債権債務の整理をし、さまざまな影響が自社および取引先に波及します。

一方で、M&Aを実施する場合、一般的には既存取引先との契約関係は引き継ぐことが多く、廃業による影響を最小限に抑えられます。

食品製造業界のM&Aのメリット③:大手グループの傘下となり経営が安定する

食品製造業界はコストの増加が深刻な問題となっており、特に小規模企業は潤沢な資金がないため、コスト上昇に対応しづらくなっています。

しかし、大手グループの傘下となれば、自社よりも大規模で資金が豊富な企業のもとで事業展開できるため、仕入・物流の統合や生産拠点の統廃合、販路拡大等によるサプライチェーンの強化、経営の安定化に期待できます。また、自社と大手企業の事業特性の組み合わせによる相乗効果にも期待できるため、さらなる成長につながるでしょう。

食品製造業界のM&Aの相場

食品製造業界のM&Aの相場

食品製造業界の相場は、一概にいくらと明言できません。その企業の売り上げやブランド力、立地などさまざまな要素から判断されます。

これまでM&A仲介会社では年買法と言われる簡便的な株式評価手法を用いて評価を実施することが一般的でした。これは純資産に営業利益の数年分を加算する簡単な計算方法であり、理解が容易な一方、実績ベースの評価で、加算される営業利益の年数も業界ごとに固定的なものとなります。

その結果、成長性のある事業ほど低く株式価値が算定されてしまうリスクがあります。正しく買い手の株式価値評価手法を理解することは、売り手オーナーが自身の利益を守るために重要です。

食品製造業界のM&A実務において事業価値の算定には、大きく分けて2つの方法があります。

・インカムアプローチ
・マーケットアプローチ

インカムアプローチは、営業資産が生み出す将来キャッシュフローを評価の基礎とする方法です。代表的なディスカウント・キャッシュ・フロー(DCF)法では、将来キャッシュフローを現在価値に割り引いて事業価値を試算します。

理論的に優れた方法ではあるものの、将来キャッシュフローの見積もりや割引率の計算は非常に難易度が高く、経験を積んだ専門家でないと試算が困難で、初見では理解しづらいのが大きな欠点でしょう。

本稿では「価値の概算を簡単に知る」ことを目的にしていますので、インカムアプローチの詳細な説明は割愛します。

マーケットアプローチは、市場における取引価格を参考にして事業価値を算定する方法です。具体的には、以下のような方法が存在します。

・類似会社比較法
・類似取引比較法

類似会社比較法は、評価する対象の企業の類似会社にあたる上場会社の企業価値と、営業利益や収益力(EBITDA)といった財務指標から算出された倍率(マルチプル)を評価対象会社に適用することで、事業価値を算出する方法です。

具体的には、以下のように算定します。

EBITDA×業界相場の倍率(EBITDAマルチプル)=企業価値
(EBITDAマルチプル=上場類似会社の企業価値/上場類似会社のEBITDA)

EBITDAは、営業利益に減価償却費を足して算出されるものです。

また、類似会社は、業界が同じ上場企業を選定するのはもちろんのことですが、ビジネスモデルや収益構造、顧客の層などの類似性から選定するパターンもあります。類似会社をどのように選ぶかで算定結果は大きく依存します。

企業価値を算出したら、株式価値を算出しましょう。株式価値は、以下のように算出します。

企業価値-有利子負債+現金同等物=株式価値

第三者に譲渡する場合に、どの程度の価値がつくかを把握しておくことは重要なため、理解しておきましょう。

なお、マーケットアプローチには、類似会社比較法のほか、類似するM&Aによる取引事例を用いた類似取引比較法という方法が存在します。

しかし、参照する過去の取引における対象会社が非上場である場合、入手可能な財務数値が限定的であるため、同方法が中小企業のM&Aで利用されることは少ないのが現状です。

M&Aにおける価値の算定については、下記で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
[うちの会社、結局いくらで売れるの?~事業オーナーの疑問に答えるコラム①~]

 また、自社の具体的な株式価値を知りたい場合には、株価シミュレーターを用意していますので、以下で試算が可能です。ぜひご活用ください。
[株価シミュレーター]

食品製造業界のM&Aのポイント

食品製造業界のM&Aのポイント

食品製造業界でM&Aを実施する際に押さえておきたいポイントとして、下記の3つが挙げられます。

・適切なM&A助言会社を選定する
・自社の正当な収益力・財務状況を把握する
・最適なタイミングで取引する

それぞれ詳しく解説します。

食品製造業界のM&Aのポイント①:適切なM&A助言会社を選定する

M&A助言会社に求められる能力は、法務・会計・税務・ファイナンスに精通していること、誠実であること、顧客の立場に寄り添って助言を提供できる立ち位置であること、M&Aの売り手・買い手の双方の行動原理を理解しそれを交渉に活かせること、と多岐に渡ります。

真に顧客に寄り添える立場であるか、また、上記を見極めるためにも売り手・買い手の双方から報酬を受領する仲介会社ではなく、売り手と同じ船に乗り事業オーナーに対し助言する会社(FA)であるかを選定することが重要です。また、その会社に在籍するアドバイザーの知識や経験、ノウハウ等を含むFAサービスの品質が重要です。

食品製造業界のM&Aのポイント②:自社の正当な収益力・財務状況を把握する

売り手にとって、自社をよい条件で売却するために必要なのは、自社の正当な収益力・財務状況の把握です。

税務対策やオーナーの個人的な経費を費用計上している中小企業は数多くあるため、具体的な買い手候補にアプローチする前に、自社の実質的な収益力や、貸借対照表においても現金化可能資産や非事業用資産を確認し、実質的な自社の財務状況の把握が必要です。

食品製造業界のM&Aのポイント③:最適なタイミングで取引する

利益を最大化し、納得できるM&Aを実施するには、タイミングが重要です。特に、下記の3つがタイミングとして重要となってきます。

・好景気なとき
・業界再編が進んでいるとき
・経営者の体調がよいとき

好景気のときほど企業が高く売れるのは当然のことでしょう。業界再編が進行している場合も、タイミングとしては狙い時です。業界再編が進行して売り手が少なくなると、売り手市場となるので価値が上昇します。また、経営者の体調が優れているうちに、早めに計画を立てて進めましょう。もし経営者に何かが起こってしまうと、売却が最優先となりよりよい条件での取引や要望が通らなくなってしまいます。

食品製造業界のM&A売却事例

食品製造業界のM&A売却事例

ここでは、食品製造業界で実施されたM&Aの売却事例を紹介します。本記事では、下記の3つの事例を紹介します。

・エバラ食品工業×丸二株式会社
・丸の内キャピタル第三号投資事業有限責任組合×東亜トレーディング
・ブロンコビリー×松屋栄食品本舗

実際の取引を参考にして、自社の売却のために役立ててください。

食品製造業界のM&A売却事例①:エバラ食品工業×丸二株式会社

2023年10月2日、エバラ食品工業は丸二株式会社を買収し、佐々森浩二代表取締役から全株式を取得しました。

エバラ食品工業は1人分ずつ小分けにしたポーション調味料の生産を強化しており、「コア事業による収益強化と戦略事業の基盤確立」に取り組み、同社のコア事業や将来の戦略事業の推進に向けたモノづくり機能・生産体制の強化を目的としています。

丸二株式会社は1967年に設立し、売上高は23億4500万円ほど。小容量の粉末や液体製品を中心としたモノづくりの知見を有しています。特に西日本エリアの味覚や嗜好をとらえた商品開発を得意としており、少量多品種生産に適合した柔軟かつ機動的な生産体制を構築しています。

このM&Aによって、エバラ食品工業は粉末調味料や製造技術の知見獲得や小容量商品に対する生産能力の整備や向上を見込みました。それによって、開発・製造・供給体制の強化を図っています。今後も将来の市場拡大が期待される分野に積極的に投資することで、経営に関する環境の変化への対応力や競争力の強化を目指しています。

食品製造業界のM&A売却事例②:丸の内キャピタル第三号投資事業有限責任組合×東亜トレーディング

三菱商事の全額出資子会社の丸の内キャピタルが管理・運営する丸の内キャピタル第三号投資事業有限責任組合は、韓国伝統食品製造・販売、飲食店・レストラン経営の東亜トレーディングに投資したことを、2024年4月30日に発表しました。

東亜トレーディングは1987年に設立し、キムチや韓国惣菜を製造し、百貨店や駅ビルを中心に「沈菜館」「韓美膳 DELI」「カンナムキンパ」などの直営店舗を通じた販売事業を展開。今後さらなる拡大が見込まれる韓国料理業態において、幅広い層から指示を受けています。

丸の内キャピタルは、東亜トレーディンググループが築き上げた強みや企業文化を引き継ぐとともに、自社で培ってきたノウハウやリソースを最大限活用し、長期的な事業成長・発展を実現します。

さらに、丸の内キャピタルは過去に多くの企業と取引しており、三菱商事の持つネットワークを活用できる上、小売業界・外食業界における成長戦略や経営改善施策の立案・実行に関するノウハウが豊富です。本件もこれに続く投資であり、当社特有のノウハウや知見を活かして、今後も業界内での積極的な経営支援・事業拡大の機会を追求していくでしょう。

食品製造業界のM&A売却事例③:ブロンコビリー×松屋栄食品本舗

2022年6月20日、ブロンコビリーは、調味料・惣菜製造の松屋栄食品本舗を7月1日付で買収することを発表しました。長瀬由和代表取締役らから全株式を取得しています。

松谷酒井食品本舗は1976年に設立され、売上高は8億5000万円です。主にたれやドレッシングなどの調味料や惣菜を製造する食品製造業を営んでおり、顧客企業のPB商品開発などの実績とそれを受注する上での品質管理能力を有しています。

ブロンコビリーは13都府県で130店舗を展開しており、食材調達・工場加工・店舗調理を一貫して実施している企業です。今回の取引では、業容拡大に対応するための工場の能力を拡充し、新業態で提供するソースや総菜類の差別化を推進し、ソース・ドレッシング類の外部販売により自社ブランドの認知度の強化を図っています。松屋栄食品本舗側からすれば、異業種であるブロンコビリーの傘下に入ることにより、経営の安定性が上昇するのみならず、これまでにはない販路を獲得できることによるシナジーも期待できます。

食品製造業界のM&Aに関するよくある質問

食品製造業界のM&Aに関するよくある質問

食品製造業界でのM&Aにおいてよくある質問を紹介します。

理想の取引を実現するためにも、ぜひ参考にしてください。

食品製造業界のM&Aに関するよくある質問①:地方企業でもM&Aは可能ですか?

もちろん全国問わず、M&Aは可能です。

全国対応するM&A助言会社はありますし、買い手もまだ事業展開していない地域への進出を目的として、M&Aを戦略の一つとして活用することは一般的です。

食品製造業界のM&Aに関するよくある質問②:よい条件で会社を売却することはできますか?

いくつかの留意点を押さえれば、よい条件で売却できる可能性は高まります。

業界によって、株式価値評価の相場が異なるため、M&A助言会社に相談し、企業評価を取得することから始めるのが、よい選択であると考えられます。

食品製造業界のM&Aに関するよくある質問③:食品製造業界で価値の高い企業の特徴は何ですか?

食品製造業界で価値の高い企業の特徴として、まずは安定した収益力が挙げられます。今後も高い収益性が見込めたり、収益の拡大が予測できたりする場合に価値が高くなります。

また、経営資源の貴重さも重要な判断基準です。他の企業にはないような技術やノウハウ、関係性の構築など、希少性の高い経営資源を所有している場合には、企業価値が高くなるでしょう。

他にも、買い手のニーズが多異分野に属していたり、投資対効果が高かったりすると期待できる企業は、価値が高くなります。

まとめ

まとめ

食品製造業界では、原価の上昇や生産の安定性などが問題となっている中で、同業種や異業種、海外の企業など幅広くM&Aが行われています。

食品製造業界でM&Aを実施すると、従業員の雇用や取引先との関係を維持でき、大手グループの傘下となって経営が安定します。

自社の収益力や財務状況などを把握したうえで、自社に合った企業と最適なタイミングでのM&Aを心がけましょう。

オーナーズ株式会社では、売り手に特化したFAサービスを展開しています。専属のエージェントがお客様の理想の取引実現に向けて、お客様のご希望に即したサービスをとことん提供いたします。よりよい評価額での売却に向けたアドバイスを受けられるだけでなく、余計な仲介手数料を削減した案件成約も実現可能です。

また、具体的な買いニーズを持っている企業のほか、業界・買い手企業分析に基づき事業親和性の高い企業を買い手候補としてご提案します。大手金融機関や大手M&A仲介、M&Aマッチングサービスとも連携しているため、買い手探索のルートが豊富です。

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この記事の著者

RISONAL編集部(オーナーズ )

RISONAL編集部

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