休眠会社は売却できる?売却のメリットや流れ、相場も解説

2026.03.30

公開日:2026.03.30

2026.03.30

2026.03.30

更新日:2026.03.30

2026.03.30

休眠会社は売却できる?売却のメリットや流れ、相場も解説

会社を動かしていない状態が長く続くと、「このまま持ち続ける意味はあるのか」「廃業するしかないのか」と悩む経営者は少なくありません。休眠会社であっても、一定の条件を満たせば売却は可能です。休眠会社の売却も、大まかな流れは通常のM&Aと共通しますが、休眠期間中の登記や税務、許認可の有効性など、特有の確認事項があります。

売却を検討する価値があるのは、廃業コストを避けられるからだけではありません。社歴のある会社や許認可を持つ会社は、買い手にとって新設会社より使いやすいことがあります。そのため、会社の状態によっては売却代金を得られる余地もあります。

本記事では、休眠会社の基本的な意味に加え、ペーパーカンパニーとの違い、売却するメリット、相場の目安まで解説します。

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休眠会社とは

一般に休眠会社と呼ばれる会社の中には、会社法第472条の休眠会社だけでなく、実務上は長期間稼働していない特例有限会社なども含めて語られることがあります。放置期間が長い会社は、毎年行われる整理作業の対象になります。

・最後の登記から12年を経過した株式会社を指す
・特例有限会社は会社法第472条の休眠会社には含まれない
・公告後2か月以内に必要な登記や届出をしないと、みなし解散の登記がされる

つまり、休眠会社は「動いていない会社」という日常語ではなく、登記の放置期間を前提にした法的な扱いを伴う言葉です。

休眠会社とペーパーカンパニーの違い

休眠会社とペーパーカンパニーは、似た言葉として扱われがちです。ただ、同じ意味ではありません。休眠会社には会社法上の基準がありますが、ペーパーカンパニーはもっと広く使われる言葉です。

・休眠会社は会社法上の概念である
・ペーパーカンパニーには明確な法律上の定義がない
・ペーパーカンパニーは、実体のない会社を広く指す場面で使われる

休眠会社は、過去に事業をしていて今は止まっている会社も含みます。一方でペーパーカンパニーは、実体のない会社をまとめて指すことが多く、文脈によっては税務や規制回避の話まで含みます。売却の検討では、法的な意味が明確な休眠会社という前提で考えるべきです。

休眠会社を売却するメリット

休眠会社をそのまま持ち続けると、管理の手間だけが残ります。売却できれば、その負担を減らしながら一定の金銭的メリットを得られる場合があります。具体的なメリットは以下の通りです。

・廃業コストをおさえられる
・創業者利益を確保できる
・節税につながる可能性がある

もっとも、どの会社でも同じ条件で売れるわけではありません。資産や未処理の事務手続きなどの有無によって、買い手の見方はかなり変わります。

廃業コストをおさえられる

会社をたたむには、解散と清算の手続きが必要です。登記費用や官報公告の実費もかかるだけでなく、専門家へ依頼するなら、その報酬も見込まなければなりません。

休眠会社を売却できれば、こうした清算コストを避けられる可能性があります

創業者利益を確保できる

休眠会社を持っているだけでは、通常は現金が生まれません。売却が成立すれば、株式譲渡代金として一定の対価を受け取れる可能性があります。

特に社歴が長い会社や、許認可を持つ会社では、新設より価値があると見られることがあります

節税につながる可能性がある

税務面では、清算と株式譲渡で課税関係が異なります。そのため、株主の属性や譲渡損益の状況によっては、売却のほうが税負担を抑えやすい場面があります。

ただし、ここは一律に節税効果があるとは言えません。実際にどちらが有利かは、株主が個人か法人かによっても変わるため、税理士の確認が必要になります

休眠会社を売却する相場

休眠会社の売却価格には、公的な基準がありません。実務では、会社の年数や資本金、許認可の有無、資産や負債の内容によって大きく変わります。そのうえで、相場感として紹介される価格帯には一定の傾向があります。

公的な価格基準はありませんが、民間の休眠会社売買の紹介例では、株式会社で10万円から30万円前後、特例有限会社で20万円から50万円前後といった価格帯が示されることがあります

この価格帯は、あくまで何もない休眠会社に近いケースの目安です。建設業許可や運送業許可のように取得に時間がかかる許認可を持つ会社は、もっと高く評価されることがあります。

反対に、簿外債務や未処理の税務がある会社は、価格より先にリスクが問題になります。数字だけで判断せず、何が残っている会社なのかを見極めることが重要です。

休眠会社を売却する流れ

休眠会社の売却手順は、通常のM&Aと大きく変わりません。最初に方針を決め、相手を探し、基本合意とDDを経て、契約締結とクロージングへ進みます。休眠会社特有の確認事項としては、休眠期間中の登記懈怠、税務申告の状況、許認可の有効性が加わります。

・M&Aの専門家と売却戦略を策定する
・買い手候補とマッチングする
・トップ面談と基本合意を行う
・デューデリジェンスを実施する
・契約を締結する
・クロージングを行う
・PMIを実施する

休眠会社であっても、名義だけ移せば終わるわけではありません。譲渡後に会社を再稼働させるなら、役員変更や税務届出、口座や契約の引継ぎまで見据えて進める必要があります。

M&Aの専門家と売却戦略を策定する

最初に決めるべきなのは、何を価値として売るのかです。社歴なのか、許認可なのか、資産なのかによって、打診先も説明の順番も変わります。

休眠会社は稼働中の会社より情報が少ないため、見せ方を誤ると相手の検討が止まりやすくなります。経験のある専門家を入れて、売却理由と訴求点を固めることが重要です。

買い手候補とマッチングする

次に、自社を引き継ぐ意味がある買い手を探します。新規設立ではなく既存法人を取得したい会社、許認可を活用したい会社、社歴を重視する会社などが候補になりやすくなります。

単に会社を欲しがる相手ではなく、どこに価値を感じるかが明確な相手に打診することが重要です。

トップ面談と基本合意を行う

買い手候補が見つかったら、経営者同士で面談します。休眠会社の場合は、通常の事業承継案件より、何が残っているかが中心論点になります。

資産価値を説明したうえで、双方が大枠に納得すれば、価格帯や今後の流れを基本合意で固めます。ここで期待だけを先行させると、最終契約に近づくほど認識に齟齬が生まれやすくなります。

デューデリジェンスを実施する

休眠会社でもDDは省けません。むしろ、長く動いていない会社ほど確認事項は増えます。具体的には、以下のような項目が見られます。

・未処理の税務申告
・役員変更の未登記
・休眠前の債務
・名義だけ残っている契約

許認可を価値として売る場合は、そのまま使えるのかも重要です。ここで問題が出れば、価格調整や条件変更につながります。

契約を締結する

DDを踏まえて条件が固まったら、最終契約を結びます。休眠会社では、表明保証の範囲が重要です。稼働していないから安全というわけではなく、過去の申告や負債の有無をどこまで保証するかで売り手の負担は変わります。

契約書はひな形のまま進めず、実態に合わせて詰めるべきです。

クロージングを行う

契約締結後は、株式の引渡しや代金決済を行います。あわせて、代表者変更や本店変更など、必要な登記も進めます。

休眠会社は最後の登記から長期間が経過していることが多いため、過去の登記懈怠が残っていないかも確認が必要です。形式面を甘く見ると、譲渡後の再稼働がスムーズにできない可能性があります。

PMIを実施する

休眠会社のPMIは、稼働中の会社ほど大掛かりではない場合があります。ただ、譲渡後に事業を再開するなら、役員体制や社内ルールなどの見直しが必要です。

名義変更だけで終わる内容ではないため、買い手側がどこまで準備しているかで、その後の立ち上がり速度は変わります。

なお、休眠会社の売却であっても、基本的な進行は通常のM&Aと大きく変わりません。全体の流れを先に把握したい方は、以下の記事もご覧ください。

M&Aのプロセス

休眠会社売却の際に相談すべき専門家

休眠会社の売却は、法務や税務が絡むため、専門家を使わずに進めると売却価格より後処理のほうで損をすることがあります。特に、許認可や休眠期間中の未処理事項がある会社では、早い段階から役割を分けて相談するべきです。

・弁護士
・税理士
・M&A仲介会社
・FA

誰に相談するかで、交渉の進め方も残るリスクも変わります。それぞれの相手について解説します。

弁護士

弁護士は、株式譲渡契約書の作成や法務デューデリジェンスを通じた法的リスクの整理おいて欠かせません。休眠会社は稼働していないため安全と見られがちですが、休眠前に生じていた未処理債務や労働問題、契約上のリスクが後から表面化するおそれがあります

表明保証の範囲や補償条項を適切に設計しないと、売却後の責任分担が不明確になり、買主との紛争につながる可能性があります。そのため、法務DDと契約条件の整理は重要です。

税理士

税理士は、休眠期間中の税務リスクを整理するうえで重要です。休眠状態であっても、休眠期間中の地方税の届出や申告が未整理になっているケースがあり、自治体によっては法人住民税の均等割の扱いが問題になることがあります

また、会社の清算に伴う残余財産の分配と、M&Aによる株式譲渡では、売り手に適用される税目や税率が大きく異なります。最終的な手取り額を正確に試算し、単なる清算とM&A売却のどちらが有利かを比較するには、税務の専門的な確認が必要です。

FA

FAは売り手専属の立場で助言を行う専門家です。仲介会社が双方の調整に立って成約を優先するのに対し、FAは売り手のリスク遮断と条件を最優先して交渉方針を作ります

休眠会社の売却では、売却後の責任分担や税務設計で大きな差が出るため、売り手利益を守る役割は小さくありません。休眠会社や小規模案件に対応した成功報酬型のFAサービスを活用することで、コストを抑えながら条件面を整理しやすくなります。

M&A仲介会社

M&A仲介会社は、対象会社の価値を整理し、マッチングとディール全体の進行管理を担います。休眠会社の買収ニーズは、社歴や許認可、法人格の活用などを目的とするケースがあります

そのため、通常の事業承継案件とは異なるアプローチでの買い手探索が求められます。休眠会社やスモールM&Aの取り扱い実績がある仲介会社、あるいは事業承継プラットフォームを適切に活用することで、自社の表れにくい価値を評価する適切な買主を見つけやすくなります。

まとめ

休眠会社であっても、一定の条件を満たしていれば売却は可能です。特に、社歴や資産といった要素に価値があれば、買い手にとって新設法人を用意するより合理的だと判断されることがあります。そのため、動いていない会社だからといって、廃業しかないと決めつけるべきではありません。

特に休眠会社の売却では、以下のような論点を先に整理しておくことが重要です。

・何が価値として残っているのか
・未処理の税務や登記懈怠がないか
・許認可や契約が実際に使える状態か
・売却と清算のどちらが合理的か

休眠会社の売却価格に一律の相場はありません。数万円から数十万円程度で語られることもありますが、それは何もない会社に近い場合の目安にすぎません。許認可や資産があれば評価は上がりますし、未処理債務や税務リスクがあれば、価格より先に条件面が厳しくなります。

重要なのは、休眠しているという事実だけで価値を判断しないことです。何が残っていて、誰にとって使い道があるのかを専門家とともに整理したうえで、売却、継続保有、清算のどれが最も合理的かを比較する必要があります

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この記事の著者

RISONAL編集部(オーナーズ株式会社 )

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